9月15日に東京・秩父宮ラグビー場で行われたトップリーグ第3節、王者奪還を狙うパナソニック ワイルドナイツとフィジカルに強みを持つ東芝ブレイブルーパスの一戦。MOMに選ばれたのはパナソニックのSO山沢拓也選手だった。高校時代からその才能に注目され、筑波大学4年時から野武士軍団に入団しトップレベルの中で成長を続けてきた逸材だ。
2019年の日本代表ワールドカップトレーニングスコッドには選ばれていないが、この試合では、アンストラクチャーの状況からアタックをしかけるジェイミー・ジョセフHCが目指すジャパンのスタイルにマッチするのではと誰もが思ってしまうプレーを随所に見せた。
もうひとり、山沢選手と同じく非凡な才能をプレーで見せた選手がいた。CTB松田力也だ。昨シーズン、ルーキーながらトップチームの中で12番の背番号を背負いレギュラーとして試合に出場し「ベスト15」を獲得。サンウルブズやジャパンでは10番も務め、今季からパナソニックでは山沢が下がるとSOとしてもプレーしている。
SO山沢がトライに絡んだ3つのプレーを振り返りたい。
山沢が絡んだ3つのトライを振り返る―前半23分
まずは前半23分のトライを振り返る。
福岡が左サイドでゲインして前に出たことで、右サイドにパナソニックに優位なアタックラインができていた。しかも、アドバンテージが出ていたということで、裏のスペースがあったことを見逃さず、ゴロパンというオプションを選択した。
そのボールに反応した山田がゴールライン直前で体を入れて、ルーズボールになったところを山沢が押さえてトライにつないだ。
山沢が絡んだ3つのトライを振り返る―前半34分
次に34分、山田のトライ。パナソニックが東芝のゴール前モールから、なんとか防いでラックにし、隙を見逃さずWTB福岡がターンオーバー。普通であれば、タッチに蹴るところが、今年、ロビー・ディーンズ監督(パナソニック)は特にアタックの部分ではトランジション(攻守の切り替え)の部分のところに重点をおいて準備してきたと言っていたが、それが、実際にこの場面でも発揮された。