6月26日、都内にあるラグビーダイナ―・ノーサイドクラブにて、練習生からサンウルブズスコッド入りを果たし、スーパーラグビーデビューを果たした木村貴大選手が、「サンウルブズ応援御礼報告ナイト」と題してトークイベントを開催した。
なかなかサンウルブズの情報が発信されない中で、SNSから多くの情報を発信して注目を集めている木村選手。ラグビージャパン365・スーパーバイザーの大友信彦氏がナビゲーターとして登壇し、サンウルブズの情報はもちろん、東福岡時代、筑波大学でFLからSHへコンバートされたときのエピソード、そして、サンウルブズへの挑戦、さらには現在取り組んでいる活動、気になる今後の動きについてたっぷりと語ってもらいました。
予定時間を大幅に延長するほどの盛り上がりだったため、1回では収まらず(!)、2回に渡ってお送りします。
「今日は何でも話しますよ!」ファンへの感謝、どうしても伝えたかったこと
木村貴大選手(以後、木村) 本日はご来場ありがとうございます。こういうコロナの状況もあり、開催するのは難しいかなと思っていましたが、いろいろ感染対策が行われたり、自粛が解除されている中で、先陣を切って誰かがいつやるかという状況だと思うので、僕が、無所属ということもあって、やりたいなとおもって開催にいたりました。
一ヶ月後も二ヶ月後も全く決まっていない状況です。なるべく一週間後にはどこかに行っているかもしれないので、なるべく皆さんにお礼を言いたいと思っておりました。今シーズン、サンウルブズと僕への応援をいただき本当にありがとうございます。これからもよろしくおねがいします。
大友信彦氏(以後、大友) 今年のサンウルブズは国内のファンにとっては福岡の開幕戦、次の秩父宮と、生で見られたのは2試合だけという人が多かったと思います。でも、今年のサンウルブズはこれまで見た中で一番魅力的だったと思います。中で経験していた選手としてはどうでしたか?
木村 結構キツかったです。練習自体も一日4部やっていました。やっぱり、どうしても、きつい練習ばかりしているとストレスがたまったりするし、家族にもあえずに、チームメイトしかあえない。じゃあどうやってストレスを貯めずにいたかというと、外国人選手は、夜中にカップラーメンとかポテチ(ポテトチップス)とか食べてましたね(笑)。正直、体脂肪率とかを測定されるので、気を付けなければならないのですが、結構大勢の選手が食べてました。日本のカップラーメンは、外国人選手にとって特別美味いらしいんですよ。めちゃくちゃ食べていましたね。
サンウルブズ練習生参加の裏側―”得意”の電話で、沢木さんに連絡しました
大友 木村選手は初めサンウルブズに練習生として参加しました。どうやってサンウルブズに自分を売り込んだのですか。
木村 もともと、3年間在籍した豊田自動織機という会社をやめたときは、ニュージーランドに2年間行こうと思っていました。マイタ―10カップに出場したかったんです。ニュージーランドの各州代表に選ばれた選手しか出場できないもので、これまで日本人では、田中史朗さん、堀江翔太さん、茂野海人さん、大久保直弥さんもそうですね。6人くらいしか選ばれていません。トップリーグでプレーしているよりも、NZで結果を残した方が日本代表に選ばれる可能性が広がると思ったのでNZに行きました。
最初は2年間行く予定でしたが、ビザの関係で1年で帰ってきたとき、「サンウルブズが選手集めに苦労している」というのを噂に聞きました。齊藤直人以外はすべて外国人選手という状況でした。その話を聞いた5分後に、沢木敬介さんに連絡をしました。U20日本代表の時に、沢木さんが監督でお世話になっていました。僕としては勝手に名前を売るためにクラウドファンディングにも挑戦していたので、沢木さんは僕の活動を知っていたと思っていました。で、電話が繫がったら「お前どこにいるんだ?」「実は、NZにいて今帰ってきたんです。」という話になり、単刀直入に「サンウルブズでチャンスください」と伝えました。そしたら、「わかった。今は何をしているんだ。」と聞かれたんです。「毎日筋トレしています」と答えたら「わかった。とりあえず、練習生としてねじ込むようにしてあげるから準備しておけ」と返答していただきました。
それから福岡の実家に戻って、コカ・コーラの向井昭吾監督にお願いして練習生で1ヶ月半くらいトレーニングさせてもらいました。