ついにファン待望の瞬間がやってきた。
5月12日(土)、東京・秩父宮ラグビー場で、サンウルブズがレッズを63-28で下し、10戦目にして今季初勝利を挙げた。オーストラリア勢からの初の白星であり、63得点はチーム史上最多得点だった。
1つ目のトライ|前半30分
SOヘイデン・パーカーのキック成功率が100%(12本中12本決めた)、ディフェンスが良かったなどポジティブな面はいろいろあるが、セットプレーが安定し、しっかりと自分たちの攻撃を見せて6トライを挙げたことが勝利に大きくつながった。
そこで3つのトライを図解で詳しく紹介したい(残り3つのトライはFBジェイソン・エミリーがインターセプトから相手の反則を誘いペナルティートライ。さらに試合終了間際、数的有利な状況でSH田中史朗、SO田村優の飛ばしパスからWTBホセア・サウマキが2トライを挙げた)。
サンウルブズの1つ目のトライは12−14とリードされた前半30分だった。相手のキックをFBセミシ・マシレワがキャッチし、ボールを継続。サンウルブズはポッドで左サイドをボールをリサイクル。
そして左サイドにラックができたとき、ラックの横にはFWのシェイプに3人(PR浅原拓真、LOグラント・ハッティング、PRクレイグ・ミラー)、NO8姫野和樹が走りこみつつ、さらにしっかりとリンケージしてSOパーカーが立っていた。
パーカーの横にもHO堀江翔太、CTBティモシー・ラファエレ、LOヴィンピー・ファンデルヴァルトもしっかりとポジショニングしていた。
相手ディフェンスは「そろそろ外に展開するのでは?」と思っていたはずだ。SH流からLOにパスが入る。そのとき、相手はPRミラーはあまり警戒していなかったかもしれない。
LOハッティングはSOミラーへのパスではなく、真横にいたPRミラーへパス。PRミラーが突破し大きくゲインし、最後はLOハッティングが中央右にトライ。
ボールを継続した上で、パサーにたくさんのオプションがあったことで、相手の隙を突き、それがトライにつながったと言えよう。