「男子のトップレベルのセブンズ大会を吹く機会は貴重で、意味のあるものだと思っています」
7月13日に秩父宮ラグビー場で行われた「なの花薬局 ジャパンセブンズ2025」を終えた池田韻(いけだ・ひびき)レフリーはそう話した。池田さんはこの大会で2試合のレフリーを担当。3位決定戦ではリーグワンから参戦したグリーンロケッツ東葛と、大学ラグビーの絶対王者・帝京大が対決。男子の異なるカテゴリー、それぞれのトップチームの戦いを、スムーズにさばいた。
ワンデートーナメントならではの難しさ
「国内ではセブンズというと女子が多いイメージがあって、男子の試合を吹く機会は少ないですから。この大会とピリカモシリ、国スポくらいです。ランスピードも、パスのスピードも『女子とは大きく違うなあ』と感じながら吹きました」
パリ五輪を最後にセブンズから15人制へ活動の場をシフトした桑井亜乃さんに代わり、日本協会のセブンズ女性レフリーの先頭に立っているのが池田レフリーだ。太陽生命ウィメンズシリーズはじめ、国内の女子大会では既におなじみ。昨季はリーグワンの公式戦でもアシスタントレフリーを務め、今年はワールドシリーズの下部大会、チャレンジャートーナメントのパネルレフリー入りし、世界へのステップを刻み始めた。

男子の試合を吹く機会は女性レフリーにとって貴重だという。強度の高い試合を経験しておけば、それほどでもない試合でも余裕を持てる。レフリーであれ選手であれ、あるいは他の競技でも当てはまることだろう。
だが、この大会には難しさもあるという。
「この大会の特徴は、普段セブンズをあまりプレーしていないチームが多いことですね。15人制と7人制のルールの違い、ルール運用の違いに慣れていない選手が結構います。15人制では許容されるけどセブンズではダメというプレーが結構ある。しかもこの大会はワンデートーナメントなので、特有の難しさがある。最初からトーナメントなので、選手にはプレッシャーがかかるし、私たちレフリーにもプレッシャーがあります」