現在、ニュージーランド・アルゼンチンツアー中のサンウルブズは4月22(土)の第9節、敵地ニュージーランドのインバーカーギルで、昨年度の王者ハイランダーズと対戦した。前半の最後、そして後半の入りに相手にトライを許したものの、それ以外は、サンウルブズは互角に戦っている場面も多く、後半の後半には2トライを挙げるなど前節よりもしっかりとステージを上げることに成功したと言えよう。
攻撃のスタッツだけを見るとほぼ互角、いや勝っている数値も多々あり、それだけサンウルブズがよく戦っていたこと、一方でハイランダーズのターンオーバーからの決定力、そしてゴール前でのディフェンスの粘り強さが際立っていたことがわかる。ただサンウルブズは強豪相手に、そして目の肥えた王国のラグビーファンにしっかりと「アタックはDNA」(田邊淳コーチ)というようにサンウルブズのスピリットを見せることに成功したと言えよう。
それではサンウルブズのアタックについて見ていこう。TMO(テレビマッチオフィシャル)の末、トライにはならなかったが、相手に先制された直後のキックオフからのアタックは見事だった。
まずSO田村優のマイボールキックオフを、CTBウィリアム・トゥポウが競ってキープする。そして順目にHO庭井祐輔、SO田村がボールを運び、さらにSO田村、キャプテンのFLエドワード・カークがピック&ゴーしてさらにゲインし、下記のようなアタックラインを引いていた。中央と、左にポッドがあり広く選手が立っている。
SO田村がピック&ゴーしてラック周辺におり、さらにCTBティモシー・ラファエレが負傷で倒れていたため、SOに入る選手がいなかったこともあり、SH田中史朗が少し走ってから折り返して、浅めに立っていたLOヘル ウヴェとパス。このFWのポッドでは、右にPR山路泰生、左にFL三村勇飛丸がおり、パスを受けたLOヘルをFL三村がサポートした。
まず順目にピックを使ってボールを動かしつつゲインして、相手のディフェンスを寄せる&下げたこと、そしてLOヘルが相手との1対1という状況を作ったこともあり、パワーのあるLOヘルがオールブラックスキャップも持つFLリーアム・スクワイアのタックルを外してゲインすることに成功した。