ニュージーランド(NZ)・アルゼンチン遠征中のサンウルブズは、4月29日、NZ・ハミルトンで、優勝2回の強豪チーフスと対戦した。元日本代表リーチ マイケルこそ休養のため出場しなかったが、チーフスは7勝1敗と調子が良く、オールブラックス経験者を先発に9人揃える本気の布陣だった。
そんなチーフス相手に、サンウルブズは、前半こそ20−3とリードされて折り返したが、後半、サンウルブズもセットプレーでプレッシャーを与えて、粘りのDFで最後、2人少なくなったがトライを許さず27−20と善戦したものの惜敗。7点差以内の敗戦でボーナスポイント1を獲得した。
前節に続いて、この試合もセットプレー、得にスクラムが安定してこともあり、サンウルブズのアタックは機能していたと言えよう。まずはチーフスとのスタッツを比較してもどちらが勝ったかわからない数字だ。やはり、アクションエリアはチーフスが敵陣でプレーする時間が長く、さらに相手のFBダミアン・マッケンジーに2トライ許したことが響いたと言えよう。
サンウルブズのこの試合の初めてのトライは後半5分、スクラムで相手の反則を2度誘い、もう一度誘えばペナルティートライもあるかという状況だった。敵陣5m、3度目のスクラムで相手がどうにか耐えたこともあり、SH田中史朗はパスアウト。パスを受けたSOヘイデン・クリップスが前に出てラックを形成、さらにCTBウィリアム・トゥポウがアングルを変えながらゴールライン直前までボールを運ぶ。
そして、最後に決めたのはSH田中だった。SH田中がタイミング良くボールを持ちだし、ポールの根元に置いてトライ。「攻撃側プレーヤーがゴールポストまたはパッドと地面に同時にグラウンディングした場合はトライ」というルールがあり、FWがスクラムで頑張ったこと、CTBトゥポウがしっかりゲインしたこと、そして最後にSH田中の判断が光ったトライだった。