将太郎です。
いよいよワールドカップが開幕します。
どのチームも、前回ワールドカップからの4年間、この大会のために準備してきました。世界最高の戦いであり、他の大会で負け続けていたとしても、ここで勝てばすべては認められる。そういう大会です。本当に本気の真剣勝負がはじまります。
大会の認知度も上がってきて、町の中でもメディア上でもラグビー熱が加速してきていますよね。その中で、僕が感じるのは、前回ワールドカップ後のラグビーブームは五郎丸などの個人にスポットライトが当たっていたけれど、今回はラグビーそのものの本質的な魅力が紹介されているケースが多いと感じます。先日放送が終わったTBSドラマ「ノーサイドゲーム」もそうだし、チームスポーツとしての魅力、企業の運営に活かせるところや人間形成に貢献できるところ……ラグビーが本来持っている魅力がたくさんの人に伝えられたと思います。今度はそれを、ワールドカップで実際にラグビーを見てくれた人たちに共感してもらって、日本でラグビーというスポーツの価値が上がっていく機会になるといいなと思っています。それを加速させるためにも、日本代表の活躍は重要です。
今回は、日本ラグビーにとって初めてとなる自国開催のワールドカップです。どんな雰囲気になるんだろう、プレッシャーもあるだろうし、パフォーマンスはどうなるだろう……選手は楽しみと不安が入り交じった気持ちでいると思うけれど、グラウンドに入ったら覚悟を決めてやってくれるでしょう。信じています。目標のベスト8はもちろん狙える位置にいると思うし、期待感を持って見守りたいです。
ボールが動けば、日本のゲームになる
日本の戦いについて期待するのは、まず1戦1戦、次のことを考えずにロシア戦に集中することです。
ロシア代表については、一言で言うと、あなどれない。昨年11月にイングランドで対戦したときは日本を苦しめたロシアですが、その後はあまり成績が上がっていません。どんなスタイルで日本に向かってくるか、当日になるまで分からない。リン・ジョーンズ監督のコメントを読んでも、日本のことを大げさに持ち上げたり、日本のやってくることを予想したり、駆け引きを仕掛けてきているなと感じます。
とはいっても、ロシアがいきなり、たとえばオーストラリアのようなラグビーをしたりできるわけではないと思うし、やはりロシアの戦い方は「大きなFWを効率良く使ってくる」に尽きると思う。要はキックを上手く使った戦い方です。日本は、そのキックの処理が勝負を分ける最初のポイントになる。ここでしっかりキックを処理して、カウンターアタックでトライを取れたりしたら、このロシア戦だけでなく日本代表のワールドカップ全体がいいスタートを切れることになります。ロシアはエリアをとったところで圧力をかけて、ボールを取り返して局地戦に持ち込みたい。日本はコンテストボールも含めてしっかり相手キックを獲得して、大きくボールを動かしたい。ボールが動けば日本のゲームになる。インプレー時間が長くなれば、日本はフィットネスに自信を持っているので、優位性を出していけると思う。