2013年度のトップリーグで、トライ王を獲得したのは神戸製鋼コベルコスティーラーズのCTB、ジャック・フーリーだ。
16試合(フーリーの出場試合は15)で挙げたトライは17。
次点の山田章仁(パナソニック)の11トライに6という大差をつけてのフィニッシュ。意外なことだが、トップリーグ11年目にして、スター軍団・神戸製鋼では初のトップリーグトライ王だ。増保輝則さんも大畑大介さんも、今村雄太選手も届かなかったタイトルなのだ。
「トライ王は嬉しいけれど、自分が取ったトライというよりも、チームのトライだ。自分もいい動きをしたとは思うけれど、FWがボールを獲ってくれて、それをみんながハードワークしてつないでくれたからトライを取ることができたんだからね」
これは、トライ王を確定させた第2ステージ最終節、東芝戦のあとのコメントだ。この試合で、フーリーは3トライをスコア。トップリーグで自身3度目のハットトリックを達成していたのだが、手柄を誇らず味方を称える謙虚さは、さすが世界で最もタフなラグビー文化が根付いている土地、南アフリカのノーザントランスバール(ブルズの本拠地)からきた男らしさだ。
フーリーと言えば、南アフリカ代表72キャップを持ち、世界最高の選手の一人と言われるCTBだ。長身、俊足、甘いマスクと華麗なプレースタイル。目立つのはインターセプトからの独走トライ。右手の人差し指で天を指しながらのグラウンディング……いかにもカッコイイ、美味しいトコ取りなイメージがあるが……素顔は違う。