大人のラグビービッグバン・第6章 膨張する宇宙その2 | ラグビージャパン365

大人のラグビービッグバン・第6章 膨張する宇宙その2

2012/08/24

文●永田洋光


 

「場(スぺース)の理論」の完成

91年度に平尾から大西に主将の座が禅譲された神戸製鋼は、そのシーズンこそ抜群の安定感を発揮してV4を達成したが、92年度は、自ら言い出した「世界に通じるラグビー」に手痛いシッペ返しをくらうところから始まった。9月30日に来日したオックスフォード大と対戦して、19-46と完敗してしまったのである。

このオックスフォード大は、その前の試合で全早大に27-25と苦しんでいたが、試合が始まると、見違えるような動きを見せた。この神戸製鋼戦に照準を合わせてベスト・メンバーを組んだ彼らは、FWが常にひたむきに8人一塊りとなって動き、組織力で神戸製鋼を圧倒した。しかも、そのオックスフォード大が、続く10月4日に日本選抜に27-42と敗れてしまったから、神戸製鋼のプライドは傷ついた。この日本選抜は、その夏の代表候補合宿のトライアル・マッチで実質的な日本代表に80点差をつけられたCチームが中心だったのだから。この敗戦を境に「神戸製鋼が走り込みを始めた」というウワサが東京に流れてくるほどの衝撃だった。

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