15日に、韓国の仁川で行われる韓国戦(18日)の日本代表メンバーが発表された。細かいメンバーについてはここでは触れないが、永田的に注目しているのがSOだ。
現在、日本代表には立川理道、田村優、小野晃征と3人のSO候補がいる。18日は立川がSOに入り、田村がインサイドCTBに入るが、この3人が秋のラグビーワールドカップ(以下、RWC)でどう使われるか、そこに注目しているのだ。
エディー・ジョーンズHCは、3月5日の日本代表第2次候補発表記者会見で、「クレイグ・ウィングがSOとしてプレーすることに興味を示しているが……」と質問されて、「ウイングはあくまでもセンタープレーヤーとして考えている」と答えた。
つまり、この秋のRWCでSOに起用されるのは、立川、田村、小野の3人の内の誰かになりそうな気配が濃厚なのだ。
「当たり前じゃないか」と言われそうだが、理由はちゃんとある。実は先日、87年の第1回RWCから4年前の第7回大会まで日本代表歴代SOを調べたからだった。
論評を抜きにまず事実を記す。
第1回大会=平尾誠二(アメリカ、イングランド、オーストラリア)
第2回大会=松尾勝博(スコットランド、アイルランド、ジンバブエ)
第3回大会=平尾誠二(ウェールズ、アイルランド)/廣瀬佳司(ニュージーランド)
第4回大会=廣瀬佳司(サモア、ウェールズ、アルゼンチン)
第5回大会=廣瀬佳司(スコットランド=50分)/アンドリュー・ミラー(スコットランド=30分、フランス、フィジー、アメリカ)
第6回大会=小野晃征(オーストラリア)/ブライス・ロビンス(フィジー=65分、ウェールズ、カナダ)/大西将太郎(フィジー=15分)
第7回大会=ジェームズ・アレジ(フランス、ニュージーランド、トンガ、カナダ)
つまり、2003年のタウンズビルで廣瀬がミラーと交代してからずっと――06年大会でSHがいなくなってロビンスが急遽SHに入り、CTBの大西がSOに入った15分を除いて――日本のSOは、ニュージーランドのラグビー文化で育った選手たちが担ってきたのだ(小野については、トップリーグのあるコーチから「外見は日本人だけど、プレーはニュージーランドのSOでしょ」と言われたことがある。事実そうだが、昨秋のマオリ・オールブラックス戦やヨーロッパ遠征を見ていると、かなり日本的なSOになってきたと個人的には考えている)。