帝京大に完敗し、慶大には引き分け。
輝きを失っていた2014ワセダが、伝統の大一番で蘇った。
早37−24明。
ロスタイムの後半46分、ラストプレーで明大がトライを取るまでは37-17で試合は進んでいた。スコア通りの完勝だった。その完勝を導いたのが、早慶戦の後で加わったBKの新戦力3人だ。
ひとりはルーキーのSO横山陽介。
昨季の花園準優勝の桐蔭学園SO。決勝で右膝の前十字靱帯を痛め、デビューは遅れていたが、明大との大一番で、背番号10を背負って公式戦デビューを果たした。
「試合の前はちょっと緊張しました。高校の時とは違って、学校のプライドをかけて戦うんだという思いを強く感じました。だけど、試合が始まってからは、リラックスして試合を楽しめました」
デビュー戦とは思えない落ち着いたプレーぶりは、リハビリ期間の真摯な努力の成果だ。
「膝を痛めていたので、体幹と上半身を重点的に鍛えました。特に鍛えたのはケツです。春の間は毎日JISS(国立スポーツ科学センター)に通っていたし、夏には1週間泊まり込んでトレーニングしました」
両足をゴムバンドでつないで真横に尺取り虫のように歩く。足に重りをつけて動かす。単調な作業の繰り返し。
春の間は「MかL」だったパンツのサイズが、今は「O」でないとはけないという。そのサイズアップの成果が「キックの当たり外れがなくなりました」
早明戦では看板のロングキックは序盤こそ「当たってなかった」が、徐々に修正。そして威力を発揮したのがロングパスだ。
その横山のパスで輝いたのが、もうひとりの新戦力「CTB小倉順平」だ。