肩を落として引き上げてくる選手たちを、大きな指揮官は笑顔で迎えた。
「よしよし。良かった、良くやった」
そんな声が聞こえてきそうだった。
対抗戦Aグループに初昇格を果たした明治学院大の昇格4戦目、明治大学との戦いは、0−106の大敗に終わった。
「でも、僕から見ると、けっこう戦ってくれたな、という気がしますよ」明学大を率いる高橋一聡HCはそう言った。
「今まで経験したことのないところにやってきて、経験したことのない相手と戦っている。その中で、あと一歩でトライというところまで行けたしね。これまでの試合ではあそこまで行けなかったから」
無理に笑顔を作っているのではない。強がっているようにも、あきらめているようにも見えなかった。