8月24日の長野県・菅平。
サニアパークでは大学オープン戦が集中開催されていた。12時から東海大VS関西学院大、13時から帝京大VS早大、大東大VS明大、14時から慶大VS法大……シーズンインを前に、各チームがライバルと力試しに挑んでいた。
「ワセダの11番がいいね。ランニングスキルが素晴らしい」
この日、日帰りで高原を訪れた日本代表ヘッドコーチ、エディー・ジョーンズは、帝京大VS早大のピッチ横に座っていた。
昨季の大学選手権決勝を戦った2校の対決であり、帝京大にはSH流大、育成選手のLO小瀧尚弘、HO坂手淳史、早大には肩の脱臼でリハビリ中の藤田慶和という、エディージャパンにに名を連ねる選手がいる。この試合を視察したのは当然だったろう。
しかし、この試合を視察したエディーが「印象に残った選手は誰かいましたか?」と聞かれて挙げたのは異色の名前だった。