4月30日、横浜市青葉区の日体大健志台グラウンドで、関東女子セブンズ2023 第1戦 が開催された。
この大会は、太陽生命ウィメンズセブンズシリーズにコアチームとして出場できないチームに試合機会を作り、太陽生命ウィメンズセブンズシリーズではなかなか出場機会のない選手も試合経験を積めるようにし、新たな選手を発掘する機会創出の狙いで昨季、初開催。
初開催の昨季は5月22日に9チームが参加し、日体大女子が決勝で横浜TKMを26-14で破り優勝、3位決定戦は東京山九フェニックスが33-0でRKUグレースを破り、以下5位ブレイブルーヴ、6位横河武蔵野アルテミスターズ、7位弘前サクラオーバルズ、8位世田谷レディース、9位湘南ベルマーレという順位だった。
大会創設2年目の今季は4月30日に日体大健志台で第1戦を行い、5月14日に流通経済大第1グラウンドで第2戦、6月11日に日体大健志台グラウンドで第3戦を行う。
4月30日の1戦には以下の6チームが参加した。
横浜TKM、日体大女子、龍ケ崎グレース、ブレイブルーヴ、湘南ベルマーレ、世田谷合同(世田谷レディース、群馬プライムス、山梨シャインズ、東京外人)
なお、大会の趣旨を鑑み、今季は大会後との順位は決めず、表彰は大会ごとにMVPを選出するのみということだ。
大会は3チームずつ2組に分かれてリーグ戦を行い、両組の同順位同士で5/6位決定戦、3/4位決定戦、決勝を行うフォーマットで行われた。
GAME① 1組 横浜TKM 53-0 湘南ベルマーレ
TKMは開始から今季加入したフィジー代表ロエラ・ラディニヤブニが2連続トライ。後半には昨季、ながとブルーエンジェルスでプレーしたアカニシ・ソコイワサが5トライをあげるなど計9トライを奪い圧勝した。
GAME② 2組 日体大女子 53-0 合同
日体大は森永菜月が先制を含む3トライ。終了直前にはOG部員の堤ほの花もトライをあげるなど9トライで合同チームを圧倒した。
GAME③ 1組 グレース 47-7 湘南ベルマーレ
グレースは城遥花が2トライをあげるなど7トライ。ベルマーレは前半5分、レフリーとしても活躍する森町瑞季が右隅に今大会初得点となるトライ。右隅の難しいコンバージョンを唯野文香が決め7点を返すなど善戦した。
GAME④ 2組 ブレイブルーヴ 54-0 合同
リージョナルセブンズで準優勝し、太陽生命コアチーム昇格を決めたルーヴが仕上がりの良さを披露。1分に野田美四季が先制トライ。後半は近藤帆夏が3連続トライを決めるなど8トライを奪い圧勝。渡邊貴子、安尾琴乃の両キッカーが7コンバージョンを決める冴えをみせた。
GAME⑤ 1組 TKM 31-10 グレース
実力伯仲とみられた戦いはTKMがアカニシの連続トライで先行。さらに鈴木彩夏主将が2トライを加えるなど後半5分までに31-0と大きくリード。グレースは終盤、高橋優芽花と新人・宮本和が連続トライを返したが及ばなかった。
GAME⑥ 2組 ブレイブルーヴ 15-14 日体大女子
ルーヴはFWの小山晶子、五月女莉緒、BKの武藤玲子らが力強いキャリーとステップを駆使して前進。渡邊貴子のトライで先行するが、日体大も持田音帆莉のトライと山田莉瑚のゴールで逆転。しかしルーヴはハーフタイム直前に渡邊貴子のトライで10-7と再逆転。
後半は一進一退の攻防が続いたが、5分に近藤帆夏のトライで15-7と突き放す。日体大も必死に反撃、堤ほの花の突破から大内田夏月がトライ・ゴールを返したが1点及ばず。大会一の激戦はルーヴが勝利した。
GAME⑦ 5/6位決定戦 湘南ベルマーレ 21-12 世田谷合同
プール戦では苦戦した両チームだったが、試合を重ね、連携も改善され、見応えある激戦を演じた。
序盤は湘南が相手ゴール前に攻め込んだが、合同も粘り強いディフェンスで必死に応戦。自陣ゴール前でターンオーバーに成功し、PKも獲得したが、6分、自陣脱出を狙ったPKがノータッチに。このチャンスに湘南は新加入の18歳・唯野文香が先制トライ。7分には最年長43歳の室岡絵里がトライ。
湘南が14-0とリードするが、ここで湘南にイエローカード。数的有利を得た合同は9分、久保田有希(東京外人)がチーム初得点となるトライ。後半3分にも望月佑彩(東京外人)のトライ&ゴールで14-12と肉薄。しかし湘南は7分に木賀葉樹がトライ。
合同も終了直前、自陣から津久井桜己(世田谷L)が仕掛けて中村佳奈(世田谷L)が突破、独走したが、湘南は室岡絵里が自陣ゴール前まで激戻りでトライセービングタックル。湘南が21-12で勝ち、今大会初勝利をあげた。
GAME⑧ 3/4位決定戦 日体大 24-5 RKUグレース
セブンズの太陽生命シリーズ、15人制の関東大会でも毎回激戦を続けるライバル同士の一戦。前半は日体大が梅津悠月のトライ、高橋沙羅のゴールで7点を先行、グレースも髙佐有希のトライで7-5と追い上げて折り返す。
均衡を破ったのは後半3分に投入された日体大のサクラ15向來桜子。後半4分にタックルをはじき飛ばしてトライをあげると、6分の東あかりのトライをはさみ、8分には向來のターンオーバーから山田莉瑚がダメ押しトライ。日体大がライバル対決を制した。
GAME⑨ 決勝 TKM 22-15 ブレイブルーヴ
TKMは前半3分、小島碧優が先制トライをあげると、4分もキックオフからそのまま攻めて小島が連続トライ。10-0と先行したが、6分に故意のノックオンによるイエローカードが出され、ルーヴは近藤帆夏がトライし10-5で折り返す。
しかし後半はTKMがキックオフから敵陣ステイに成功、1人足りない状況で攻め続けて新加入のリース・アンダーソンがトライして15-5。4分にルーヴは近藤帆夏が自陣から約80mを独走する快走トライで15-10と追い上げるが、TKMは7分、星萌恵のトライでダメ押し。ルーヴはロスタイムにも猛攻に出て、渡邊貴子がトライを返すが及ばなかった。
優勝した横浜TKM 鈴木彩夏主将
「太陽生命シリーズに向けて、今は毎週練習試合を組んでいます。ケガ人も出ていますが、タフなスケジュールをこなして、良い感じで仕上がってきています。春口新監督は、セブンズ期間の今は見守ってくださっている感じで、コーチのマイケル(ロバート・ペットマン)と長谷部(直子)さん、井口(剛志)さんに任せている感じです(この大会には春口監督は帯同しなかった)。
この大会ではいろいろなことにチャレンジしようと話して臨みました。人数が増えたので、多くの選手にチャンスを与えようとしているところです。今年の新人は、日体大から来た堀川侑愛、人羅美帆の2人がすごくハードワークしてくれて、TKMが目指している継続ラグビーに申し分なくコミットしてくれる。今年は走れる外国人選手(アカニシ)、ボールを動かしてゲームメークできる外国人(リース)も加わったし、選手も多くなって層も厚くなって、チームのバランスが取れてきたし、メンバー争いも熾烈になってきました。昨年は熊谷大会で太陽生命シリーズで初の優勝ができましたが、優勝はその1回だけだったので、今年は総合優勝を目指して頑張ります」
以下に、大会を通じて輝いた選手7人を本誌選出ドリームセブンとして紹介します。