HEROES2019 福岡竪樹(日本代表・WTB) | ラグビージャパン365

HEROES2019 福岡竪樹(日本代表・WTB)

2013/11/12

文●大友信彦


背番号11がインゴールに突き刺さると、スタジアムは沈黙した。
11月9日、スコットランド・ラグビーの聖地マレーフィールドスタジアム。
9年ぶりで実現した日本代表とスコットランドのテストマッチ。
日本代表の2トライを挙げたのは、先発メンバーで最年少の21歳、福岡堅樹だった。

1発目は、日本が3-11と8点を追って迎えた後半2分だった。自陣22m線付近のPKをSH田中史朗がタップして速攻。WTB廣瀬俊朗主将がビッグゲインしてラック。クイックで出たボールは田中-SO小野晃征-CTBクレイグ・ウィング-FB五郎丸歩と素早くわたり、大外のWTB福岡へ。福岡はトイメンのWTB、25歳のトミー・シーモアを一瞬の間に外へ振り切り、そのままインゴールへ突き刺さった。FB五郎丸のコンバージョンも決まり、10-11の1点差。

スコットランドも次のキックオフから攻め込み、すぐにトライを取り返す。マレーフィールドの3万観衆が雄叫びをあげる。
しかし、日本代表のスコット・ワイズマンテルHC代行が「ワールドクラス」と称賛する韋駄天は、またもスタジアムを沈黙させる。
11分だ。スコットランドボールのスクラムを日本FWが一気に奪うと、FB五郎丸がビッグゲイン。

「体重100キロのFBなんてジャパンで初めてでしょ」とエディ・ジョーンズHCが称える重量級ランナーの突進を、スコットランドのディフェンダーが3人がかりでようやく倒したのはゴールラインの目の前。そこへ、風のように素早く走り込んだ背番号11は、立ち止まることもなくボールを拾いあげると、誰にも触れられずにインゴールへ踊った。

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