関東大学オールスターゲーム・男子15人制編 | ラグビージャパン365

関東大学オールスターゲーム・男子15人制編

2022/07/06

文●大友信彦


7月3日、秩父宮ラグビー場で、第10回関東大学オールスターゲームが開催された。過去2年はコロナ禍に伴い中止されており、今回は3年ぶりの開催。今回はセブンズ4試合と15人制1試合の計5試合が実施された。

第5試合は対抗戦選抜とリーグ戦選抜の15人制勝負。関東大学オールスターがこの形式になって10回目だが、過去2度中止されており、これまでの対戦成績は対抗戦の4勝3敗とほぼ互角。それだけに激しい戦いになった。

試合開始の円陣、リーグ戦選抜

試合開始の円陣、リーグ戦選抜


対抗戦選抜

対抗戦選抜


先手を取ったのはリーグ戦選抜だった。対抗戦選抜のキックオフから攻め返すと次々とボールをつなぎ、LOボギドラウ(流経大4年・ラトゥカンダブレブスクール/FIJI)が左隅に飛び込む。SO武藤ゆらぎ(東海大3年・東海大仰星)のコンバージョンは外れるが、リーグ戦選抜が5点を先制する。

このトライで勢いに乗ったリーグ戦選抜が序盤は主導権を握る。対抗戦選抜のNO8奥井章仁(帝京大3年・大阪桐蔭)がボールを持てばリーグ戦選抜がHO井上風雅(日大3年・東福岡)を先頭にタックルに突き刺さってターンオーバー。

序盤、リーグ戦選抜のリズムを作ったSH前川李蘭(日大3年)

序盤、リーグ戦選抜のリズムを作ったSH前川李蘭(日大3年)

対抗戦が石田吉平主将(明大4年・常翔学園)、高本とむ(帝京大3年・東福岡)の両WTBの突破で敵陣に攻め込むが、FB安田昴平(明大2年・御所実)がリーグ戦DFのプレッシャーを受けノックオン。

対抗戦WTB石田主将の突破をリーグ戦WTB中川が止める

対抗戦WTB石田主将の突破をリーグ戦WTB中川が止める



それでも対抗戦選抜は攻勢を緩めず、11分、CTB廣瀬雄也(明大3年・東福岡)からWTB14高本とむ-リターンパスを受けた廣瀬がトライ。高本幹也のゴールも決まり7-5と対抗戦が逆転する。

ここから試合は互いにアグレッシブなアタック合戦へと変貌していく。

19分、リーグ戦選抜がキックで相手ゴール前に攻め込み、SO武藤ゆらぎが左隅にトライ。自ら難しいゴールも決めて12-7と再逆転。

武藤ゆらぎ(東海大)

武藤ゆらぎ(東海大)

対抗戦は次のキックオフから攻め込みノーホイッスルでSH宮尾昌典(早大2年・京都成章)がポスト下にトライ。高本幹也のコンバージョンも決まり14-12と再々逆転。

対抗戦SH宮尾昌典(早大2年)のダイビングトライ

対抗戦SH宮尾昌典(早大2年)のダイビングトライ

対抗戦はさらに27分、FB安田昴平が相手DFのギャップを突いて出て右中間にトライ(高本幹也C)で21-12とリードを広げる。

対抗戦選抜FB安田昂平も強気のランでトライを決めた

対抗戦選抜FB安田昂平も強気のランでトライを決めた

対するリーグ戦はFWに並ぶ外国人選手の突破を軸に対抗戦陣に攻め込み、35分にはゴール前ラインアウトモールを押し込んでPR平晴樹(東海大4年・長崎北)がトライ。

リーグ戦選抜は前半終了直前、平とレキマが連続トライ

リーグ戦選抜は前半終了直前、平とレキマが連続トライ


38分には再びゴール前に攻め込んだラインアウトからFL6レキマ・ナサミラ(東海大4年・ラトゥナブラカレッジ)がトライ。ともに武藤がコンバージョンを決め26-21と逆転する。

対抗戦SO高本幹也は正確なゴールキックを蹴り込んだ

対抗戦SO高本幹也は正確なゴールキックを蹴り込んだ


しかし対抗戦も粘る。前半ロスタイムに敵陣深く攻め込むと、ラストプレーでゴール前ラインアウトに持ち込み、モールを仕込んでWTB高本とむがトライ。SO高本幹也がコンバージョンを決め、対抗戦が28-26と勝ち越して折り返した。

11分、対抗戦CTB廣瀬がトライ

11分、対抗戦CTB廣瀬がトライ


後半、両チームはリザーブ勢を一斉に投入した。フレッシュレッグズが大量に入ったことでピッチはさらに活性化。中でも注目を浴びたのはリーグ戦選抜のLOジュアン・ウーストハイゼン(東洋大1年・ヘルプメーカーカレッジ)だ。

後半、リーグ戦は211cmLOウーストハイゼンを投入。頭ふたつ高さが違う!

後半、リーグ戦は211cmLOウーストハイゼンを投入。頭ふたつ高さが違う!


今季加入したばかりの1年生だが、何より目を引くのはその長身。協会登録の211㎝は、トップリーグ最長身だった元神戸製鋼のアンドリース・ベッカー(208cm)、リーグワン再長身の東京SGハリー・ホッキングス(206cm)を優に上回る。

後半開始のキックオフ、ウーストハイゼンがいきなり高さを披露する!

後半開始のキックオフ、ウーストハイゼンがいきなり高さを披露する!


そのウーストハイゼンは後半開始のキックオフから味方の蹴ったボールを追って高くジャンプ。この場面ではクリーンキャッチはならなかったが、圧巻の高さだけでなく、長身を折りたたんでのタックル、クリーンアウトでチームに貢献。まだまだ未完成ながら雄大なポテンシャルを感じさせた。

リーグ戦WTB水間夢翔が突破を図る

リーグ戦WTB水間夢翔が突破を図る


後半に入ってから均衡が続いていた試合が動いたのは15分。右ゴール前ラインアウトに持ち込んだ対抗戦選抜は後半から出場のHO佐藤健次(早大2年・桐蔭学園)がトライ。高本幹也のゴールも決まり対抗戦選抜が35-26。9点差までリードを広げた。

ウーストハイゼンも211cmの長身を折り畳んで前進

ウーストハイゼンも211cmの長身を折り畳んで前進


しかしリーグ戦選抜も負けてはいない。24分、WTB中川湧眞(東海大2年・京都成章)の豪快カウンターアタックからLO竹部力(法大3年・大分舞鶴)が右隅にトライ。

リーグ戦選抜WTB中川湧真のカウンターアタック

リーグ戦選抜WTB中川湧真のカウンターアタック



リーグ戦選抜LO竹部力が突破を図る

リーグ戦選抜LO竹部力が突破を図る



リーグ戦は杉本のトライでリードしたが

リーグ戦は杉本のトライでリードしたが


途中出場のSO津田貫汰(中大4年・桐蔭学園)がコンバージョンを蹴り込み33-35と追い上げると、続く26分にはCTBナサニエル・トゥポウ(日大4年・マリストブラザーズ高)のタックルでターンオーバーしたボールを素早く展開し、バックアップメンバーからベンチ入りした杉本崇馬(中大4年・佐野日大)が走りきってトライ。38-35とまたも試合をひっくり返す。

だが試合はそれで決まらなかった。37分。対抗戦選抜はHO佐藤健次のタックルでPKを勝ち取るとリーグ戦選抜陣内に攻め込み、スクラムからのアタックで途中出場のCTB浅見亮太郎(筑波大2年・流経大柏)がポスト右に逆転トライを決め、自らコンバージョンもp成功。42-38とリードを奪う。

浅見の逆転トライ

浅見の逆転トライ

残り0分、懸命に粘るリーグ戦選抜はDFからPKを奪い、諦めずに攻めるが、タックルされながらボールを活かそうとしたプレーがノックオンと判定されノーサイド。対抗戦選抜が42-38で勝利を手にした。


対抗戦選抜・相馬朋和監督

3年ぶりに開催できたことを皆様に感謝します。昨日の集合からこのチームはたくさんの笑顔に溢れていて、旧知の仲間と再会して一緒にプレーできることを喜んでいる様子、そして今日のプレー、私も感動しました。

相馬監督と石田キャプテン

相馬監督と石田キャプテン

――指示したことは


私が何かしたと言うよりも、ここにいる学生たちはもともとのつながりがあって、その子たちが再会して、今持っているものを出し合った結果だと思います。昨日集合して、15分くらいしゃべって、グラウンドに出たら、『これが初めて練習するメンバーなの?』と思うくらいでした。

――主将は石田選手を指名しました。


はい。キャプテンは石田くんにお願いしました。必要なときに、必要な人が、前に出てくれました。

――明大・神鳥監督、早大・大田尾監督と3人のコーチングチームでした。


最初は前年度1位と2位校の監督でと言われたのですが、私と神鳥さんだと2人ともFWなので、大田尾さんにもお願いしていいですかと聞いて、参加していただきました。私としては、ラグビーのプレーのことはすべてお二人にお任せして、素晴らしい経験をさせていただきました。

対抗戦選抜・石田吉平主将


この2日間、相馬監督から、全力で楽しもうという言葉をいただいて、ミスもあったけれどそれも含めて楽しんで、その結果として勝つことができて、本当に楽しい2日間でした。

各チームで目立っているプレーヤーが集まって、その中でコミュニケーションを取って戦うのは楽しかったです。リーグ戦グループには大きな外国人選手がたくさんいて、そこに向かっていくチームメートの姿から元気をもらったし、全員で楽しめて、勝ち切れたのが良かった。


――バイスキャプテンとかリーダーグループとかは決めたのでしょうか?


誰がバイスキャプテンとかいうのは決めないで、みんなでしゃべって、意見を出し合って練習も試合も進めました。一応、FWは山川一瑳(LO、帝京大4年・常翔学園)、BKは高本幹也(SO、帝京大4年・大阪桐蔭)に仕切ってもらって、僕はラグビーのことには口出ししないでやりました(笑)。最初はみんな、あまりしゃべらなかったけれど、試合の中でどんどんしゃべる領が増えていって、良かったです。


リーグ戦選抜・木村季由監督

木村監督と伊藤キャプテン

木村監督と伊藤キャプテン


昨日集合して、練習して、1泊して、普段はライバルチームだけど、それをいったん忘れて、リーグ戦の良さを存分に出していこう、そういう雰囲気を作ろうと話して臨みました。大学生は最近、コンバインドチームで戦い機会がなかなかなくて、日本代表とかにいかないと経験できないけれど、今回こういう形でコンバインドチームを経験する機会を与えてもらって、意義深い経験ができたと思います。

ウーストハイゼン選手

ウーストハイゼン選手


――関東学院の選手がいない、一方で、東洋大のウーストハイゼン選手が1年生で選ばれたりしました。


メンバー選考のプロセスは、春季大会に出場した選手を対象に各大学の監督に投票してもらって、票が多かった選手を基本に、多少は調整しましたが、その中で、たまたま関東学院の選手が選ばれなかっただけで、何か事情があったわけではありません。

ウーストハイゼン選手については、まずあの異次元の大きさですよね。日本に来たばかりで、コミュニケーションを取るのも簡単ではないけれど、前向きに取り組む姿勢で2日間やってくれた。体幹が締まってくれば楽しみな選手です。まあ、試合に出すと言うより見ておきたかった、というのは冗談ですが(笑)、こういう選手を選抜するのもリーグ戦らしくていいかなと(笑)。

リーグ戦選抜 伊藤峻祐主将

今日は『BE AGGRESSIVE』をテーマに、戦術どうこうよりもそういう意識で取り組んできました。試合の中ではリーグ戦は主導権を握る時間帯もあったし、即席チームだけどひとつになって、リーグ戦らしさを出してラグビーできたことはよかったと思います。


――一緒にプレーして、あるいは対戦して楽しかった選手はだれかいましたか。


個人的には、同じラグビースクールや同じ高校だった選手と一緒にやれたり、対戦できたりしたのが楽しかったです。桐蔭学園で一緒だったSO津田貫汰(中大)と一緒にやれて、相手にも桐蔭学園の後輩の青木恵斗(FL、帝京大2年)や佐藤健次(HO、早大2年)、藤沢RSで一緒だった伊藤耕太郎(SO、明大3年)がいたりして、楽しかった。

――リーグ戦らしさとは。


雰囲気ですかね。特に日大や流経大の選手たちは集まった最初からすごいテンションが高くて、すごくいい雰囲気で練習に入れた。それはリーグ戦のいいところだと思いました。試合でも、勢いに乗ったら一気に試合の流れを持って行く力がある。今日の試合でもそういう時間帯があったし、持ち味を出せたと思います。

POM高本幹也(帝京大)


試合では勝とう、みんなで楽しもうとしていた。10番として試合をマネジメントしようと思っていた。正直、僕じゃないと思っていたのでびっくりしました。9番宮尾、12番広瀬、13番岡崎、14番石田、15番安田選手と普段味わえないBKの新鮮なメンバーだったので楽しめた。中学校の同じチームにFL高武ともできたので楽しかった!

明治の応援旗がいい!「俺か 俺以外か 廣瀬雄也」これ、サイコー

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男子セブンズ編

桐蔭学園で優勝経験のある東京学芸大の安達

桐蔭学園で優勝経験のある東京学芸大の安達




第1試合:東京学芸大学(関東地区対抗1区)○38-0●茨城大学(関東地区対抗2区)

東京学芸大-茨城大

東京学芸大-茨城大


第2試合:医歯薬リーグ選抜○26-14●理工系リーグ選抜

医歯薬リーグ選抜-理工系リーグ選抜

医歯薬リーグ選抜-理工系リーグ選抜


第3試合:リーグ戦2部選抜○45-7●対抗戦グループB選抜

リーグ戦2部選抜-対抗戦グループB選抜

リーグ戦2部選抜-対抗戦グループB選抜

理工系選抜

理工系選抜

対抗戦B選抜

対抗戦B選抜

リーグ戦2部選抜

リーグ戦2部選抜

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