こんにちは、将太郎です。
豊田でのスコットランド戦、見に行かれた方もたくさんいらっしゃいますよね。僕は試合前の時間は普及活動として、ピッチで子どもたちや初心者の女性とラグビー体験会に参加して、そのあと試合はバックスタンドで、一般のお客さんと一緒に観戦しました。
何年か前、あのスタジアムでアーセナルとグランパスの、超満員の中で行われた試合を見たときに「ここがラグビーの試合で満員になる日がいつか来るといいなあ……」と夢想したことがあります。今回は満員にはならなかったけれど、2万5000人近いお客さんが入って、とても良い雰囲気の中で試合が行われた。海外でラグビーを見ているような雰囲気がありましたね。
多くのラグビーファンが集まった豊田スタジアム。2019年への第一歩。
まあ、スコットランドのキックの時にウェーブを始めてしまうスコットランド人(もしかしたら違うかもしれないけれど)がいたり、日本のファンも一緒になって騒いでしまったり……という応援マナーの改善すべき面はあったけれど、ともかくたくさんのファンが集まってくれて、3年後のワールドカップに向けていい流れができてきたなあと感じました。僕は豊田自動織機で3年間プレーして、東海地方のラグビー熱がどの程度かを肌で知っているので、今回これだけのファンを集めたことがどれだけ凄いかがよく分かります。
欲を言えば、遠くからきてくれるお客さんのことを考えても、名古屋周辺から来てくれるお客さんのことを考えても、19時20分キックオフというのはちょっと遅すぎましたね。試合が終わって、ちょっと近くのバーでビールを飲んで試合の余韻に浸っていたら、名古屋に戻る電車も怪しくなってしまう。東京からも、泊まりがけになるんならと観戦を断念した方の話を聞きましたからね。
でも、全体としては大きく一歩前進したんじゃないかな。あれだけ注目された中で試合ができるなんて羨ましい気持ちになりました。僕の時代に、日本で行われる日本代表の試合に1万人を超えるお客さんが入ったことなんてほとんどなかったと思いますから。
金正奎がポーコックのように見えた・・・
試合自体も、スコットランドの方がワールドカップから同じメンバーで、シックスネーションズも戦ってきているし、日本はカナダ遠征に往復して時差もあるし試合間隔も短いし、日本は不利かなと思ったけれど、心配されたセットスクラムも圧倒されることはなかったし、合わせられたのが4日間しかなかったとは思えないくらいディフェンスも機能していました。選手たち本人は、勝つためにやっているんだし、悔しい気持ちでいっぱいだと思うけれど、僕としては、日本代表は素晴らしい試合をしてくれたと思っています。
僕から見た、スコットランド戦のマン・オブ・ザ・マッチは金正奎ですね。「日本チームの」じゃなく、“ 両チームを通じたマン・オブ・ザ・マッチ” と言っていいと思う。冗談じゃなく、正奎のプレーがポーコックに見えました。後半のトライチャンスにパスミスした場面がありましたが、あれで正奎の評価が落ちるとかいうことは全然思いません。ポーコックだってアタックでミスはする。だけど、それ以上にディフェンスで相手ボールを奪うことでチームにものすごい貢献を果たしているんです。特に正奎は、ナキことアマナキ・レレイマフィと息が合っているのがいいんじゃないかな。
第2戦は、マレ・サウが帰ってきて、堀江恭佑が帰ってくる分のプラスアルファが期待できる。もちろん、スコットランドも、1試合経験したことで手を打ってくるでしょう。お互いの、チームとしても個人としても修正能力が問われる試合になります。お互いにウィンドウマンス最後の試合なので、11月につながる結果を出しておきたいところですからね。とても楽しみなのですが……。