ブレイブルーパスが快勝で前節の負けから切り替えてプレーオフへ一歩前進 | ラグビージャパン365

ブレイブルーパスが快勝で前節の負けから切り替えてプレーオフへ一歩前進

2024/03/18

文●編集部


17日、秩父宮ラグビー場ではNTTジャパンラグビーリーグワン・ディビジョン1、第10節東芝ブレイブルーパス東京と三菱重工相模原ダイナボアーズの一戦が行われた。前節、ブレイブルーパスは埼玉ワイルドナイツとの「全勝対決」に敗れ、今シーズン初黒星を喫した。たいするダイナボアーズは、スティーラーズとのフィジカルバトルで苦しみ完敗。順位を9位に落とした。

HIGHLIGHT

この試合は立ち上がりからブレイブルーパスが前半から連続攻撃で試合のリズムを掴むと前半だけで4つのトライを決めて優位に試合を進めた。一方、ダイナボアーズは前半にFL鶴屋昌隆、坂本侑翼が相次いで負傷交代を余儀なくされ、苦しい展開となった。

ここまでハードワークで存在感を見せていた鶴屋昌隆はHIAで序盤に負傷交代

ここまでハードワークで存在感を見せていた鶴屋昌隆はHIAで序盤に負傷交代



ブレイブルーパスが10分、WTB森勇登のトライで先制すると、14分にもゲームキャプテンを務めるHO原田衛がトライ。さらに22分、怪我から復帰2戦目のFL徳永祥尭、さらに25分にはNO8シャノン・フリゼルがトライを決め24-0と大きくリードを広げた。

10分・WTB森勇登のトライ

10分・WTB森勇登のトライ


ワーナー・ディアンズ

ワーナー・ディアンズ


14分・HO原田衛のトライ

14分・HO原田衛のトライ


ロブ・トンプソン

ロブ・トンプソン


22分、徳永祥尭のトライ

22分、徳永祥尭のトライ


25分、シャノン・フリゼルのトライ

25分、シャノン・フリゼルのトライ



このトライで隙を見せたブレイブルーパスに対して、ダイナボアーズは、32分、途中出場のFL吉田杏がトライを決めると、さらに前半終了間際には、SOジェームス・グレイソンの突破からCTBマット・ヴァエガがトライを決め24-14と10点差にして前半を終えた。

32分負傷交代で入った吉田杏がトライ

32分負傷交代で入った吉田杏がトライ



34分、ジェームス・グレイソンがゲイン

34分、ジェームス・グレイソンがゲイン


モウンガの強烈なタックルを右腕に受けるもオフロードパスをつなぐ

モウンガの強烈なタックルを右腕に受けるもオフロードパスをつなぐ


CTBマット・ヴァエガがトライ

CTBマット・ヴァエガがトライ


この試合に視察に来ていた、スコット・ロバートソン、オールブラックスHCとエディー・ジョーンズ日本代表HCが握手

この試合に視察に来ていた、スコット・ロバートソン、オールブラックスHCとエディー・ジョーンズ日本代表HCが握手



前半からスクラムでプレッシャーを受けていたダイナボアーズは、45分、HO宮里侑樹、PR知念雄を投入。打開を図るもプレッシャーを受け続け、48分PR細田隼都にイエローカードが出されてしまう。直後の49分、SOグレイソンがハイタックルでイエローカードが出され13人というさらに厳しい状況となってしまう。


スクラムではブレイブルーパスが優位にたった

スクラムではブレイブルーパスが優位にたった


古巣との戦いに後半から出場した知念雄

古巣との戦いに後半から出場した知念雄


PR細田に続きSOグレイソンにもイエローカードが出され厳しい表情を見せる岩村昂太

PR細田に続きSOグレイソンにもイエローカードが出され厳しい表情を見せる岩村昂太


すると50分、数的優位を活かしてブレイブルーパスがWTB桑山淳生のトライで追加点をあげると、56分にも再び桑山淳生がトライを決め34-14と大きくリードを広げた。13人の時間帯を何とか2トライで乗り切ったダイナボアーズは後半の終盤、ブレイブルーパスの足が止まりだしたところから試合の流れを掴み始める。

後半、タマニバルがゴールに迫るがTMOの結果、トライは認められず

後半、タマニバルがゴールに迫るがTMOの結果、トライは認められず


50分、桑山淳生がトライ

50分、桑山淳生がトライ


56分、桑山淳生が2本目のトライをきめ34-14と20点差

56分、桑山淳生が2本目のトライをきめ34-14と20点差


68分、今シーズン初先発したNO8マリノ・ミカエリトゥウがトライを決めると、終盤の疲労が出てくる時間帯でもFW、BKの足がブレイブルーパスを上回り、ボールを大きく展開。チャンスを何度もつくるも取り切れなかった。

初先発で80分フル出場したマリノ・ミカエリトゥウ

初先発で80分フル出場したマリノ・ミカエリトゥウ



後半、なかなか自陣を脱出できなかったブレイブルーパスは試合終了間際に途中出場のアサエリ・ラウシーが嬉しい初トライを決め試合を終えた。41-19でブレイブルーパスが勝利してボーナスポイント1を含む勝ち点5を獲得。勝ち点を42に伸ばした。次節はブラックラムズ東京と対戦する。

81分後半出場のアサエリ・ラウシーが嬉しい今シーズン初トライ

81分後半出場のアサエリ・ラウシーが嬉しい今シーズン初トライ



一方敗れたダイナボアーズは勝ち点18で9位。8位のブルーレヴズとは勝ち点2差で追いかける。次節は今季初勝利を果たした三重ホンダヒートと対戦する。



東芝ブレイブルーパス東京 トッド・ブラッカダーHC

全体的には非常に嬉しく思っています。先週の試合では今シーズン初めての敗戦があったんですけど、そこからしっかり立ち直って勝利できたことは嬉しく思います。原田のトライもそうでしたけど、素晴らしいスキルの実行力からチーム全体で取ったトライもあったので嬉しく思っている。ただ、ラインアウトのミスもあったので、そこは明らかに今後の課題になっていく。スクラムに関してはすごくいい印象を持っています。ラグビーはいろんな要素がありますけど、いくつかもうちょっと正確性を上げなきゃいけない部分が見つかった。



――今日の試合に、スコット・ロバートソン オールブラックスHCが見られていましたが何かお話は?


オールブラックスに入閣しないかと言われたんですけど、あくまでも東芝優先なので断りました。ジョークです(笑)。僕を東芝から離すことは、たとえオールブラックスのオファーでもできません。スコットはいろんな人とあってキャッチアップをしているところだと思います。先週東芝の練習も見に来てくれました。(原田)衛をオールブラックスにと言われたので断っておきました(笑)。

東芝ブレイブルーパス東京 HO原田衛



個人的にはコイントスに負けてしまって、みんなから「お前また負けたんだ」と言われてそういう状況から試合が始まりました。風下の中では結構いいスタートがきれたと思います。チーム的にもこのまま乗っていけるかなというところで、自分たちのミスで相手に流れを渡してしまった前半でもあったので、そこは修正していかないといけないかなと思いますが、全体的にはポジティブな結果かなと思っています。


――今週の準備について


テーマとしては「アップスピード」ということで、セットのスピードだったりそういうところにこだわっていました。前半の序盤は風下の中で良いアタックから連続トライが取れたので結構ポジティブだと捉えています。

ワイルドナイツとの試合後にメンタル的にもっていくのは結構難しいかもしれませんが、僕だけじゃなくて他の選手がしっかりリードしていい準備ができたかなと思います。

――後半、相手の時間帯が多かった要因


相手が良かったのもありますけども、相手にモメンタムを与えたのは僕たちのハイタックルだったり、ペナルティの部分だったのでそこに付け入る隙を与えてしまった僕たちに原因があるかなと思います。



――ラインアウトについて


ずっと同じ感じでやってきてしまっているので、相手のスカウティングも結構楽になってしまったことが要因としてあるかなと思うんですけど、そこはラインアウトリーダーにしっかり話をして修正していきたい。

――今シーズン好調な要因


特に何か変えたことはないですけど、しっかりオフシーズンから自分で計画していたトレーニングを積んでいるのでその結果が出ているかなと思います。僕の強みはスピードなので、そこの底上げをしたり、1週間、1日ずつ計画を立てられるようになったのは去年との違いですかね。



三菱重工相模原ダイナボアーズ グレン・ディレーニーHC

グレン・ディレーニーHC

グレン・ディレーニーHC



いい試合だったと思いますし、エキサイティングだった。でもスタートは良くなくて相手に大きなリードを与えてしまい、自分たちも追いかけることができなかった。ポジティブなところをみると13人になったときは良く耐えていたと思います。後半の終盤も良いアタックが出来ていたと思いますし、あと1トライは取れたのかなと思います。

ラストプレーでトライを取られたのはもちろん残念ですけど、後半はいいプレーが多かったと思いますし、最初の入りがもう少し良かったら、もっといい戦いをして逆に自分たちが勝つ展開にもなっていたかもしれない。


――相手から見て今シーズン、ブレイブルーパスが好調な要因はどう見えている?


まあまあ悪くない10番が加入したということかな(笑)。リッチーは私も良く知っている選手でもちろん素晴らしい選手ですけど、素晴らしいチーム組織の中に、素晴らしい選手が入ると一気にレベルが上がるのは間違いないですね。彼だけではないですし、周りの選手もいい選手が揃っているチームです。昨年も良いチームでしたがさらにレベルアップするために選手が何人かいれていたと思います。ブラッカダーHCもいい指導をしていてプレーオフに受けて順調に進んでいると思いますし、さらに今シーズン良いブレーを多くしてもらえるのではないかな。

――今日のメンバー。かなり入れ替えもあった


このブロックもすごくフィジカルが強いチームと三連戦してきたので、体の痛い選手もいます。しかし代わりに入ってくる選手たちにも自信を持っています。一人は徳田選手、今シーズン初めて出場しましたけどすごく努力して素晴らしいパフォーマンスを出しました。コンディション的に選手を変えることもありますが、今日出た選手たちは自分たちで手を上げてしっかりチャンスを今日の試合で取ったと思うのでそこは今後にもつながると思います。

徳田亮真

徳田亮真



三菱重工相模原ダイナボアーズ 岩村昂太キャプテン



まず今日試合に入る前に、みんなには1人1人自分の仕事を明確にして瞬間、瞬間で自分の仕事を考えて遂行する。それを80分間やっていこうという事を話してグラウンドに出たんですけども、特に前半の入りに関しては自分たちがやりたいこと、練習でやっていたことを出せなくてディフェンスで受けにまわってしまった。

そういうところも1人1人の役割が不明確になっていて遂行できなかったので、そこはしっかり反省して次に活かしたいと思いますし、逆に後半は我々のアタックができたから攻撃的な(後半)残り10分、20分を皆さんに見せることができたんじゃないかなと思っています。あれをベーシックとしてこれからもどんどん成長していきたいと思います。

――前半けが人が出てしまったことについて


もちろん想定外ではありましたけど、入ってきた選手がしっかり努力してくれた。ただ、途中から入ってきた選手のところでコネクションが取れないところもあったのでそこはいろんな想定をしながら多分練習から取り組んでいかなきゃいけないなと思っています。

――今日の試合でペナルティが多くなってしまった要因


こっちが思ったとおりに吹いてもらえなかった部分はあったんですけど、それもラグビーですし、レフリーが判断することなので、しっかりアジャストして試合に挑みましたけど、ところどころでブレイクダウンでこちらが自立出来ていなかったり、受けにまわってしまった。

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