12日、NTTジャパンラグビーリーグワン・ディビジョン1は第13節が行われた。秩父宮ラグビー場では、ここまで全勝で首位を独走する埼玉パナソニックワイルドナイツがリコーブラックラムズ東京と対戦し、前半だけで5トライを決めて試合を優位に運ぶと後半もしっかり2トライを決めてリードを広げてブラックラムズを圧倒した。
ブラックラムズは、アーリーエントリーのLO山本嶺二郎(明治大)とNO8サミュエラ・ワカヴァカ(朝日大)が初先発。山本は前半初トライを決めるパフォーマンスを見せた。ディフェンスの硬いワイルドナイツに対して、ミスは目立ったものの4つのトライを決めたが力の差を見せつけられた。
勝利したワイルドナイツは首位を独走。すでにプレーオフ進出は決めているがこのまま全勝でレギュラーシーズンを終えるか。次節はトヨタヴェルブリッツとの対戦だ。
敗れたブラックラムズは10位のまま、入替戦回避するためにターゲットとなる9位三菱重工相模原ダイナボアーズとの勝点差は試合終了時点で9。直接対決1試合を含む3試合で回避できるか。
埼玉パナソニックワイルドナイツ ロビー・ディーンズHC
すごくタフな試合だったと思います。スコアを見るとそう思われないかもしれませんが、ブラックラムズさんのブレイクダウンのところで相当厳しく来られていました。そういうところを選手たちがしっかり吸収して、相手が勢いづく中でも自分たちのラグビーができた。
またエセイ、ルード、ヴィンス、長田にプレータイムを与えることができたのは良かった。新しいコンビネーションで試合ができたのは自分たちにとってもプラスだ。プレーオフに入る前に良い週末を過ごしていってまた向かっていきたい。
――プレーオフ進出が決まったあとの試合に対するメンタルについて
自分たちはあまり週の先のことを見ていません。すごくタフな大会でもありますし、先をみてしまうと自分たちのゲームのところですごく苦しんでしまうことがあると感じています。それは試合の流れだけでなく、スコアボードにも表れてくると思います。
対戦相手がどうやって戦ってくるかというのを分析して、練習の段階でそれに対するアプローチをしていき、試合当日、何も驚かないような対策を組んでいます。各チームが自分たちに対してすごく試してきていると毎週感じていて、そういった部分に対応することで自分たちの学びにして次に進んでいきたいと思っています。
(プレーオフ進出を決めたことを)機に選手層の厚さや幅を広げていって、様々な相手に対応できるようにしていきたい。
来週の相手であるヴェルブリッツは負けたら(プレーオフ進出ができずに)今シーズン終わってしまうので、必死になってくるでしょう。そういう試合になることを予想しているので今からワクワクしていますし、チャレンジャーだと思って戦っていきたい。
埼玉パナソニックワイルドナイツ HO坂手淳史キャプテン
ロビーさんが言われたようなゲームでした。フィジカルのところもすごくレベル高かったですし、トランジションのところでイレギュラーなボールがだくさん出る、すごくスピーディーなゲーム展開でした。フィットネスだったり、自分たちのスキルだったり、そういう部分でチャレンジングなゲームだったかなと思います。
ミスも多々有りましたけど、うまくゲームの中でみんな出してくれて、得点を取れたというところはすごく良かったです。ただ最後の時間だったり、前半トライをとられたところは、しっかり映像を見返しながら、ディフェンスの部分を確認してさらに成長できればいいなと思っています。
ただ総じていいゲームだと思うので、レビューをして次にまた向かっていきたいなと思っています。
――今週の試合にむけてのテーマは
「精度」ですね。自分たちに対してリコーがどういうプレーをしてくるかというところはある程度わかっていましたし、フィジカルであったり、いいランナーがいてブレイクダウンで僕らにいいプレッシャーをかけてくるということはわかっていたので、それに対して自分たちは精度高く、1つ1つのプレーをこなしていくというところをフォーカスしました。
「精度」という言葉はすごく大きな括りになるんですけど、やるためには1つ1つのディテールがあって、FWも、ラインアウトも、ボールキャリーもキックチェイスのところだったり、それらを正確性をもってプレーするところに今週はフォーカスしました。
リコーブラックラムズ東京 ピーター・ヒューワットHC
今日はパナソニックがなぜそこ(首位)にいるのかを見せるような試合でした。特に前半少しボールを失いすぎてしまった。あとはディシプリンのところもあまり良くなかった。ボールを失ってから自陣に侵入されてしまうといいチームなので(失点をしてしまった)。
あれだけ経験あるチームにそれだけチャンスを与えてはいけない。相手は代表キャップ数が250オーバーくらいですかね。うちは8。経験の差というのがプレッシャーの中でも表れたのかなと思います。うちはルーキーレベルでもないアーリーエントリーの選手もいたり、NO8で出場したサムは加入したときはタイトヘッドPRでしたが、当分そこにはいかないなと思います。山本嶺二郎もすごく良かったし誇りに思います。
リコーブラックラムズ東京 HO武井日向キャプテン
自分たちの精度が悪くて、ターンオーバーを起こしてしまう場面が多かったですし、そこからパナソニックさんのアタックでスコアが開いていったような感じだと思い明日。その中で、自分たちの規律の部分であったり、プレッシャーがかかっている中での精度というのをあげていけば自分たちのいいアタック、そういうことができているときはいいアタックになった場面もあったと思います。精度をあげていくことが次に向けて改善すべきポイントなのかなと思いました。
――山本嶺二郎選手について
アーリーエントリーの選手が多くいる中で彼は大学シーズンが終わってから早く合流して、彼のやりたい気持ちがすごく伝わっています。練習も終わってから最後までラインアウトの確認をしたり、準備というところでいえばすごいなと思います。
さらに理解度もすごくて、入ってきてすぐにラインアウトのサインを全部完璧に覚えたりしていて、準備に対するアティテュードは本当にすごいなと関心しています。もうラインアウトリーダーとしてやっていけるくらいの選手になっているんで、ラインアウトの部分では僕自身も彼を信頼していますし、そういう関係性です。