26日(土)NTTジャパンラグビーリーグワン・ディビジョン1はバイウィーク明けの第16節節を迎えた。11位の三重ホンダヒートは、2位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイに挑んだ。
2025/04/26
文●編集部
前半流れを掴んだヒートは、フィジカルが強いスピアーズに対しても互角の戦いを見せた。前半8分、CTBマヌ・ヴニポラのPGで先制。直後、ハイタックルで自陣に入られるとボールを繋がれスピアーズSOバーナード・フォーリーのトライを許し3‐7と逆転を許す。さらに18分、スクラムペナルティからフォーリーにPGを許し3‐10とリードを広げられるも、25分、PGを一本返し10-6とする。

前半10分、バーナード・フォーリーのトライ
前半終盤の32分、SH土永雷のパスインターセプトからチャンスを迎えると、CTBダーウィット・ケラーマンのトライで逆転。前半13‐10とリードして終えた。
ところが後半、立ち上がりの43分、中途半端なキックから相手にボールを渡すとカウンターアタックを受けSH藤原忍にトライを許し13‐15と再び逆転。そこから、49分と52分と立て続けにラインアウトモールでHOマルコム・マークスにトライを許し、13‐27とリードを許してしまう。

根塚洸雅とマヌ・ヴニポラの空中戦
さらに54分、カウンターラックでボールを失うと、スピアーズCTBリカス・プレトリアスのブレイク、さらにWTBハラトア・ヴァイレア、CTB立川理道のゲインで一気に敵陣ゴール前に迫ると、パスは乱れたものの、フォーリー、FB押川敦治のロングパスで一気に逆サイドへボールを展開。NO8ファウルア・マキシからオフロードパスを受けたWTB根塚洸雅がインゴールへ。待ち受けるのは兄・根塚聖冴。兄・聖冴のタックルをものともせず弟・洸雅がそのままトライ。後半の序盤15分で22失点で大きく突き放された。
それでも64分、ラインアウトモールからこの試合ゲームキャプテンを務めるFL小林亮太がトライを返し20‐32。あと1トライ1ゴールを取ると5点差となりボーナスポイントを獲得できる状況とする。

土永雷
しかし72分、ハーフウェイ付近のスクラムでペナルティを取られスピアーズにアタックを許すと、最後はWTBハラトア・ヴァイレアがゲームを締めくくるトライを決められ息の根を止められてしまった。結局、20‐39でヒートは12敗目を喫した。順位は変わらず、次節は10位のトヨタヴェルブリッツとの直接対決となる。勝利すれば入替戦回避の可能性も見えてくる重要な一戦。この試合の序盤で見せた粘り強いディフェンスを見せることができるか。
三重ホンダヒート キアラン・クローリーHC

キアラン・クローリーHC
結果はとても残念です。ハーフタイムまでは戦えていただけにとても残念です。相手からプレッシャーは受けていましたが、3点リードして折り返したので後半はポジティブに入っていこうとしましたが、15分で22点を失うような展開となってしまい、そこは修正が必要です。ただ、選手たちは頑張ってくれて後半スコアを取ってあと5点あげればというところまでゲームを立て直そうとしている部分は見えました。

肥田晃季

根塚聖冴
致命的な瞬間は、ハーフウェイ付近でスクラムが2回組み直し担ったんですけど、3回目でペナルティ取られてそこからクボタに点を取られてしまったところです。
私にとってはすごくポジティブな要素が多くありました。ディフェンスに関しても前節から改善されたと思います。個人がラインから飛び出してしまったり、そういう部分はありましたが。
我々にとってこの先の2週間がすごく大事になってきます。そこに対してはポジティブな面が得られたとは思っています。

ヤンコ・スワナポール

コナー・ウィホンギ
三重ホンダヒート 小林亮太ゲームキャプテン

小林亮太
HCが言われたことが本当に大きいと思います。相手はフィジカルが強いチームなので、その部分でもしっかり戦っていこうと挑んだのですが、特に前半はしっかり戦っていくことができていました。相手も苦労していましたし、3点リードして折り返してそれは良かったと思います。

植村陽彦
後半のところで前節のパナソニック戦もそうですけど、崩れないようにしようとしていたんですが。そこまで大きく意識せずに、瞬間瞬間を100%やるというところはフォーカスしていたんですが。15分で22点。。。そういう時間帯が出てきてしまうというのが今の課題だと思っています。そこは、実行力のところだったり、セットプレーでのクリティカルな瞬間をなくして、自分たちのゲームにしていくことが大事だと思っています。
これからの2試合が大事だというのはわかっているので、しっかり前を向いて行きたい。

――序盤互角に戦えたのは
ノンメンバーが僕達にすごいプレッシャーをかけてくれたので、バイウィーク明けの久しぶりのゲームって苦戦するかなと僕の経験上おもっていたんですが、そこはなかったですね。ノンメンバーが「ヒートメンバー」。メンバーが「ホンダメンバー」と呼んでいます。
前半のフィジカルで良かったのはヒートメンバーのいいプレッシャーがあったからだと思っています。
――実行力のところを課題と言われていましたが
そうですね。言葉にしたら色々あるんですけど、ウイニングマインドセットとか、個人での問題でもあり、僕はチーム全体の問題だと思っています。勝ちきれるチームになったら、もっともっと上が見えてくると思います。クボタさんだったり、東芝さんだったり、パナソニックさんと何が違うのかというと、後半最初の20分だったり、ラスト20分だったりその時間帯で綻びがあんまり出ないんですよね。そこは僕達が上に上がっていくために必要なところだと思います。

トム・バンクス
時間帯で切り分けたら、戦えている部分の方が多いんですけど、10分、20分で一気に(得点を)取られてしまうのが今の課題ですよね。一貫して80分集中していいパフォーマンスをするという、具体的にそれが何なのかというのは自分たちで考えないといけないですね。
――(怪我で負傷している)レメキ・ロマノ・ラヴァ選手やパブロ・マテーラキャプテンなど流れを変えてくれそうなキープレーヤーは、あと2戦で戻ってこれそう?
マノ(レメキ)は別メニューで練習やっていて、パブロは多分次くらいにもどってこれるんじゃないですかね。
――連続失点の流れを変えようとピッチではどんなコミュニケーションを
次のキックオフから、どこへ蹴って、どういうプレッシャーかけて、どういうふうに立ちあがっていくのかというプロセスを全員で共有するというのが一番大事で、そこに気持ちも乗せて全員がコミットしていかないといけないかなと。
頭ではわかっているけどできないというのがやっぱりあるんで、今日みたいに連続トライを取られたら、チーム落ちていってしまうので、その場面ではマインドセットも乗っけながら、実行力を遂行していく、そこをやらせるのがリーダの役割かなと思っています。
自分もそうですし、パブロがいたら、パブロがやってくれたり、マノがいたら、マノがやってくれたりですけど、それだけだとダメだと思うんで。全員がしっかり乗っかっていかないといけないかなと。
キープレーヤーが突破口を開いてくれて、そこに流れ込むというのができたらいいんですけど、現状いないんでなかなか難しいですね。
――次節のトヨタ戦は大事な試合になります
そうですね。勝ち点的にも僕達の命運がかかったような入替戦か、いかないかというところにも関わってくる大きな試合になってくると思うんですけど、個人的にはあんまり意識しすぎてしまったら良くないと思うので、自分たちのやることをやる、冷静に100%力を出せるような準備したいです。特別なことをしないというか、言わなくても多分力が入っちゃうと思うんですけど、それはもうみんなわかっているんで。ちゃんと自分たちのやるべきことをもう1回明確にして臨めたら、まあいいゲームできるんじゃないかなと思います。

小林亮太
――「一生懸命やるだけ」このプレースタイルは変わらないですね
変わらないです。プレースタイル「一生懸命」です。1年目の時からですね。年取ってカッコつけたい時期もあったんですけど、まあ、うまくいかないんで。やっぱり一生懸命やるのが一番シンプルやなと思って。飾らんと、一所懸命やったらええところでボール転がってくるんで。やっぱ神様見てるなって思います。ラグビーの神様捨てたもんじゃないんと思っていますよ(笑)。
三重ホンダヒート SH土永雷

土永雷
――トライにつながるインターセプトについて
あんまり予測とかもしていなかったんですけど、12番に最初ボールいって、インサイドにバインドウイングがいたのでもしかしたらあるかなあみたいな感じで追っていたら来たので、そこまで狙っていたという感じではなかったです。
――後半途中で下がりましたが
膝をちょっと痛めたんですけど、全然大丈夫。問題ないです。

――試合を振り返って
ディフェンスのところはしっかりコネクションをとってやっていこうという話をしていたので、それは大分いい感じにできてたのかなと思います。あとは無駄なペナルティーとか、そういうのをなくしていけば、点差も縮まってくるかなと思います。
――後半連続で失点してしまうのは何が要因
そこがわかっていれば直せるんですけど、やっぱりペナルティの部分と、あとはなんですかね。一本取られる分には全然仕方ないんですけど、三本というのは…。ちょっと流れを変えるようなことを、例えば1回ゲームを切ったり、そういうのもやっていく必要があるのかなという感じはしまう。まだ何が正解かとはわからないですね。

――今シーズン充実しているのでは?
試合に出ることは嬉しいんですけど、やっぱり4勝しかできていない、というのが僕の気持ちなんで、やっぱり(もっと)勝ちたいという気持ちが一番ありますね。
――次の2試合が大事になってきます。次節のトヨタとの直接対決に勝利すれば入替戦回避も見えてきますが、会見でキアランHCが次の2試合に向けてポジティブな面があったといわれていましたが、ポジティブな部分は今日の試合で感じましたか?
みんなのマインドは多分すごく良かったと思います。特に前半は。特にディフェンスの部分、ゴール前来られても我慢して我慢してボールを奪うというのが多分ホンダのディフェンスだと思うんで、それを80分間ちゃんと出せれば、今まだ結果付いてきてないですけど、絶対結果は付いてくると思うんでそこは変えないように。間違っていないということはみんなわかっていると思うんで、変えずにブレずにやりたいと思います。