9月24日の熊谷ラグビー場。関東大学リーグ戦の日大戦。
法大は、昨季は12-71で大敗した日大を相手に30-14というスコアで快勝した。
勝因はタックルだ。
象徴的だったのは、昨季は縦横無尽に走られた日大のエースWTB水間夢翔をノートライに封じたこと。ブルドーザーのごとき突破力を誇る日大のトライゲッターに、オレンジのジャージーは、ポジションを問わず次々と足首に突き刺さり、からみつく低いタックルを炸裂させた。
ディフェンスシステムについて問われた吉永昂生主将が答える。
「今年は昨年までとはディフェンスシステムを変えて、試合を重ねてきたことで慣れて、身について、機能してきたと思います。ラインを上げて、相手に内に入らせる。去年までは、DFラインを上げる時と流すときの判断が中途半端だった。今年は、上げるときは上げる、流すときは流すとはっきりさせました」
だが、この試合でピッチから伝わってきたのは、システムの成熟、精度よりも「前に出て低く突き刺さる」タックルの迫力だ。何より、この日戦った日大は、昨年は11トライ71点を奪われた相手であり、ハイタックルを繰り返してしまった相手だった。
――それを問うと、嬉しそうな顔で、吉永は答えた。
「はい。昨年はハイタックルが多くなって、ペナルティーもたくさん取られてしまった。今年は低いタックルをできるように、ディフェンスシステムだけじゃなく、タックルそのものの練習を、ひとりひとり基礎の基礎から徹底してやっています」
――具体的には。
「本当に、膝立ちの姿勢で肩をどう当てるか、バインドする高さ、そこから腕を引く、というような、去年までは『みんなできている』と前提にしていたような細かいタックルスキルを徹底して毎回の練習で反復しています」