8月28日、長野県菅平で行われた大学ラグビーの練習試合で、大学選手権3季ぶりの優勝を目指す早大が、夏の最終戦として宮本啓希新監督が就任した同志社大と対戦。同大の闘志溢れるタックル、ブレイクダウンに前半をリードされたが、後半4トライを奪い33-25で勝利した。
菅平でのここまでの成績は、早大が帝京大に28-35と接戦を演じ、京産大には40-22で勝利。一方の同大は東海大に19-58とビッグスコアで敗れ、対抗戦下位の青学大にも14-16で敗れるなど不振。その結果を見ると早大に分がありそうだったが、試合が始まると同大が闘志あふれるタックル、ブレイクダウンで早大にプレッシャーをかける。試合中、選手だけでなく見守るスタッフ、控え部員からも「アライブ!」の声が飛ぶ。
先行したのはその同大だった。前半8分、同大がSH藤田がPGを成功。3点を先制する。多くのチームは以前から練習試合ではPGを狙わないが、同大は以前から夏合宿の練習試合でもPGを狙っていた(遡ると「実際の試合と同じようにマネジメントするんです。同志社にとっては特別なことではありません」と話してくれたのは、1989年度の弘津英司主将、のち神戸製鋼、現サクラセブンズ弘津悠選手のお父さんだった)。
前半26分、同大陣深くに攻め込んだ早大がブレイクダウンでPKを獲得。クイックスタートしからNO8相良主将がインゴールに飛び込んだ。先週の帝京大戦で負傷した伊藤にかわりSOに入った守屋がコンバージョンを決め7-3と逆転する。
しかし同大はすぐに早大陣に攻め込むと、早大SH宮尾が危険なタックルでシンビンとなり早大は14人に。数的優位を得た同大は前半32分、ゴールライン上の密集でFWがねじ込みHO西濱がトライ。SH藤田のコンバージョンも決まり10-7と逆転して折り返す。
前半、ディフェンス優位で進んだ試合は後半に入ると一転、トライの取り合いに変貌する。
まず、リードして折り返した同大が後半も先手を取る。4分に自陣のターンオーバーからカウンターアタックをかけ、後半出場のSH新和田のキックを追ったWTB芦塚がトライ。15-7とリードを広げる。
対する早大は47分、HO佐藤健次がゴール前に持ち込んだラックからNO8相良主将が2本目のトライを決め、SO守屋のコンバージョンも決まり14-15と追い上げ、53分には10m線付近でボールを持ったHO佐藤健次が相手タックルをかわして抜けだし40mを走りきって右中間にトライ。取るべきときに取るべき選手がトライを連ねるのは試合巧者の所以か。早大が19-15と逆転する。