大阪桐蔭が3度目の挑戦で「桐蔭対決」を制す。フィジカルで優位に立って6年ぶりの決勝進出 | ラグビージャパン365

大阪桐蔭が3度目の挑戦で「桐蔭対決」を制す。フィジカルで優位に立って6年ぶりの決勝進出

2024/03/29

文●編集部


3月28日、第25回全国高校選抜ラグビー大会準決勝2試合が熊谷ラグビー場・Aグラウンドで行われた。準決勝第2試合は、桐蔭学園(神奈川)と大阪桐蔭(大阪)が対戦した。昨年の花園では準決勝で対戦し桐蔭学園が25-0で完封勝利。代は替わった新チームでの対戦だが、大阪桐蔭は近畿大会を優勝。さらに上田倭楓、名取凛之輔ら中心選手たちは花園を経験し今大会優勝候補の筆頭として目されていた。

桐蔭学園が前半2分、CTB徳山凌聖のトライで先制。SH後藤快斗のゴールも決まって7-0。対する大阪桐蔭も11分、FWでプレッシャーをかけてペナルティを獲得するとショットを選択。SO上田倭楓が落ち着いて決めて3-7。

大阪桐蔭はSO上田倭楓のPGでスコアを積み上げていった

大阪桐蔭はSO上田倭楓のPGでスコアを積み上げていった


直後のキックオフから、桐蔭学園が自陣22m付近からダイレクトタッチのミスを犯す。相手からもらったチャンスに対して大阪桐蔭がしっかりスコアに結びつける。ラインアウトから、桐蔭学園のディフェンスが前につめてきた裏をぬけたFB菅原幹太がトライ。13-7と大阪桐蔭がリードして前半を終えた。

FB菅原幹太のトライ

FB菅原幹太のトライ




後半、追いかける桐蔭学園は7分、敵陣10m付近でPGを狙うも、後藤が蹴ったボールはゴールポストにあたりインプレー。そのボールを桐蔭学園がマイボールとして一気にFWがインゴールになだれ込むもグラウディングが認められずスコアに繋がらない。

後半_後藤快斗がPGを狙うがゴールポストにあたり失敗

後半_後藤快斗がPGを狙うがゴールポストにあたり失敗




12分、桐蔭学園がゴール前でペナルティを獲得。ショットを狙わずボールをタッチに蹴り出しトライを狙いにいく選択。直後のラインアウトからモールを組んで、HO堂薗尚悟がボールをキャリーするも、カウンターラックで逆にボールを奪われチャンスを活かせない。

その後、桐蔭学園のアタックに対して、大阪桐蔭が粘り強いディフェンスでゲインを許さず、PR原悠翔は2度のジャッカルを見せて桐蔭学園を止めた。結局、試合はそのままノーサイド。大阪桐蔭が13-7で桐蔭学園に勝利し、昨年の花園のリベンジを果たし、11年ぶり2度目の優勝へ向け一歩前進。桐蔭学園は連覇を果たすことができなかった。

大阪桐蔭 綾部正史監督



60分間、15人がしっかりと芯を捉えてタックルで身体を当ててくれた。日頃しっかり練習を積んできたのでその成果が出た。選抜で関東のチームと対戦できて、いろんなチームと対戦してきて(桐蔭学園は)目標としてきたチームだし、昨季2回やられているので、自然と選手は気合が入っていた。


――2012年以来の決勝です


最後まで来たので嬉しいですし、日頃から交流のある智翠館さんとこの舞台でできる。


――セットプレーはプレッシャーを与えることができた


そうですね。スクラムはあれくらいいけるかなと思いました。ラインアウトは後手を踏むかなと思うが、かわしてくれて良かった。




――後半0-0でした


喉がカラカラでした(苦笑)。面白くなかったですね。


――前半、PGを刻んでいった


取れるところで取らないと、桐蔭学園さんは力あるので。スコアできるところでスコアしないと離されると昨日も離していました。

大阪桐蔭 CTB名取凛之輔主将

決勝に行けてホッとしました。3度目の挑戦で(桐蔭学園に)勝つことができた。3度目のチャレンジだったので、先輩の分も勝てて良かった。出ている15人が泥臭く、身体張ろう、まずディフェンスからペースをつかもうと話していた。

後半、ずっと相手にボールを保持されていたが、ブレイクダウン、ディフェンスにしつこく体張って、相手のアタックを阻止できたなと思います。ずっと日本一になるため、昨季よりもきつい、新しいディフェンス練習をしてきた成果が今日出たのかなと思います。

(新しい練習では)ディフェンスは15人対15人、BKは1分間300m走った後、先生がポイントを言うのでそこでセットしてディフェンス練習する。その後、30秒レストした後、また1分で300m走った後、ディフェンスするという新しい練習をしています。



――前半は意図的にPGを狙っていった


3点をショットでも取っていこうと話していたので良かったです。ロースコアの展開になるので、3点が大きくなると思っていたので刻んでいこうと話していた。


――後半0-0でした


ベスト4以降はロースコアになるだろうと思っていたので、いつもより丁寧にチャレンジャーの気持ちを持って、声をかけ続けて60分戦い続けた。


――前半のトライ大きかった


ロースコアの展開だったが、キックオフはめちゃくちゃ大事で、トライが取れて良かった。今日は雨でもなかったので、大きくボールを動かそうと話していた。相手もしつこいディフェンスでこじ開けることできなかったが、相手よりしんどいことしよう、チャレンジしようと全員がアタックでもディフェンスでもチャレンジした結果がこのような結果になった。


――決勝は石見智翠館戦です


智翠館さんは合宿でもやっていて親しいチームだが、チャレンジャーとして負けられない。もう1回、明日練習して、今日出た課題を修正して、日本一に向けてチャレンジしたい。


桐蔭学園 藤原秀行監督

相手が強かった。コンタクトが強かった。点が取られるというところで点が取られた。PG、PGであの時間帯が一番危ない時間に取られた。(後半)PG狙った方がいいと思ったし13-10の方が面白いと思ったが、自分たちの力を試したいということなので良かったんじゃないですかね。

選抜大会では一番強い近畿チャンピオンと対戦できた。FWも(スクラムで)4つペナルティーもらった。これだけやられれば勝つことはまずない。セットスクラム、ラインアウト(でプレッシャーを受けた)、でもモールでは取られなかった。そんなに(モールは)やりこんでいない。

――前半最初の1トライでした


うーん、ちょっと攻め方があれでしたね、プレーメーカー不在でしたね。動かし方でFWが多かった。もっとBKに振ってほしかった。誰もわかっていなかった。そういうところが課題かなと思います。相手のディフェンスは良かったが裏に出られるところはあったし、オフロードするとか共有できなかった。ゴール前でいいフェーズもあったし、まったくチャンスがないわけではなかった。


――ゴール前取り切れなかった


ちょっと押し切れないので、ちょっと工夫しないといけない。昨年のレベルまでいかないでしょうから逆算して、どこまでもっていけるか。


桐蔭学園 FL申驥世主将

ポゼッションを取って、FW、BKもコンタクトにこだわって速いラグビーを徹底しようとしていた。セットプレーなど自分たちがこだわるところで負けてしまったので負けるべくして負けたなと。スクラムで劣勢に立つのは想定外でしたが、飲み込まれてしまった。

身体を当て続けると話していたが、FWがちょっと受けてしまったかな。テンポが出てきたところでもサポートが遅れて差し込まれるところもあったが、自分たちから自滅してしまったところもありました。




――3位について


自分たちの目標は花園優勝です。この選抜でも一戦一戦やっていたが、今、大阪桐蔭さんに力を及ばなかったことをしっかり受け入れるしかないと思っています。ここからやり返すことができるので、見つめ直して、この負けがあってよかったなと思えるようになりたい。


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