8月17日、札幌・プレミストドームでは「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2025札幌大会」グランドファイナルが行われた。これまで3大会で獲得したポイントの上位8チームによる準々決勝、準決勝を経て決勝に進出したのはPEARLS(SP1位)とながとブルーエンジェルス(SP3位)の2チーム。
2025/08/17
文●編集部
先制したのはPEARLS。敵陣22m内側でペナルティを獲得し、タップからリスタート。サラ・ヒリニがゴール前までボールをキャリーしポイントを作る。右サイドに展開しタリア・コスタを走らせるが、ここはながと・東あかりがしっかり止める。逆サイドに展開し、オリブ・ワザーストンを走らせるがこちらもゴールラインには届かず。再びサラがポイントを作り、古屋みず希がボールをキャリー。相手ディフェンダーを引き付けて大内田夏月にラストパス。そのままゴール中央にトライ。村田彩乃のゴールも決まり7-0。

先制トライを決めた大内田夏月
さらに前半5分、オリブが自陣10m付近からアウトサイドを50m独走しトライ。12-0とリードを広げる。追いかけるながとは前半ラストプレーでプルーニー・キヴィットがトライを決め12-7として前半を終える。

前半5分、サラ・ヒリニがながと⑩東をひきつけ

オリブ・ワザーストンが抜け

オリブ・ワザーストンがポスト左にトライ

村田彩乃のコンバージョンは外れる

ながとの東あかりはパールズのタリアをマーク役として止め切った

アナ・ナイマシが庵奥里愛を止める

プルーニー・キヴィットをタリア・コスタが止める

前半8分サラ・ヒリニにイエローカード

前半ラストプレーでプルーニー・キヴィットがゴール中央にトライ
後半3分、ながとは2分、平野優芽がブレイク。そのままトライかと思われたが、タリア・コスタが22m内側で捕まえる。それでもながとがボールをキープし、東あかりがゴール前10mまでボールをキャリー。PEARLSがノットロールアウェイのペナルティ。大谷芽生がタップからリスタートそのままインゴールへボールを運んでトライ。12-12の同点とし、試合はそのまま後半終了。ゴールデンゴール方式の延長に入った。

後半早々、パールズ④庵奥里愛が自陣ゴール前からビッグゲイン

左展開でボールを持ったタリアを東が止める

アナ・ナイマシの特大ステップ

大谷芽生vs古屋みず希

平野優芽がビッグゲイン

後方からタリア・コスタが追いつきハイタックルにならないようにタックル

タリアはすぐにオーバーをかけるがながとはアナと大谷が2人で対抗

後半3分相手ペナルティから大谷がピックして前進

そのまま大谷がトライ

須田倫代に対してキヴィットがタックル

平野優芽に対してサラ・ヒリニがタックル

アナ・ナイマシに庵奥里愛がタックル

平野優芽が須田倫代のタックルに耐えて前進

アナ・ナイマシが7人のタックルに耐えて前進

大谷芽生vs山中美緒

東あかりvsサラ・ヒリニ
PEARLSのキックオフで延長がスタート。ながとがボールをキープし、プルーニー・キヴィットが絶妙なキックで敵陣22m内側まで蹴り返す。PEARLSはサラがボールを確保するも、ながとは大谷芽生とバティヴァカロロアテザ優海がプレッシャーをかける。ながとのプレッシャーに対してPEARLSはたまらずキャリーバック。ながとが5mスクラムの絶好のチャンスを迎える。パスアウトした平野のボールが乱れ、PEARLSにボールを奪われてしまう。しかしPEARLSはガブリエラ・リマが痛恨のノックフォワード。

延長戦に向けPEARLSハドル

延長戦に向けてながとハドル

パールズのキックオフをながと①田中笑伊がガッチリと捕球

平野優芽のパスアウトを

キヴィットが敵陣深くへキック!
再びながとがゴール前スクラムのチャンスを迎える。マイボールスクラムから平野が自らボールを持ち込んで決勝のトライ!ながとブルーエンジェルスが17-12でPEARLSに勝利し2025年度総合優勝を飾った。

キヴィットの絶妙なキックに対して大谷芽生がチェイス。ボールをもったサラ・ヒリニにプレッシャーをかける、その後PEARLSがキャリーバック

5mスクラムから平野優芽がパスアウトするもボールが乱れる

再び5mスクラムから平野優芽がサラ・ヒリニを交わしてインゴールに

須田倫代も交わしてインゴールに突進する平野優芽

トライを決めて喜ぶ平野優芽

健闘を称え合う両チーム
HIGHLIGHTS
表彰式

優勝表彰①

優勝表彰②

MVP表彰・平野優芽
また総合MVPには、シリーズ途中でHCが退任するなど、様々なアクシデントの中、チームをまとめた平野優芽(ながとブルーエンジェルス)が選ばれた。

花園大会で大怪我をした辻崎由希乃もピッチに
PEARLSは、タリア・コスタ、サラ・ヒリニ、オリブ・ワザーストン、大内田夏月、須田倫代など、新加入の選手が大きな原動力となり、熊谷大会、花園大会と2大会で優勝を飾ったが、グランドファイナルで敗れ年間優勝のタイトルを獲得することができなかった。それでもチームとしての強さをしっかりと証明した今シリーズの戦いぶりだった。
順位決定戦の最終結果
以下、本日行われた順位決定戦により確定した結果は以下の通り。SP2位のナナイロプリズム福岡は準決勝でながとに敗れ、3位決定戦でも横浜TKMに敗れ4位に。横浜TKMは創部以来最高位となる3位で今シリーズを終えた。地元開催でベスト4入りを目指していたディアナは準々決勝、5位決定戦と2連敗したが、最後の7位決定戦でPTSに勝ちきり堂々の7位を果たした。
1位 ながとブルーエンジェルス
2位 PEARLS
3位 横浜TKM
4位 ナナイロプリズム福岡
5位 日本体育大学ラグビー部女子
6位 東京山九フェニックス
7位 北海道バーバリアンズディアナ
8位 自衛隊体育学校PTS
入替戦結果
まだ同日に行われた入替戦は、コアチームがチャレンジャーチームの挑戦を退け残留を決めた。
横河武蔵野アルテミ・スターズ 2勝 vs 早稲田
アルカス熊谷 2勝 vs ブレイブルーヴ
追手門学院VENUS 2勝 vs 日経大アマテラス
個人成績
個人賞は以下のとおり
太陽生命シリーズ2025最終戦札幌大会終了後、今季のトライ王など個人ランキングが発表された。
シーズン4大会合計のトライ王に輝いたのはPEARLSのタリア・コスタだ。3戦終了時点では28でレアピ・ウルニサウ(ナナイロ)と並んでいたが、札幌大会では準決勝のTKM戦で2トライ。今季のトライ数を30とし、トライ王に輝いた。

トライ王はタリア・コスタ
今季のトライ数TOP8は以下の通り。
1)タリア・コスタ(PEARLS)30T
2)レアピ・ウルニサウ(ナナイロプリズム福岡)29T
3)チャリティ・ウイリアムス(東京山九フェニックス)26T
4)オリブ・ワザーストン(PEARLS)22T
5)平野優芽(ながとブルーエンジェルス)19T
6)黒田美織(自衛隊体育学校 PTS)18T
7)堤ほの花(日本体育大学ラグビー部女子)16T
8)ジャズミン・フェリックスボッサム(北海道バーバリアンズディアナ)15T
続いて、JRFUはベストキッカーを発表。太陽生命シリーズ2025の全4大会においてPGとG(コンバージョン)成功率の高さを比較(総キック数から1チーム当たりの平均キック異数を算出し、その50%を規定回数と設定)。その結果、1位に輝いたのは日本体育大の谷山三菜子。成功率は77.6%(49回蹴って38回成功)に上った。2位は須田倫代(PEARLS)の76.5%、3位はヨレイン・イェンゴ(横浜TKM)の74.0%だった。

ベストキッカー賞は谷山三菜子
なお、協会からは発表されなかったが、得点王はレアピ・ウルニサウ(ナナイロプリズム福岡)が177点で獲得した、
1)レアピ・ウルニサウ(ナナイロプリズム福岡)177点
2)タリア・コスタ(PEARLS)150点
3)ヨレイン・イェンゴ(横浜TKM)139点
4)プルーニー・キヴィット(ながとブルーエンジェルス)138点
5)谷山三菜子(日本体育大学ラグビー部女子)136点
6)チャリティ・ウィリアムス(東京山九フェニックス)130点
7)オリブ・ワザーストン(PEARLS)110点
8)平野優芽(ながとブルーエンジェルス)99点