3月26日に開会式を行った第26回全国高校選抜ラグビー大会も最終日決勝を迎えた。決勝に駒を進めたのは花園2連覇中の桐蔭学園(神奈川)と今年のサニックスユース予選会で優勝した京都成章(京都府)の2校。

桐蔭学園は新チームになって初の公式戦となる関東新人の神奈川県予選で東海大相模と引き分け抽選の結果、2位通過。その後関東新人ではその東海大相模に快勝して関東地区1位で本大会に臨んだ。初戦の早稲田佐賀から、常翔学園、東海大相模、御所実業と勝利し決勝進出を果たした。

怪我で欠場の笹岡キャプテンに代わりゲームキャプテンを務めた土肥祐斗

一方、京都成章は近畿大会で準優勝。初戦の目黒学院、長崎北陽台、京都工学院、東福岡に勝利し決勝に進出。勝利すれば、初の日本一ということで、試合前からより一層気合が込められていた。

最初にチャンスを得たのは京都成章。SH佐藤のキックチャージで相手ボールを奪い、さらに桐蔭のペナルティから敵陣深くへ入るが、ラインアウトを確保できずノックフォワード、チャンスを活かすことができない。

今大会好調をキープしたSH佐藤啓護
6分、京都成章がブレイクダウンの攻防でペナルティ。ショットを選択。CTB坪井悠が狙い、しっかり決めて桐蔭学園が先制。

坪井悠のPGで桐蔭学園が先制
11分、京都成章は敵陣でカウンターラック、ボールを奪うもノックフォワード。ここもボールが続かない。桐蔭学園は自陣でのマイボールスクラムから、BKでハーフウェイ付近まで前進する。京都成章の低いタックルも突き刺さり、桐蔭学園は攻めきれず、ハイパント。京都成章のアタック。WTB14のキックで再び敵陣22m付近にボールを進める。

京都成章SO岡元聡志
京都成章が何とか裏スペースへのキック、さらに細かなパスを繋いで桐蔭陣内深くの時間帯が続くも、桐蔭も粘りのディフェンスでトライラインを超えさせない。
さらに26分、自陣22m付近のマイボールスクラムからSO岡元からのショートパントを12番がキャッチ。さらに裏のスペースへチップキックを蹴って、つながればという局面だったが、ノックフォワード。
29分、桐蔭学園ボールのラインアウトからCTB古賀がゲイン。22m内側に入るとFWがピックゴーでフェイズを重ねる。最後はPR喜が体をスピンさせながらトライ。坪井のゴールも決まり10-0と桐蔭学園がリードして前半を終えた。

CTB古賀啓志のブレイク

桐蔭学園FWが一つの塊となり前進

前半29分PR喜が体をスピンさせながらトライ
後半最初にチャンスを迎えたのは京都成章。CTB森岡のブレイクでトライラインに迫るもオフロードパスを繋がらせず、さらにブレイクダウンの攻防で喜がプレッシャーをかけペナルティを誘い、桐蔭学園がチャンスの芽を摘んだ。
8分、WTB大久保のラン、さらにWTB西本のキックチャージで敵陣22m付近にボールを運んだ桐蔭学園。京都成章がハーフウェイ付近まで蹴り戻すが、SO竹山がラインブレイク。さらにHO堂薗へパスを放るもスローフォワードの判定。決定機を逃す。
それでも12分、桐蔭学園がトライラインドロップアウトからのアタックから、PR喜がゲイン。22m内側へ前進。さらにSO竹山がパスダミーでディフェンダー2人を引き付けてCTB坪井へパス。坪井がそのまま左隅にトライ。15‐0とリードを広げた。

SH竹内楓稀


坪井悠のトライ

坪井のゴールは決まらず
23分、桐蔭学園は敵陣22m手前の攻防で竹山から足立のフラットなパスが繋がりゲイン。すぐさまボールを展開しCTB坪井が2本目のトライ。坪井のゴールも決まり22‐0とリードを広げた。

坪井の仕掛けから

西本友哉

足立佳樹

坪井がトライ

さらに直後のキックオフボールから足立がブレイクから、竹山、坪井、古賀とBK陣が細かなパスをつなぎ最後はWTB大久保がトライ。29‐0と勝負を決めた。

西本友哉のゲインから

竹山史人のオフロード

坪井から後輩の大久保へ

大久保のトライ



足立佳樹が右手拳を掲げながらインゴールへ

足立佳樹がトライ

ノーサイドの瞬間
さらに後半終了間際にも敵陣深くでボールを奪った桐蔭学園はNO8足立がトライ。36‐0として桐蔭学園が2年ぶり5度目の優勝を飾った。
桐蔭学園 藤原秀之監督

桐蔭学園・藤原秀之監督
――決勝を振り返って
別に強いわけじゃないんですけどね、トライ取られるようなシーンは前半、後半もありましたが人が上手く入った。パスコースに2つ、3つ入っていましたね。練習の反応のところですね。前半でこうしたらいい、というのが見えていたので、自分たちが難しくしちゃったところはあるかなと。立ち上がりのゲームの運びが良くなかったなと思います。
前半、効果的ではないキックを蹴っていた。ハーフタイム、押せているところは押せているので、シンプルにやればいいんじゃないのと話しました。ボールが保持できることがわかったので、あとは再現性があるトライをどう取っていくかということで、残り15分はできたと思います。向こうに得点が入らず、流れが行かなかったので試合は楽だったと思いますね。

――坪井選手が活躍しました
やっぱり(昨年2年生で花園に出場した)2番(堂薗)、3番(喜)と坪井と去年はしんどい思いをした。(花園では)途中から入りましたね。彼がどれだけスイッチを上げられるか。ずいぶん古賀にアシストしていたから、それをいかに自分の目の前が空いているかが遂行できたんじゃないですかね。
――昨年の夏のセブンズ、花園、そして春の選抜と全国大会で連続優勝です。
優勝するような感じじゃないですね。去年の花園も、夏のセブンズも予選プールで敗退してもおかしくなかったし、(選抜でも)早稲田佐賀戦はあまり良く無かったし、常翔学園戦も得点を取られてかなり厳しいなという試合で、まったく優勝するとは思っていなかった。
神奈川の(東海大)相模さんとやるということで多少スイッチが入った。御所実戦も勝ちを拾って決勝に進出できましたし。

――関東新人からチームが成長した?
関東新人大会は(県予選)2位扱いでいきましたし、成長のあとは多少うかがえるかなと思います。ワンチャンスをものにするという力は多少なりとも(ついた)。優勝した58期、59期あたりが後押ししてくれているんじゃないですか。
――準決勝、決勝も完封しました
これは、たまたまだと思いますけどね。本当は相手にスコアされてもおかしくないシーンが今日も3つぐらいあったし、準決勝も2つぐらいあったと思うんですよ。これは修正すれば相手も点がしっかり取れると思っていると思うし、あんまり気にしていないです。
――今年のチームは、こう戦いたいなというイメージはできあがってきた?
そうですね。選抜大会中、ミーティングでかなり苦労しています。今も苦労していますけど(苦笑)。なんとなく軸らしいものが見つかってきたので、その体現を今日の最後の試合でできたかなと思いますね。アタックのところですか、やっぱり練習で2年前から取り入れているところが多少出ているかなと思いますね
――ここからまた強くなる可能性もある?
そうですね。これから新しい1年生も入ってきますし、今日を見ても試合の運び方はあまり上手くないので、もうちょっとハーフ団を含めて、精度を上げていかなきゃいけないなと思います。
――まだ伸びシロはありそうですか
僕もあまり今年言ってないので。ひどすぎるので、手をつけなきゃいけないところや、オペしなきゃいけないところがいっぱいある。その水準がとにかく低すぎちゃって、ベーシックのところを上げないといけないので、それを今後やるというところですね。FW、BKも個も集団としても(課題が)明確になっている。FWのところはもうちょっとモールを押せることができると、ちょっと面白いかなと思います。

――今後も基礎をやりながら……
そうですね、一番はサニックスさんに出られるっていうところが一番のモチベーションではあったので、そこはもう少しまともな姿を見せたいなと思っています。
――ディフェンスもよかった。カウンターラックもあった
古賀あたりが、ディフェンスに入ると重みもあるのでカウンターラックも相模戦でも出たし、高校ラグビーをやっと覚え始めている感じかな。あとは上手く使われていて、ラインブレイクからの得点もあるので彼の存在は大きい。もう少しラック使わないでスカッといきたいですね。もうちょっとバックスリーが頑張らなきゃいけないかなと思います。
――準決勝、決勝と相手を0点に抑えられた
なんとなくディフェンスがまっすぐ上がってたな。やっぱり(相手は)難しいことやってくるチームなので、うちはシンプルに行こうと。
――チームにとってこの選抜の優勝というのはどういう意味合いがある?
自分たちで強いと思っていないと思うんですよね。僕らも全然思ってないし、むしろ去年のチームの方が全然強いだろうと思っているし、2年前のが全然強いし、去年の方が強い。今年はたぶん、みんな自分たちにもそういう自覚があると思いますよね。なんか(決勝に)勝手に来ちゃった、優勝しちゃったみたいな感じがあるんじゃないかなと思いますけど、不思議な感じですよね。

――アタックに関して
かなり(スペースにボールを)要求はしていましたね。後半に入って前に出はじめてから、足立あたりはかなり狙っているのはわかったし、坪井あたりもずいぶん見えているな、古賀をずいぶん使っているのでスペースが見えていた。
――ゴール前は今後の課題?
もうちょっと時間かけてやりたいですね。あの辺がやっぱりもうちょっと強くならないと、上位校と対戦した時に安定感は出てこないんじゃないかなと思います。早い段階で(ブレイクする)というのは多少あるが、でもそういうゆっくりやる時間帯も60分の中には必要なので、そういう戦い方もできないとしんどいですよね。そういう意味では(今日は)緩急はつけていたと思いますけどね。

――後半、FWが前に出れれば・・・
比較的FWが積極的にアタックもディフェンスも前に出始めてきたので、相手の足は止まるだろうなと思ったらやっぱり(後半)、15分過ぎてからピタッと止まってきたので、得点はできるかなと思いました
――トライシーンを防ぐ練習は
まあちょっと(練習を)やっていますね。遊びの一部かもしれませんけど、僕らは練習の一部としてやっていることなので、それが普通の人から見たら遊びと思うかもしれないけど、という練習は2年前の夏からやっています。オフロードしてくるところに、パスコースを読むのを連続して意図的に作るという練習ですかね。それをつなげるのかまっすぐ下げるのか横に投げるのかで、横に投げると取られちゃうかもしれないけど、そういう練習をしていますね。歩きながらやったりしているが、(アタックをやれば)ディフェンスも自然と育つとういうか、自然とそうなる。
――堂園キャプテンの評価は?
課題も出ましたね。チームをまとめるところではまだまだ。3年生がずいぶん助けてくれたし、プレイヤーとしてもやっぱり課題はありますけど、去年、試合に出ているだけで1日の長があるかなと思います。課題はまだまだいっぱい。彼にはやらなければいけないことがあるんじゃないかなと、自分でわかっていると思いますけど。
――大会中、ミーティングはだんだん良くなっていた?
今回のミーティングはかなりレベルが低かったので時間がかかりましたね。昨日もそうですけど細かいことにこだわりすぎちゃう。もっと枝じゃなくて太い幹を見ろというところですが、(枝に)執着しちゃう。今年は(布施先生が)かなり介入していました。去年は1回もないですね。今年は多分10回以上も介入しています。昨日は黙っていましたけど、だいぶ(ミーティングが)良くなってきた。
――サニックスはやっぱり得られるものが大きい?
やっぱり面白いじゃないですか。負けられるし(笑)。日本の大会だと、すぐに桐蔭が敗れると出る(苦笑)。どうしても日本一ってついてまわるので、花園は12月27日ぐらいまでは前回優勝って出てくる。でも花園は2ヶ月間ぐらいしか賞味期限がないみたいな、選抜に優勝した方が長いですよね。
――春も5度目になりましたね。
そうですね、(冬)5回、(夏)5回ですか。せっかく(学校に)モニュメント建てたので。プレートもちゃんと作って、彼らの名前に載ります。格好よいやつですよ!

――8大会で5回の優勝です
そんなになりますか。55期は(大会が)なかったんですからね、佐藤健次(埼玉ワイルドナイツ)のとき。あのとき強かったですね。ラッキー続きでしたね。まだまだ全国大会(花園)の優勝の勢いが残っているんだなとは思いました。いやーほんとひどかったんですからね新人大会は。新人大会を見ていると、ここで優勝するとは誰も思っていないと思いますよ。相当ひどかった。そういう意味ではだいぶ成長しました。
――上手くいかない時にこういうことに立ち返ろうというところが出てきた
だいぶ出てきましたね。やっぱりちょっとその辺が出てきたところが、勝ちを拾えるようになったところなんじゃないかなと思います。前半1トライ、2トライ取られても、後半、こう攻めればいけるじゃないかなというところがあったので、たまたま得点にならなかったのでラッキーでした。(選抜大会で)5試合できたことがうちにとっては栄養分になるのでありがたかった。
桐蔭学園 HO堂園尚悟キャプテン

堂園尚悟
――試合を振り返って
苦しい時間帯もあったが、その中で昨日のミーティングで今日の試合は「スペースを共有し続ける」と決めた。そこで喜と竹山が空いたスペースをコールして、それを続けることができた。(前半FWでトライを取れたが)FWは自分たちの近場のところで強みがあるので、そこで自分たちの強みで取れたところが大きかったんじゃないかなと思っています。
――後半は、スペースをうまく使いましたね。
自分たちがスペースに仕掛けて、そこにどんどん人が走り込んでいく。そういうラグビーを今年は極めていかないと勝てないので、そこをもっともっと関東大会、そして花園の予選に向けて、自分たちもっと精度上げていきたいと思います。
――県の新人大会の決勝から見ると本当に晴れやかな表情です。
まだまだ自分たちのミスもあったりとか、ディフェンスのところで今日も何回か抜かれてしまうところもあった。そこをしっかりディフェンスでしゃべるところ、そこでも共有し続けることが大事になってくる。ディフェンスだったり、アタックのところをもう少し(精度を)押し上げて、次の関東大会予選に向けてしっかり頑張っていきたいと思っています。

――ミーティングでもかなりみんなが議論するそうですけれども、今年のチームの強み、こういう方向性なのかなって今感じていることは?
自分が喋るのがあまり上手くないので、自分も意見を言いますけど、より活発的にみんなが意見出してくれて、この選抜大会で一戦一戦重ねるごとに、みんなのミーティングの質に深みが出たんじゃないかと思っています。
――改めて、一つ成果が出たことについてはどうでしょう。
ここで、この結果に満足することなく、自分たちの代で、花園で優勝する。そのためにはまず11月16日の神奈川県予選で勝つところが大事なので、そこをターゲットに明日から切り替えて練習していこうと思っています。
――前半を振り返って
前半、ちょっと悪い形でディフェンスもあまり良くなかったんですけど、そこで自分たちが規律を持って、しっかり一人一人がタックルや、そこでディフェンスしっかりしのいで、自分たちのFWの強みである近場のところで、最後にPR喜がトライ取り切れてそこで自分たちの流れがこっちに来たんじゃないかなと思っています
――キックオフ前に、笑顔でグラウンド入ってきました
自分たちミーティングで決めたことを60分間やるだけなので、もう楽しもうって円陣で、前にみんなで話して、やっぱりこの場を楽しもうという思いで笑顔になったんじゃないかなと思います! 楽しめたんじゃないかと思っています。
――監督が相手のオフロードパスの間に入ってのディフェンスを練習したと話していたが、そういう成果も出た?
自分たちもオフロード(パス)というのがメインになるので、その分オフロードする中でディフェンスの仕方だったりとか、お互いやり合う練習の中でディフェンスだったりとか、オフロードにはどういうディフェンスがダメなのか、嫌なのかとか、そういうのを練習でわかっていたので、身についたというか、練習でわかっていた。
――15対0になってから自分たちのラグビーができた?
敵陣に入られても、成章さんにトライ取られなかったのが大きく勝ったんじゃないかなと思います。

――昨年の夏・花園も優勝しましたが、この優勝はどうですか
自分たちの代は(2月の)神奈川県新人予選で引き分けて、本当に自分たちの代は弱いというのを実感して、まずはゼロから、基礎のところからパス、キャッチのところから選抜大会に向けてやってきたので、そこが今日しっかり実ったんじゃないかと思っています。
この結果に満足することなく、次の関東大会予選に向けて、ゼロからキャッチパス、タックル、基礎のところから、1からもう一回やり直していこうと思っています。
――より追われる立場になりますが……
追われる立場でありますが、そこはかなりきついと思いますが、逆に自分たちもチャレンジャーという気持ちを忘れずに、今後、練習のところで基礎的なところをもっと徹底してやっていこうと思っています。
桐蔭学園 PR喜瑛人
最終的には去年の最後の花園で行ったミーティングのレベルには届いていないんですけども、最初に比べたら(レベルが)高くなって、そういう中で自分たちが優勝できたということは自信にも繋がると思うんですけども、僕達が目指しているのは花園優勝なんで、ここは喜びたいんですけど、花園というところは簡単じゃないんで、俺とか、堂園とか、足立とか優勝経験者メンバーで、ここで落とさずにもう一回上げていくというのを意識してこれから取り組んでいきたい。

喜瑛人
去年はミーティングでもそうなんですけど、去年は新里とか西野とかそういうメンバーがチームを引っ張っていってくれた。それに甘えていたじゃないですけど、任せていた部分があって、3年生がいなくなって、自分がその立場になって優勝を経験させてもらったからこそ、(発言する)立場になろうって思いました。とりあえず、声出す、そしてチームの士気を高める、そういうところは意識してやっていました。
(ファーストトライはチームに勢いをもらたらしたのでは?)そうですね。厳しい状況の中でもFWでこだわりたいというのは、1列、田邊、堂薗と話をしていたんで。取り切れて。FLもラッチでしっかりついてくれたんで、僕自身のトライじゃなくみんな結構前に出る意識があったから取れたかなと思います。後半のいい流れを作れたかなと思います。
(桐蔭に入学して良かった?)めちゃめちゃ良かったと思っています。もちろん環境もそうですけど、関東の大学に行きたかったんで。知り合いは特にいなかったです。
(後半もいいキャリーしていました)後半1回、ノックオンをしてしまって、ミスする場面もあったんですけど、そこは完全に切り替えて、自分にできるところはスクラムとボールキャリー、そこだけなんで、みんなみたいに器用じゃないので。そこだけはやり続けようと意識していたんで、何回もボールを持ちにいくというのをやっていました。
(この優勝は嬉しい?)そうですね。自分たちの代で優勝というのは違いますね。気持ち的に。去年も嬉しかったんですけど、それ以上に嬉しさがあります。花園という大舞台で優勝できたらもっと嬉しいと思うんで、そこに向けてもう1回頑張っていきたい。
桐蔭学園 CTB坪井悠

坪井悠
去年は3年生にすごく助けられて、特に去年の国栃戦なんですけど、自分がもう頭真っ白になってしまった部分で、3年生が『お前はタックルだけやっていればいい』と言ってくれて、少し整理出来たんですけど。今日は鈴木が怪我してしまって、大久保が代わってきたんですけど、やっぱりそこは自分が声かけなきゃいけないなと思っていました。
ディフェンス抜かれたところもあったんですけど、ビッグゲインしたところだったり、褒めて、お前はそれをやればいいんだよというのを伝えてあげられたので伸び伸びやってくれたかなと思います。

(自身のトライについて)全部竹山からのパスというところで今日は本当に竹山との相性が良かったかなと思っています。この5試合通して、あいつがどこで仕掛けるのかというタイミングもずっと考えながらやっていましたし、決勝は、行くだろうなというタイミングでこちらも入っていくと絶対パスを放ってくれるんで、信じてできたのかなと思います。
今日は、試合でやるべきことを意思を持って喋るというところをチームでやろうと言っていて、結構外からも中からも『ここが空いている』とか、全員が1回前を見て判断できているんで、空いているスペースに入ることができていたんじゃないかなと思います。

(自分の代で優勝したことは?)本当に自分たちが神奈川の新人大会で(東海大)相模と14 vs 14の同点で、負け試合で、すごく悔しくて。それがここまで来れるというのは誰も思ってなかったと思うんですけど、練習を信じて、仲間と信じてここまでやってこられて右手につながったので、これからの、サニックス、セブンス、花園に向けてもう1回チーム作り直し、もう1回優勝できるように頑張っていきます。
京都成章 関崎大輔監督

――振り返ってどうでしたか?
完敗でした。後半15分くらいまでは何度かチャンスがあったと思うが、(トライを)取り切るところで取り切れなかったのが痛かった。でも悲観するような試合ではなかったと生徒には話した。
――15点差がついた後は、相手に畳みかけられた……
ちょっとしんどかったですね。後半15分からの桐蔭学園のフィジカルとかメンタルを経験できたのは今回めちゃめちゃでかいと思います。学生時代から今まで、練習見学など東福岡の藤田先生にいろいろ学ばせてもらっていたんですけど、ようやく言っている意味がわかりました。フィジカルやぞ、コンタクトやぞと、最後の15分やぞ、っていう話を聞いていたんですけど、すごく身に染みて思いましたね。
――でもディフェンスではいいタックルもあった
できたところと、この成果と、それから課題と、その辺をしっかり整理して夏にまた向けてやっていきたい。
――オフロードパスの間に入られてアタックを阻止された
つなぐな!我慢しろ!と言っていましたけど。すごかったですね。絶対カバーがいましたもんね。
――決勝で先に点を取りたい気持ちが出たのでは。
結局、やっぱり決勝だけ、この1試合に勝つためにこれをやろうということはなかなか出ないですね。やっぱり、やり続けないと。そういうところはちょっと桐蔭学園さん見習ってやりたい。
――桐蔭学園に、今回で全国大会で0勝8敗に
でも悲観するようじゃないゲームじゃない。できたところはできたので、ちょっと(差が)縮まったかな。

――取り切るところが課題となりそうですね
めちゃくちゃでかいと思いますね。(この試合)ラインアウトは0%と違います? だからやっぱり大事なところでやるのか、大事なところで取り切れるか、取り切れへんかは練習での積み重ねだと思います。(桐蔭学園さんは)そういうところを大事にされているので、その差が出たなと思います。
――今回は準優勝という結果ですが、今回の総括としてはいかがですか。
いろんなチームと対戦できました。目黒学院から始まり、長崎北陽台と、東福岡、そして桐蔭学園とやれたのが一番の収穫ですね。この時期に東福岡と桐蔭学園とできたのが大きいです。
――1回戦から厳しい相手との対戦でしたね
(決勝戦は生徒に目黒学院NO8)ロケティより弱いやろって言っていた。ロケティ(に対して)行けたから、行けるやろと。
――1試合1試合、勝ち上がっていくごとに選手たちは自信をつけていた?
(試合では)練習試合では作り出せない空気感や、ここぞという時の集中とか、この1日で修正せなあかんっていうのは、やっぱりこの全国大会経験しないと、しかも勝ち上がっていかないと経験できないところなので、そこが一番大きいかなと思います。
京都成章 FB笹岡空翔キャプテン(*準決勝・決勝は怪我で欠場)

(選抜大会は)1日おきの試合の中で、何ができた、できなかったかを全員で共有して、(中)1日という短時間で、相手の分析も含めて修正するというローテーションが実行できた。今日あまりできなかったオフロードパスやボディーコントロールとか基礎の部分をやりなおしたい。ディフェンスのところではしっかり前に出続けることは継続して制度を高めて、自分たちの形を強みにして、良い経験を積んで花園に向けて準備したい。次、桐蔭学園と戦ったら絶対勝ちたい!
京都成章 LO土肥祐斗(2年)ゲームキャプテン
完敗です。桐蔭学園さんのやりたいようにやられてしまいました。前半、何とかしたんですけど、後半自分たちがスコアしなければいけないところで全然できなくて、そこで取り切れなかったのが大きな敗因かなと思います。
前半ほんまにいい形作れていたんですけど、そこはもう桐蔭さんの守りが堅くて、本当に上手かったので。そこで取り切れれば桐蔭学園さんも焦ったり、細かなミスとかも出てきたので思うんで…。
ディフェンスもやっぱり桐蔭学園さんの強みであるラッチとかもいい形で止められているシーンも多かったし、押し返して押し込めたシーンもいっぱいあったんですけど、崩れたところから攻めきるというところが本当にできなかったので、そこは大きな課題だとおもっています。
工学院さんも強敵ですが、自分たちが目指しているのは花園、日本一の実力をつければ工学院さんが相手でも関係ないので、勝ち切るところを目指していきたいです。
京都成章 CTB森岡悠良

森岡悠良
この5試合、全国の強いチームと試合ができて1つずつ勝っていく、自分たちのテーマ、各試合のテーマが準決勝まではできていたんで、決勝では思い通りにいかへんときに、修正しきれへんかったということだったと思います。
決勝戦では自分たちの低く刺さるタックルとブレイクダウンのところを大事にしたんですけど、そこはできたんですけど、アタックのところで取り切れへんかったということと、繋がらなかったという感じです。