11月12日（日）、東京・秩父宮ラグビー場では「花園」こと全国高校ラグビー大会東京都予選決勝の2試合が行われた。2試合目はともに花園で優勝経験あるチーム同士の激突で、春の選抜ベスト8で都大会準優勝の國學院久我山に目黒学院がチャレンジした。

総合力に勝る國學院久我山が有利の下馬評だったが、目黒学院は試合開始早々からチャージーやタックルで相手にプレッシャーをかけていく。前半8分、トンガ人留学生のルーキーCTBカヴェインガフォラウ ラトゥとNO8ブルースネオル ロケティの2人がゲインしチャンスを作り、最後は共同キャプテンの一人PR山本真也（3年）が左中間にトライを挙げて5－0で先制する。

しかし前半25分、目黒学院は共同キャプテンの一人LO中村つぐ希が相手のボールを奪いとり、NO8ロケティへパス。NO8ロケティはタックルを外しながら50mほど走りきって右中間に押さえてトライを挙げて10－12と2点差としてハーフタイムを迎える。「あまり速そうではないんですが、ロケティはボールを持つと足が速い！」（竹内圭介監督）

後半はディフェンスとキックのプレッシャーで目黒学院が相手陣でのプレー時間を増やす。すると6分、相手ゴール前でラインアウトのチャンスを得て、モールを形成。やや押し込んだ後、ブラインドサイドをNO8ロケティが突いて、パワーを活かしてそのままグラウンディング！　目黒学院が15－12と逆転に成功した。

その後も目黒学院は相手陣でのプレーを続けて、試合はそのままスコアボードが動かずにノーサイド。目黒学院が15－12で勝利し、4大会連続22回目の花園への切符を手にした。

竹内監督は「嬉しいです。それだけです。楽しもうとうちらしくラグビーをしようと（試合前に）声をかけました。60分間、苦しい時間もありましたが、その部分も含めて楽しんでいました。コーチ、選手一丸となって一つ一つ課題をクリアしていくというのが手に取るように見えていたので安心して見ていました。ディフェンスで少しほころびもあったので、そのあたりを修正して一つ一つ勝ち上がっていきたい。1日でも長く花園で頑張りたい」と話した。

中村主将は「率直にすごく嬉しいし、観客に来てくださった方やコーチ陣に感謝しています。相手に勝つという覚悟を持ち、（仲間には）チームスローガンである『最後まで加速し続けよう』と声をかけていた。ディフェンスにこだわってきたチームなのでそこが出た。東京都代表として恥じないようなプレーを全力でやっていきたい。花園でも目黒の力を見せるので応援よろしくお願いします」と語気を強めた。

選抜ベスト8の國學院久我山を下して花園に出場する目黒学院。チームの組織ディフェンス、そして中村、山本やルーキーのロケティなど個の力も長けている。この1ヶ月半、スローガン通り「加速」を続けて、上位進出を狙う！

同日行われた東京都第1地区決勝は、早稲田実業が31－7で成城学園を下し、3大会ぶり8回目の花園出場を決めた。

11月12日に行われた各地区決勝

＜大阪府＞
第1地区　関西大学北陽高校（初）
第2地区　大阪桐蔭高校（3大会連続17回目）
第3地区　東海大学大阪仰星高校（5大会連続23回目）

＜千葉県＞
流通経済大学付属柏高校（29大会連続31回目）


＜高知県＞
高知中央高校（5大会連続9回目）

＜山梨県＞
山梨学院高校（初）

＜静岡県＞
静岡聖光学院高校（2大会ぶり8回目）

＜京都府＞
京都成章高校（10大会連続16回目）

＜和歌山県＞
近大和歌山高校（3大会連除5回目）

＜宮崎県＞
高鍋高校（13大会連続31回目）

＜鳥取県＞
倉吉東高校（2大会連続13回目）

＜岐阜県＞
関商工高校（2大会ぶり42回目）

＜香川県＞
高松北高校（2大会連続15回目）

＜滋賀県＞
光泉カトリック高校（5大会連続13回目）