選抜ベスト4が決まる!桐蔭学園、大阪桐蔭、石見智翠館、國學院栃木の4校がファイナル進出に挑む | ラグビージャパン365

選抜ベスト4が決まる!桐蔭学園、大阪桐蔭、石見智翠館、國學院栃木の4校がファイナル進出に挑む

2024/03/27

文●編集部


3月26日、第25回全国高校選抜ラグビー大会は4日目を迎え、全国32校から勝ち進んだ8校による準々決勝が行われた。

準々決勝の結果

石見智翠館(島根)29‐12 中部大春日丘(愛知)
御所実業(奈良)7‐13 國學院栃木(栃木)
目黒学院(東京)0‐36 桐蔭学園(神奈川)
大阪桐蔭(大阪)13‐3 東海大相模(神奈川)


朝から降り続く雨により厳しいコンディションとなった熊谷ラグビー場。ベスト4をかけた熱い戦いが繰り広げられた。



石見智翠館が7年ぶりの4強入り!



第1試合は石見智翠館(島根)がNO8祝原久温の先制トライでスコアすると中部大春日丘(愛知)も、NO8坂口湊眞がトライを返し10-7と石見智翠館がリードして後半を迎える。
後半の入り、ハイパント処理を春日丘がミス。

春日丘もNO8坂口のトライ反撃。前後半1トライずつで終わった

春日丘もNO8坂口のトライ反撃。前後半1トライずつで終わった



LO山根風雅がルーズボールを確保しそのままトライ。智翠館は18分、ハイボールの競り合いから、こぼれたボールをNO8坂口がキック。インゴールに転がるボールをグラウディングしトライ。12-17と食い下がる。
その後智翠館がFL神保友海、LO山本力優と連続トライで引き離し29-12で勝利しベスト4進出を果たした。


石見智翠館 出村知也監督

お互いがいいところを出し合った試合だなと思います。(準決勝は)僕らより強いチームなので、(中部大)春日丘さんの分までしっかり準備して、思いっきりの良さで対抗できればと思います。


――フィジカルは自信がある?


今の新3年生が1年、2年から試合に出ている選手がいるので、今の段階では経験やフィジカルには自信はありますが、他のチームも大きくなってくるのでおごらずやっていきたい。




――ベスト4に入りました。


6年前にもあったので3度目ですね。前回行ったときはコーチ2年目で、初めてくらいの感覚でした。選手たちはベスト4初めてなので、舞い上がらずに僕たちができるひたむきなプレーをやり続けたい。嬉しいですが、彼らは歴史を変えられるメンバーなので信じてやっていきたい。


――15番の新井竜之介選手のキックが効果的でした


こっちが盛り上げてやろうとしても表情に出ない子なので「アイスマン」と呼んでいます。頼もしい。全幅の信頼を置いている。基本的に10番ですが、SO原田もフィジカルが強いので、新井を15番で起用している。

――新チームになってから何に注力してきた


経験値が高い子でラグビーIQは高いので、ひたむきに走るとか身体を当てることがまだまだだったので、選抜まで中国大会もあったが、走って、倒れて、ぶつかって、の練習しかしていないです。チームの戦術はこっちに入ってから確認しかしていません。彼らは面白くなかったかもしれませんが、大分東明、春日丘さんと最後まで走りきる力が出てきた。強みになっている。




もっとボールを動かしたかったが、この雨ならしょうがない。モールもまだまだですが(強みになっている)。ウェイトは週4回やっているが、寮なので、夜に集まったり、朝などフィジカルトレーニングやっていますね。


――キャプテンNO8祝原の評価を


今日のミーティングで彼をつるしあげようかなと思います。ディフェンス面で身体を張っていない。アタックは放っておいてもやってくれるので、ディフェンスで身体で示してほしい。将来的には先を見据えて2番に。今はスローイングがまだまだなのですが、この大会が終わったら専念させたい。彼にキャプテンという責任を持たせたかった。もっと飛躍していくのではないかかと思っている。今までは彼を目立たせるために他の14人がプレーしていた。でも他の14人を目立たせるためにこの1年はやってほしいとキャプテンにした。


先制トライを挙げて喜ぶ石見智翠館のNO8祝原主将

先制トライを挙げて喜ぶ石見智翠館のNO8祝原主将




――準決勝に向けて


FWが強いチームなので、そこのガチンコは負けない自信があるので、先手取って、歴史を変えていきたい


――今季のスローガンは


部訓は「Play to inspire」ですが、子どもたちの中では今季のスローガンは「一(いち)」、1位を狙うぞ、一つになるぞという意味を込めた。



石見智翠館 NO8祝原久温キャプテン

(ベスト4は)一旦の目標を達成して、(さらに)上に向けて頑張ろうかなと思います。雨の中だったので上に上げて、WTBのサイズでも勝っていた。それがはまった。(次に向けて)戦い方ですね。國學院栃木は何をしてくるかわからないので、ゲームの中で修正していきたい。


――監督が少し怒っていたが……


心あたりは、ありまくりです。自分のプレーで流れを乗せることができていなかったので悔しかったです。


――優勝するために大事なのは?


僕がみんなをプレーで乗せて、しっかり勢いで勝つことが大事。


――選抜大会に向けてかなり走り込んできたようですね。


毎年、(花園予選頃の)校内合宿があるが、それくらいきつかった。セブンズの練習かなと思っていた。体重は増えました(苦笑)。減った分、食べようと思ったら増えました。体重は105~107kgくらいです。智翠館は、次の対戦相手をイメージしながら、「ゾンビ」「ゾンビ」と言って、何回倒れても立ち上がるということを意識してやっていた。


実力拮抗した試合は、國學院栃木が終盤逆転して御所実業に勝利

第2試合は実力拮抗した2校の緊迫感ある戦いとなった。御所実業(奈良)と国学院栃木(栃木)は終盤までわからない展開。國栃がSO神尾樹凛のPGで先制すると、御所実業は前半終了間際にモールを押し込みLO服部凰真がトライ。7-3と御所実業がリードして前半を終えた。

前半は御所実業がモールを押し込み

前半は御所実業がモールを押し込み



LO服部凰真がトライ

LO服部凰真がトライ



後半4分、御所実業が自陣15m付近でペナルティ。國栃はショットを選択。ボールは右にそれて、CTB福田恒秀道がボールを獲得できそうになるがノックオン。スコアにはつながらなかった。19分、御所実業はNO8本多守人が故意の反則によりイエローカード。数的優位となった国栃はアタックを仕掛けるも、中々決めきれない時間帯が続いた。それでも21分、WTB蟹江海晴が逆転のトライを決めた。

NO8本多守人にイエローカード

NO8本多守人にイエローカード



國栃・WTB蟹江海晴のトライ

國栃・WTB蟹江海晴のトライ



28分、ブレイクダウンの攻防で御所実業が痛恨のペナルティ、敵陣10m付近でPKを獲得した国栃はショットを選択。キックを蹴る神尾にとって距離としては十分射程圏内の位置でのキック。しっかり蹴り込んで成功。13-7とリードを広げた。

國栃・神尾樹凛のPGが決まる

國栃・神尾樹凛のPGが決まる


御所実業に残っている時間は1分プラスロスタイム。直後のキックオフボールを国栃がノックオン。御所実業がラストチャンスを迎える。マイボールスクラムからFWでフェイズを重ねるが頭が下がっているとしてペナルティ。國栃が13-7で勝利。

御所実業はラストチャンスをスコアに繋げられず試合終了。

御所実業はラストチャンスをスコアに繋げられず試合終了。


第3試合、大躍進の目黒学院が王者・桐蔭学園に挑む!桐蔭学園は前半に4トライを決めて流れを相手に渡さず快勝

第3試合は今大会躍進している目黒学院(東京)と昨年優勝の桐蔭学園(神奈川)との関東勢対決となった。ここまで接戦を制してきた目黒にとっては序盤から桐蔭学園の圧力に対して厳しい戦いとなった。桐蔭学園がFL申驥世キャプテンのハットトリックで19-0とリードして前半を終えると、後半も序盤15分までに2トライを決めた桐蔭学園が33‐0として試合を決めた。雨脚も強くなりお互いに厳しい状況となり、その後は桐蔭学園のPG1本のみで試合が終了。桐蔭学園が36-0で完勝。準決勝に駒を進めた。

前半だけでハットトリックを決めた桐蔭・申主将

前半だけでハットトリックを決めた桐蔭・申主将



目黒学院・ロケティ

目黒学院・ロケティ



第4試合、さらに雨が激しくなる。激戦を制したのは大阪桐蔭

第4試合は大阪桐蔭(大阪)と東海大相模(神奈川)が対戦。雨脚はこれまでよりも更に強くなりお互いにボールが手につかない状況の中試合がすすみ、前半は東海大相模のPG1本のみとなり3-0と東海大相模がリードして折り返した。

厳しいコンディションの中、大阪桐蔭がSO上田のPGで着実にスコアを積み重ねていった

厳しいコンディションの中、大阪桐蔭がSO上田のPGで着実にスコアを積み重ねていった


後半5分、大阪桐蔭は敵陣22m手前のラインアウトからWTB水島功太郎がディフェンスのギャップを抜けてゴール前までボールをキャリー。相手ディフェンスが寄ったところをさらに順目に展開してWTB山添仁琴がトライ。SO上田倭楓のゴールも決まって7-3と逆転に成功。その後はさらに雨が強くなりお互いにトライを奪えず、大阪桐蔭がPGを2本決めてスコアを積み重ねて試合終了。10-3で大阪桐蔭が勝利し準決勝進出を果たした。




大阪桐蔭 綾部正史監督

難しいコンディションでしたね。次に行けるので次に(向かいたい)。(東海大相模は)勢いあるチームだし、セットプレーではスクラムはプレッシャーかけられたが、ラインアウトは向こうの方は上だった。ディフェンスは抜かれても一生懸命表現してくれる選手が多い。FWがボロボロにならないと勝てないので今日もボロボロになれと送り出しました。

――ベスト4に入りました


近畿大会で優勝させていただいたので、最低限はここまで、と思っていました。



――準決勝は桐蔭対決になります


また胸を借ります。ありがたいです。勝ちたいですね。昨年は(選抜、花園と)完敗したので、あと2日間でどういう表現してくれるか楽しみです。BKで崩せるかなと思っています。でもBKに生きた珠を出すのはFWなので、うちはFWがグチャグチャにならないといけない。名取は献身的なキャプテンですし、FW陣は大門や真面目な選手が多いので、しっかり体を当てていってほしい。今日はこの天候だったので、(準決勝では)ボールを大きく振りたいしフェイズを重ねたい。

大阪桐蔭 CTB名取凜之輔

ロースコアになることわかっていたので、前半の入りを大事にしようとした。まだトライに結び付けることができずしんどかった。後半、丁寧に(いこう)と仲間に言って、1本目トライを取っていい入りができて、いい流れをつかめていた。だが、まだまだラインアウトだったりをスチールされて課題が見つかった。ベスト4に入れたのは嬉しいですが、まだまだ桐蔭学園戦に向けてチャレンジしたい。



――後半は落ち着いてプレーした


後半の入りは良かったので、それは続けていきたい。ショットで追いつこうという話で3点、刻みながらやって、(SO)上田(倭楓)が決めてくれて良かった。スクラムはプレッシャーでかけられていてこっちに流れが来たかな。全員で落ち着いてやろうと声かけていた。ラインアウトは入らなかったがスクラムはプレッシャーかけられていた。



――今季の強みは


ディフェンスですね、今日もノートライに抑えられて良かった。昨季よりFWの身体は小さいが機動力はあるのでFW、BKと一体になってボールが動かせると思う。


――10番、12番に経験はある。


ディフェンスは落ち着いてできるのかなと思いますし、上田はゲームメイクして、キックでエリアを取ってくれた。


準決勝の対戦カードは以下のとおり。

11:00 石見智翠館(島根)‐ 國學院栃木(栃木)
12:30 桐蔭学園(神奈川)‐ 大阪桐蔭(大阪)

記事検索

バックナンバー

メールアドレス
パスワード
ページのトップへ