トップリーグ2017−18展望。注目はワールドカップ優勝実績あるジェイク・ホワイト氏を招聘したトヨタ。外国人監督はトップチームに対し風穴をあけられるか。選手ではマット・ギタウ(サントリー)復帰のゴロー、今年も話題が多いシーズンに。 | ラグビージャパン365

トップリーグ2017−18展望。注目はワールドカップ優勝実績あるジェイク・ホワイト氏を招聘したトヨタ。外国人監督はトップチームに対し風穴をあけられるか。選手ではマット・ギタウ(サントリー)復帰のゴロー、今年も話題が多いシーズンに。

2017/08/16

文●大西将太郎 構成●大友信彦


将太郎です。TLがいよいよ開幕します。
僕にとっては引退して2年目のシーズンですが、自分も現役で試合に出るかのような緊張、興奮を感じています。やっぱり、夏になると体もアタマも勝手に「もうすぐ開幕だな」というモードに入ってくる。長年体にしみついたルーティンは抜けないですね。まあ、始まってしまえばあっという間に過ぎていくものなんですが。SNSなどで現役選手がいろんな情報を発信しているのを読んでは「いよいよだな」という感覚になります。

2敗したら、タイトル獲得の可能性がなくなる今年のフォーマット。上位に風穴を開けるのはNTTコム、トヨタ、クボタか。

特に今年は、選手たちの集客への危機感を強く感じますね。2019年ワールドカップに向け、ラグビーの認知度を高めていかなければ、お客さんにスタジアムに来てもらわなければという切実な思いが表れている。選手の頑張りには本当に敬意を表します。でも彼らの一番の仕事はグラウンドでのパフォーマンス。来てくれたお客さんが、またラグビーを見に来たいなと思ってくれるような試合を見せて欲しいと思います。本当は、選手がそこまで気を遣わなくていいような運営がされていれば良いのですが……。

さて、今季のトップリーグですが、やはり昨年全勝でチャンピオンになったサントリーと、2年前のチャンピオンであり昨年の日本選手権準優勝のパナソニックがリードしていくリーグになるでしょう。今年は2カンファレンス制、各2位までの計4チームがプレーオフに進むという新しいフォーマットが導入されました。単純に言えば、2敗したらタイトル獲得の可能性がなくなる。1つの敗戦の重みがより増す、負けない試合運びがより重要になるんじゃないかなと思います。

世界で戦ってきた指導者は圧巻の存在感を持つ。左からパナソニックのディーンズ監督。クボタのルディケHC、トヨタ自動車のホワイト監督

世界で戦ってきた指導者は圧巻の存在感を持つ。左からパナソニックのディーンズ監督。クボタのルディケHC、トヨタ自動車のホワイト監督

トップリーグは上位にいつも同じような顔触れが並びます。今年、そこに風穴を開けるとしたら、NTTコム、トヨタ自動車、クボタが有力候補かなと僕は考えています。どこも、海外で実績のある外国人監督が来て、チームの文化を作り上げている。コムのロブ・ペニーHCは4年目、クボタのルディケHCは2年目、そしてトヨタのホワイト監督は新任で、監督としてワールドカップ優勝経験のある指揮官がTLに来るのは初めてです。

中でも注目したいのはトヨタです。もともといい選手がたくさんいるトヨタが、新たな投資をして、ジェイク・ホワイトという世界でも一流の監督を招いて、FLジュアン・スミス、FBジオ・アプロンという南アフリカ代表のビッグネームも獲得。他チームと比べても、補強に一番『本気度』を感じます。

1年目にいきなり結果が出るかどうかはわからないけれど、来年に向けて成長していく期待感を持たせてくれるかどうか。ジェイクさんは、1年目の姫野和樹をチームキャプテンに抜てきする一方で、ベテランの北川俊澄をクラブキャプテンに据えたり、チームの文化を変えていくと同時に、これまでチームを支えてきた選手たちへのリスペクトも忘れない。さすがだな、このチームはこれからいい流れになりそうだなと感じさせます。開幕戦のヤマハ戦は本当に楽しみだし、その結果がどうなるにせよ、非常に楽しみなチームです。

プレミアムコラム

この記事の続きを読む。

購読手続をすると全ての内容をお楽しみいただけます。
メールアドレス
パスワード

記事検索

バックナンバー

メールアドレス
パスワード
ページのトップへ