1月19日、東京サントリーサンゴリアスは今シーズン初勝利をかけて、三重ホンダヒートと対戦した。
SO高本幹也のPGで先制するも、ヒートNO8タンギバにトライを決められ逆転を許す。バイウィーク前の一戦ということでこの日のサンゴリアスは泥臭く貪欲なラグビーで次第にペースを掴み始める。前半18分、WTBチェスリン・コルビがトライを決めると直後の25分、NO8ショーン・マクマーンのトライで逆転。18‐7とリードして前半を折り返した。
今シーズン好調のヒートもこのままでは終わらなかった。後半3分、サンゴリアスFLジェフリーズにイエローカードが出されると、ヒートの攻勢を受けてWTB植村陽彦のトライで12‐18と追い上げを開始。
それでも、後半17分、敵陣でペナルティキックを獲得するとこの日ゲームキャプテンを務めていたSH流大はショットを選択。高本幹也が決めて21‐12としてスコアとしてプレッシャーをかけた。
後半20分、サンゴリアスはHO堀越康介がイエローカードで一人少ない状況になると、ヒートNO8タンギバにこの日2本目のトライを許し2点差に迫られた。
後半31分、サンゴリアスは再び敵陣でペナルティを獲得。流ゲームキャプテンは再びショットをっ選択。5点差として終盤を迎える。1トライで逆転が可能なヒートはアタックを仕掛けるもサンゴリアスの前に出るディフェンスに中々前進できない。
試合終了間際、サンゴリアスのプレッシャーにあって自陣ゴール前でボールを失うと、ホーンがなったがサンゴリアスが攻撃を継続。最後はSO高本幹也がドロップゴールを決めて試合終了。
27‐19でサンゴリアスが今シーズン初勝利を収め、1層2敗2分、勝点9で10位。敗れたヒートは終了直前で得点差が8点となり、目の前にあったボーナスポイントがなくなり、今節勝点を獲得することができず、2勝3敗、勝点9、7位で序盤の5戦を終えた。
初勝利を収めた、小野晃征HC、後半3点を刻んで結果として勝利を引き寄せた流大ゲームキャプテンの会見コメントを紹介する。
東京サントリーサンゴリアス 小野晃征HC
チームとしては今シーズンまだ勝っていないので、1点差でも勝ち切るために1週間準備して、選手たちが最後まで我慢強く、結果を残してくれたかなと思います。これをしっかり糧にして次に向けて準備したい。
――後半PGを刻んだ判断については
コーチボックスからは普通に判断に迷ったときは決めているんですけど、グラウンドレベルでリーダーシップグループを信じていました。あとは。ホンダのここまでの試合を見てみると同じように3点を刻んできて最後逆転というような試合展開が多かったので、スコアボードのプレッシャーがかかると思いますし、すごく正しい判断だったと思います。
東京サントリーサンゴリアス 流大ゲームキャプテン
本日はありがとうございます。鈴鹿の雰囲気も素晴らしく、ホンダヒートの方々にも感謝しています。ファンの皆さんの雰囲気もすごく良くてその中でラグビーができたこと感謝しています。結果に関しては僕らは泥臭く、どんな勝ち方でもいいから勝ち切ろうという話を試合前にして、それが体現できたと思います。
ゲームのターニングポイントも色々ありましたけど、修正ポイントもたくさんあったので、内容はもっと詰めないといけないですけど、今このリーグで勝つということがどれだけ大変化ということは自分たちが一番わかっているので、その勝利を取れて嬉しく思います。
――勝利のために残りの1%にこだわると言われていましたが今日の試合ではどういう部分が勝利につながった?
例えばルーズボールに飛び込めるかどうかとか、ラインブレイクされた時に仲間のために戻れるかどうか、そういうところだと思っているんで。今日イエローカードが2枚出てしまったときのFWのアティチュードも素晴らしかったですし、仲間のために、チームのためにボールをもっていないところで動けるかどうかというところが、今日は良かった部分がたくさんありました。
ただ、目標は優勝ですので、今のレベルで優勝できるかといったらそうじゃないんで、また一つ一つ課題をクリアしないといけないでしょうし、次のバイウィーク明けのブルーレヴズ戦に向けて準備していかないといけない。
――「リーグワンで勝つことが難しい」昨年と比べると今年はどう感じるか
何ていうんですかね。本当に全チーム強い。まずそれに限ると思います。フィジカルのレベルも高くなっていますし、良いコーチングスタッフも増えていますし、なかなか表現するのは難しいですけど、他の試合を見てもクロスゲームが多かったり、チャンピオンチームが負けたりとか、そういうシーズンになってきていると思うので、どのチームが優勝するか全く分からないですし、どのチームが次勝つかなんて予想もできないようなリーグになっているのは日本ラグビーにとってはいいとは思います。
サントリーとしては、やっとできた1勝なんで、これでちょっと勢いづけて次につなげたいと思っています。
――そのリーグで勝ち抜くためには?
先程も言いましたけど「1%のところにこだわる」ことだと思います。旗から見れば、サントリーにはチェスリン・コルビがいたり、松島幸太朗がいたり、スター選手が多いように思われるかもしれませんが、やっぱり泥臭いラグビーでしっかりボールを繋ぐ。みんなで走るラグビーが自分たちのアイデンティティであり、DNAでもあるんで、そこにこだわりを持ってできるかだと思います。
――後半、人数少ない時に3点をとって5点リードで自陣に戻るというのも、非常に判断迷うところだったんじゃないかとおもりましたがその判断については
グラウンドレベルだと、風もまあまあ風上で、自陣からキックオフレシーブで脱出するところもうまくいっていたんで、FWとか何人からはタッチ行こうというコールも合ったんですけど、僕の経験と試合の流れを見て僕の中では確実に3点かなと。
前回もその前も同点でしたし、本当1点が勝負を分けると今日は思っていましたので、5点にすることで相手はリスクを取ってトライを当然取りにいかないといけないことになるので、5点差にして相手が絶対にトライを取りに来ないといけないということの方が、相手ににはマインド的なプレッシャーがすごくかかるんでそういうことを考えていました。
東京サントリーサンゴリアス FL下川甲嗣
――後半ホーンが鳴ったあともアタックを仕掛けたのは?
最後リードはしていたので、そのままフィニッシュするために敵陣でもディシプリン高くディフェンスがし続けられたら、相手のミスを誘うことができるという自信がみんなにはありました。そこでボールを取り返せましたね。ドロップゴールは(高本)幹也の判断だと思うんですけど、敵陣深くに入れたのでみんな最後もアタックするマインドが残っていた要因だと思います。
――後半PGを刻んだ判断の理由を流ゲームキャプテンは会見で話していました。FWとしてはあの場面はどう考えていた?
とにかく1点でも多くとって最後にスコアで勝つというところが本当に大事だと思うんですけど、もちろんタッチに出して、5点、7点取れたらいいんですけど、確実に3点積み上げていくというところも、最後80分見た時に、その選択が良かったと思いますし、リーダーズがした判断なので結果につながって本当に良かった。
――この1勝は、今までの勝利とはちょっと違いますか?
もちろん勝てなかったんで、本当にバイウィーク入る前のこの1試合で絶対勝って、もう一回全員でいい準備して臨むというのは全員の気持ちだったのでそこが結果に出たと思います。