7月5日(土)、ラグビー日本代表(世界ランキング13位)は、福岡・ミクニワールドスタジアム北九州で「リポビタンDチャレンジカップ2025」ウェールズ代表(同12位)戦を迎える。
試合まで2日となった7月3日(木)、ラグビー日本代表は試合登録メンバー23名が発表された。ゲーム主将はFLリーチが務め、FWはHO原田、NO8コーネルセンらが先発し、BKはSH藤原、SO李のハーフ団らが名を連ねた。なお先発のPR紙森、WTB石田、控えのHO江良、PR木村、LOララトゥブァ、SH北村、SO中楠、WTBヴァイレアは出場すれば初キャップとなる。

小倉駅の様子
「リポビタンDチャレンジカップ2025」ウェールズ代表戦・日本代表登録メンバー
1 紙森 陽太 (クボタスピアーズ船橋・東京ベイ, 0)
2 原田 衛 (―, 10)
3 竹内 柊平 (―, 13)
4 エピネリ・ウルイヴァイティ (三菱重工相模原ダイナボアーズ, 6)
5 ワーナー・ディアンズ (東芝ブレイブルーパス東京, 21)
6 リーチ マイケル ◎ (東芝ブレイブルーパス東京, 87)
7 ジャック・コーネルセン (埼玉パナソニックワイルドナイツ, 20)
8 ファカタヴァ アマト (リコーブラックラムズ東京, 13)
9 藤原 忍 (クボタスピアーズ船橋・東京ベイ, 10)
10 李 承信 (コベルコ神戸スティーラーズ, 18)
11 マロ・ツイタマ (静岡ブルーレヴズ, 7)
12 中野 将伍 (東京サントリーサンゴリアス, 7)
13 ディラン・ライリー (埼玉パナソニックワイルドナイツ, 28)
14 石田 吉平 (横浜キヤノンイーグルス, 0)
15 松永 拓朗 (東芝ブレイブルーパス東京, 4)
16 江良 颯 (クボタスピアーズ船橋・東京ベイ, 0)
17 木村 星南 (東芝ブレイブルーパス東京, 0)
18 為房 慶次朗 (クボタスピアーズ船橋・東京ベイ, 10)
19 ワイサケ・ララトゥブア (コベルコ神戸スティーラーズ, 0)
20 ベン・ガンター (埼玉パナソニックワイルドナイツ, 9)
21 北村 瞬太郎 (静岡ブルーレヴズ, 0)
22 中楠 一期 (リコーブラックラムズ東京, 0)
23 ハラトア・ヴァイレア (クボタスピアーズ船橋・東京ベイ, 0)
エディー・ジョーンズHC

エディー・ジョーンズHC
――メンバー選考について
テストマッチ初戦のメンバー発表、リーチをキャプテンとして発表できて嬉しく思います。リーチは日本で最も経験のある、影響力を持っている選手で、彼がチームに合流して間もないが、早速、チームを一つにまとめてくれている。今回、非常に良い準備ができていて、ファーストキャップ8人います。他の多くの選手が出場不可能ということになり、こういう形になっているが、良い準備もしていたし、練習もしっかりしていたので今回の試合は非常に楽しみです。ウェールズも若手主体でこれから強化していくという日本代表と同じ状況です。北九州は非常に暑い気温になり、両チームにとって難しい試合となるが、それに適応できたほうが勝つと思っています。我々は 宮崎の猛暑の中でトレーニングをしてきたので上手になれると思います
キャプテンFLリーチ マイケル
――キャプテンに任命されました。試合に向けての意気込みは?
キャプテンに指名されて本当に光栄に思います。いつもより責任を感じています。この試合の重要性はわかっていて、日本ラグビー界、チームとして勢いになる試合になると思うので、結果にこだわって準備をしたいと思います。初キャップの選手が多い中で、ものすごく良い準備ができた。残り2日間、リカバリーして、メンタル、感情を高めて、暑い北九州で良い試合ができるようにしたい。

リーチ・マイケル
――ウェールズ代表にはどの部分で優位に立てるか?
リーチ 自信あるところは運動量です。暑さ対策と、あと速さ、テンポは上回れると思います。
――テンポは良い感触はあるか?
リーチ あると思っています。マオリ戦で学ぶことがあって、チームとして試合を観戦して、もっとより良く前に進めるかというミーティングをした。今週、どうやって前に出るか意識したので、すごくバランスの良いラグビーができると思います。
――ディフェンスの部分、どんなところを意識しているか?
リーチ 今週、間違いなくキーとなるのはディフェンス。今週(ディフェンスの)役割、明確さが高まってきたので、タックル、ラインスピードがキーになる。(この試合で)日本代表のディフェンスのアイデンティティを示したい。ディフェンスが良かったらアタックにつながる。見に来てくれるファンにしっかり注目してほしいなと思います。
――ノンキャップの選手が先発に2人、控えに6人入りました。彼らに期待するところは?
ジョーンズHC PR紙森はスピアーズで非常に良いパフォーマンスをして強いシーズンを終えたと思います。スクラムで優勢の立場に立っていて、強化したのは南アフリカ代表HOマークスとプレーしたからだと思います。スクラムのところで感心していて、彼のアタック、ディフェンスのワークレイト上げる決意も感銘を受けています。テストマッチにも適応して戦ってくれると思っています。
WTB石田は他と違った選手で、日本ラグビー版のコルビです。コルビと同じくらいの大きさの選手で、素晴らしいフットワーク、空中戦も強く、トレーニングでも感心する場面があり選ばないわけにはいかなかった。
そして控えの選手は現状、ベストなフィニッシャーを選んだと思います。経験値ないかもしれないが、逆にそこが有利になると思います。彼らが試合に出て、エナジー、決意を持って舵取りをしてほしいと思います。
――冒頭でケガの影響でプレーさせられない選手がいたと話をしたが……。またフランス帰りのSH齋藤直人がメンバー外となった理由は?
ジョーンズHC 約15名、今回出場不可能だったが、我々のアプローチとしては、その次に誰が来るということで、仕事はしっかりしてくれるということで、日本ラグビー全体の選手層を厚くできている。昨シーズンより層の厚みを持っている。
直人は火曜日に合流して、彼の所属しているクラブチームからは1戦から出場しないと合意しているので、次の試合から出場可能です。昨日から練習していて、今日も9番とキックの練習していて、彼のような経験豊富な9番が入って来るのは我々にとってボーナスです。
――バイスキャプテンは誰?
ジョーンズHC 我々にはリーダーシップグループがあって、リーチと働いてくれている。4~5人のメンバーがいて、非常な大事な役割を担っていて、協同して作業していて、彼らと意見交換しながら、どうやったら一番良いトレーニングができるのか、良い試合ができるのかをコラボレーションしている。2015年以来、ここまで一体となって作り上げているのにはすごく感心している。そのメンバーたちがリーチの補佐として非常によい仕事をしてくれている。

中野将伍
――北九州市に縁があるPR竹内、CTB中野への評価、期待を教えてください。
ジョーンズHC 北九州はこの2人を非常に誇らしく思うでしょう。TK(竹内)は強豪という大学から出ていないので、自分で開拓して入り込まないといけなかった。今シーズン、浦安でゲームタイムはあまりなかったが、マオリ戦で素晴らしい試合を見せてくれた。3番の責任でスクラムを安定させないといけない。そしてグラウンドワークですね。すごくエナジーを持ってプレーしてくれる選手です。
中野は2023年以降、2年間、ケガで苦しめられたが そこから復活して、ストレングスも取り戻して、アジリティーも強化してきたので、ボールを持ったときのランニングスキルを発揮してほしい。

――北九州とウェールズ代表との関係性があり、いつもと違う試合になりそうだが……。また暑さ対策は?
ジョーンズHC ウェールズが北九州で応援されているのは、あまり興味はなくて、ジャパンフォーカスでやっています。与えられた20日で、どうやってチャンスを仕留めるかをやってきた。ウェールズの国歌を歌っても、それが逆にジャパンの選手のプライドに火を付けると思っています。コンディションは宮崎で毎日32度の中でやって、必然的にボールが石けんのように滑ったし、あえてグラウンドをぬらしてきつい環境でやっていたので、これ以上きつい環境はないと思っていますし、我々は準備万端だと思います

李承信
――SH藤原、SO李のハーフ団への評価と期待は?
ジョーンズHC 藤原は明らかに見ていて一番の9番だと思います。(リーグワンの)ベスト15に選ばれなかったのはなぜかと疑問に思うくらいです。昨季よりも成熟していますし、チャンスに気づく力もあり、コミュニケーション能力も上がっている。ここからさらに成長を遂げると思います。昨シーズン、日本代表の指揮官に就任してから、日本で一番の10番だと思っています。ラインに仕掛けるアタック力、パス力、キック力も持っています。経験値だけが足らないところですが、クラブでは我々のコントロール外です。日本代表として過去最強の10番になれると思っています。

――就任してから2年目の初のテストマッチです。内容よりも結果が求められる試合になります。
ジョーンズHC もちろん結果を出すことが一番大事だと思っています。ラグビーは2つの事実があり、15対15でプレーして、勝つためには1点でも上回ることです。結果を出すことはもちろん大事ですし、しっかり準備していますし、対戦相手も同じ状況なのでしっかり挑みたいと思います。
――ここまでウェールズ代表が苦戦しています。驚きは?
ジョーンズHC ラグビーの現状はこんな風になってしまう。しっかりとした世代交代、育成をしないとこうなってしまうということが露呈したと思います。2023年、両国は、非常年齢層が高いチームで、育成がないとチームを再構築して、強化するのは難しくなってしまう。ウェールズ代表はシックスネーションズという容赦ない大会で、苦戦していましたが、どう見ても、両国の協会にとって非常に良い学びになったはずです。国代表をどうマネジメントするかという教訓を得たと思います。日本も同じような状況下にあり、両チームが戦うことは非常に興味深いです。
そしてラグビー協会はどういうふうに育成するかという戦術を持たないといけない。
スカーレッツを訪れたとき有望な若手がいた。この状況を打開できれば 今後、成長する兆しが見えると思います。