5日、福岡・ミクニワールドスタジアム北九州では「リポビタンDチャレンジカップ2025」日本代表 vs ウェールズ代表の一戦が行われ、24‐19で日本代表が勝利。日本代表が世界ランキング上位のチームに勝利したのは、2019年ワールドカップのスコットランド戦以来、6年ぶりとなる。ウェールズ代表には2013年の秩父宮での勝利以来、12年ぶり。第2期エディージャパンとしては初の勝利となった。
2025/07/05
文●編集部
日本代表 エディー・ジョーンズHC

エディー・ジョーンズHC
――試合を振り返って
ジョーンズHC 若手で構成されたチームにとって、この勝利は非常に良い勝利だった。前半はテリトリー、ポゼッションで負けていて、緊張もあった。ボールを簡単に渡してしまうシーンもあった。ハーフタイム、負けていた状況だったが、選手たちの目を見たとき、後半何すべきか、どう戦うか確信していると、目の中に光を感じたのでいける!と思った。

12点ビハインドで迎えた後半、エディージャパンは「後半勝負」をかけていた
そしてリーチマイケルがキャプテンシーを持ってしっかりリードして、40分間タフな試合を繰り広げてくれた結果だと思います。ディフェンスで崩し翻弄し、スピードを持ったプレーをして、セットプレーも安定していました。1,2,3番が80分出た試合は、久々に見た。このコンディションで良くやった。

藤原忍
ウェールズは、北半球の天候から、このようなきつい猛暑の中で、かなりタフな試合になったと思うが、ウェールズはラグビー強豪国で、なかなか勝てない手強い相手だからこそ、今日の勝利は非常に嬉しい、今夜は喜んで勝利を味わいたい。また楽しんだ、喜んだ後は、次の神戸での試合が控えているので、さらに良い試合できるように調整していきたい。

日本代表 リーチ・マイケルキャプテン

リーチ・マイケルキャプテン
満員の北九州のスタジアムのファンの前で、勝利した日本代表を見せることができて嬉しく思います。全国から多くのファンが、自分たちの試合を期待して、それに応えることができて本当に嬉しい。今日の試合はプランがあったが、プラン通り上手くいかなくて、1週間、暑さ対策だったり、リーダーたちがどう勝つか、細かいミーティングをしてきた。

ワーナー・ディアンズがリーチ・マイケルを起こして

ワーナー・ディアンズとリーチ・マイケルがhハグ
チームにとってはこの勝利は非常に大きい。試合に出た、出てない選手もいるが、チームにとっては勢いが出た。試合前から、この試合の大事さをわかっていて、ここから勢いつけて神戸での試合も良い準備して、さらに良いラグビーをしたい。

――前半イージーに取られた方もあったが、前半の途中からディフェンスが良かった
リーチ ペナルティートライと、ラインアウトから一発で取られたりしたけど、そんなに焦ってなかった。僕らは80分で勝とうと、ディフェンスを大事していた。アイデンティティーを見せようとそれを意識してきたが、それが少し出たかな。来週も前に出てプレッシャーをかけていきたい。

――セットプレーが良かった要因と、1~3番を80分出した判断の理由は?
ジョーンズHC セットプレーは非常に良い準備ができた結果だと思います。伊藤鐘史がラインアウトコーチで入ってきて良い仕事をしていますし、オーウェンが良いメンターとなって働いてくれています。

ジャパンの低いスクラムが突き刺さった
原田(衛)、竹内(柊平)、は昨季が初めてで2年目ですが、今年になって成熟した。紙森(陽太)は驚くくらい良いパフォーマンスをして、素晴らしい選手で力強い選手です。
とにもかくにも良い準備ができたからだと思います。

左から竹内柊平、原田衛、紙森陽太。フル出場だ
1~3番をなぜ使い続けたかというと、ドミネートしていたからです。(相手に対して)ドミネートしていた選手を替えるわけないじゃないですか!
――初キャップの選手の評価は
ジョーンズHC (石田)吉平には感心しています。水曜日、金曜日にトレーニングに入れなかったが今日の9時にフィットネステストをして、出られるようになった。そういう状況にもかかわらず、非常に良いプレーをした。

石田吉平
前半、アダムスにプレッシャーかけられて苦戦したが、後半、ボールを触る機会があって、大事な場面で、空中戦でドミネートしてくれた。

後半、足がとまった相手に対して空中戦でドミネイトする石田
(中楠)一期は、デビュー戦でシンビンになったのは、本人にとって良いデビューではないと思います。シンビンでサイドに座っていたときは、これでキャリアが終わったとか、いろんなことが頭を過ぎっていたと思いますが、後半、自分から積極的にボールに働きかけてハードなランをして良かった。紙森もファーストテストで80分出るのは、なかなかのものだと思います。

中楠一期
――試合中にスクラムをどう修正した
リーチ スクラムに関しては、相手がステップアウトしているように見えて、見てほしいと話をして、後半見てくれて、なんとかマイボールにしてくれて良かった。全体的に感触は悪くなかった。(ファカタヴァ・)アマトのトライはトライかなと思います(笑)。試合終わってレビューして、自分がもっと成長できる点を探そうかなと思います。

スクラム
――ハーフ団の評価は
ジョーンズHC 前半、緊張していたようで、あまり連携とれていないのかな。後半になると抜群のパフォーマンスを見せてくれたと思います。藤原は高いワークレイトを見せてくれましたし、李 はしっかり相手のラインに仕掛けてプレッシャーをかけていた。ゴールキックも抜群でしたね。

SO李承信
――7-19で踏ん張っていたとき、どういう声かけをした?
リーチ 9番を下げてカバーしてもらう話をして、とにかく敵陣にいこうとした。一人いなかったがボールを前に出すことを意識した。15番がいなかったがそんなに焦ることなかった。
――アタックは前半は上手くいかなかったが、最後の20分は機能したが……
プラン通りだった。後半に勝負かけるという話をしていた。あまりボールを持ちすぎることをやりたくない。前に出た状態で蹴るという話をしていた。ターンオーバーされた数が多かったのは問題だが、後半、アタックを修正できて良かった。アタックするバランス、キックするバランスが大事で、それをマオリ戦から学んだ。

ジャック・コーネルセン