ラグビーリーグワンの初代王座をかけたプレーオフ決勝は29日、国立競技場で行われる。
トップリーグ最後の王者となった昨季からの「連覇」を目指す埼玉パナソニックワイルドナイツと、決勝で敗れた昨季への雪辱を期す東京サントリーサンゴリアスの戦いだ。両チームはキックオフ48時間前となる27日午後に決勝の登録メンバー23人を発表。前日の28日には14時半から別々に国立競技場の下見を行い、16時からは両キャプテンと監督・ヘッドコーチが決勝前日会見に臨んだ。
「連覇」を目指すワイルドナイツは、スピアーズに完勝した準決勝から先発メンバー4人を変更した。右PR平野翔平に代えて藤井大喜、LOヒーナンに代わって準決勝ではNO8だったコーネルセンが入り、NO8には布巻峻介。さらにコンディション不十分で準決勝を欠場したLOジョージ・クルーズとSH内田啓介が満を持して先発に復帰だ。
やはり注目は今季初先発の2人だ。東福岡から早大2年まではCTBで、早大3年以降はFLで、日本代表やサンウルブズでも活躍してきたが、NO8での先発はラグビーキャリアで初めて。そして藤井はワイルドナイツ入団3年目での初先発が決勝というビッグゲームになった。
この用兵は、準決勝で17番(リザーブの左PR)クレイグ・ミラーが負傷したことを受けてのものだ。準決勝までは右PRで先発していた左右両刀遣いの平野を左PRのリザーブ要員に置き、右PRの先発に24歳の新鋭・藤井を抜擢。ワイルドナイツの看板とも言える後半投入されるFW第1列インパクトトリオを「平野翔平・堀江翔太・ヴァルアサエリ愛」の3人で組むことにしたのだ。従来のラグビーでは主力にケガが出たらリザーブから繰り上がることが多かったが、さすが、後半に無類の勝負強さを誇るパナソニックのロビー・ディーンズ監督の判断は奥が深い。