ワイルドナイツ・PR稲垣啓太「やるべきことを選手としてやるだけ」―チームの規律は2つの不戦敗によって改善された | ラグビージャパン365

ワイルドナイツ・PR稲垣啓太「やるべきことを選手としてやるだけ」―チームの規律は2つの不戦敗によって改善された

2022/05/26

文●編集部


ファイナル進出を果たしたワイルドナイツ。2つの不戦敗から14連勝でトップリーグ最後の王者に続き、リーグワン初代王者のタイトル獲得まであと1勝と迫った。PR稲垣啓太がオンライン取材に応じた。準決勝にあたって「僕自身、特にかわらなかった。チームとしてやるべきことは決まっていたので選手はやるだけだった」と話した。


序盤はラグビー以外の部分で難しい部分がありましたけど、それはシーズンを通してコロナっていう問題をずっとこう抱えた状態で、どのチームもここまでやってきたと思うんです。ラグビー以外にちょっと気を取られるのはあんまり面白くはないですけど、そんな中でも最終的には負けなしでこられたのはラグビーにおける心がけもそうですし、感染予防対策についての心掛けもレベルが高かったのかなと思いますね。

結果として次に決勝を控えているわけですけれども、まあ何か特別なことをやろうっていう気持ちはなく、自分たちが積み上げてきたものを準備してきたものを100%発揮できれば、しっかりと結果がついてくる。自分たちの力を信じているので、まずは自分のやるべきことをしっかりやりたいですね。

――準決勝、準備としてメンタル的にもリーグ戦と変わったことがあったのか?


特に、変わらなかったんですよ。僕個人は、ですけど。チーム全員がどういう気持ちだったか僕にはわからないですけど、チームとしてやるべきことっていうのは決まっていたので、選手はそれにともなってやるだけでしたよね。

少し難しかった部分があるとすれば2試合連続で同じチームと試合をするということ。第1試合もおそらく心理的な駆け引き等もあったでしょうし、2試合目、また同じ相手と試合する、しかも。準決勝で。お互いにやりづらさはあったんじゃないですかね。、僕は別にそんなことは思わなかったですけど、そういった意味では選手全員、自分たちのやるべきことをやろうっていう部分はできてたんじゃないですかね


――スピアーズ戦、ラインアウトのディフェンス、モールのディフェンスが良かった


ラインアウトモールのディフェンスとラインアウトのディフェンスっていうのは僕たちにとって一つ大きなチャレンジでしたね。すごく課題に挙げていた部分でもあったんです。リーグ戦の最終戦で、特に5人のラインアウトモールに対して非常に苦しめられました。そのディフェンスをどうしていくかっていう部分はFWとして取り組んだ大きな要因だった。


まずはモールを組ませる前にしっかりと空中でコンテストする。クリーンな形でキャッチさせなければモールもうまく組めない。まずそこが第一のチャレンジですよね。
もし(ラインアウトのボールをクリーン)キャッチされてしまった場合、じゃあFWはどうすればいいのか?

簡単に言えば止めるだけなんですけど、その止め方ですよね。準決勝も結果として、モールディフェンスの最中に多くのペナルティーを犯してしまったので、そこは引き続き修正が必要だと思うんですけれども、まあそこでスコアさせなかったっていう点では評価できるんじゃないですかね。良かった反面、悪かった面は修正していきたい。

――レギュラーシーズンから15連勝。稲垣選手が、個人、チームでターニングポイントだった点は?


個人のターニングポイントって?、どこから僕が切り替わったとか、そういうのはないんですよ。別にこの試合をきっかけに自分がこうしようってなったとか、そんなことあまり思ったことがない。一貫して僕は同じことを変わらずにやり続けるっていうスタンスなので。変わらないものもありますし。その都度、対戦相手に合わせて変え続けないといけない部分っていうのもあると思うんですよ。

対戦相手に合わせるというのは僕はあまり、正直好きじゃないんです。その対戦相手ありきの話になってしまうので、大事なのは自分たちが何をやらなきゃいけないかであって、自分が何をやらなきゃいけないのかであって、そんな中で対応策、相手が何をしてくるかという予測をして、自分たちがそれに対して準備をする、それが僕の言う相手に合わせるっていうことだと思うので、相手のペースに合わせるっていうことはまた違いますよね。

まあそこは僕が一貫してこうやり続けていることなので、逆に言うと僕のターニングポイントというのは今シーズンなかったと思います。

チームでのターニングポイントは、個人的に思うのはラグビー以外の部分ですね。まあ、コロナに対する予防対策ですごく、一つ、ターニングポイントになった瞬間がありました。開幕戦から2試合できなかった。チームにとって本当に、大きな痛手だった。いわゆる一番低いところからチームはスタートしたわけですね。勝点0のまま最下位のままスタートしてしまった。そこからやっぱりチームが改めてコロナ予防対策をさらに意識しなくてはいけない部分でした。

で、なおかつそのビハインドな状況から、どうやって自分たちはプレーオフの切符を勝ち取るのか、まあそういったところも逆算してやっていった。チームの規律、メンタル、意識も変わりましたし。選手一人一人の意識っていうのもその2試合で、大きく変わったと思います。良くも悪くも。


チームとして最初の結果は良くなかったですけど。今リーグ戦を終えて準決勝を終えてチームの規律がその2試合の不戦敗のおかげで良くなったっていう印象があります。まあ、良くも悪くもですけど。

――最初の2試合が不戦敗になった時の心境は?


チームの活動がストップしてしまったので、どうしようもない心境ですよね。別に何か自分がしようとしてもチームとして活動することができないので、何もすることができないというもどかしさはもちろんありました。ただ、それで今シーズンを終えるわけではないので、活動停止期間が明けた後に自分は何をしないといけないのか。最初の質問に戻るわけですけど、すぐ準備をこう切り替えてマインドチェンジできたっていうのは僕にとっては良かった。

意識をより強く持ったっていうよりか、コロナをこう身近に感じられたというか、コロナに対して面識がないと言ったら変ですけど、あんまりこう実感がなかったんですよね。自分たちに身近にこうコロナが迫っているっていう。症状が出てた人も最初はいませんでしたし、みんな普通に練習をやっていましたし。ただ、気づいてみたときにはもう遅し、という感じだったので、自分の身近でも本当にやっぱりこういうことがあり得るんだと全員実感した瞬間だったと思います。実感したからこそ、このままでは、今までの準備ではダメなんだ。ただ、ラグビーをやっているだけで、今シーズンは戦い抜くことができないんだなあっていう実感をしました。

――決勝で対戦するサンゴリアスの印象は?


サントリーさんの印象を誰に聞いてもこういう答えが返ってくると思うんですけど。まあ、アタックのチームですよね。アグレッシブにいいアタックしてくるチームで、勢いを作り出してくるチームで、その勢いを使って、さらに勢いを作って最後に仕留める、仕留めきるチームですよね。それは仕留め切れる力を持っているチームだと思います。


――パナソニックはディフェンスのチームであると思います。何に気をつけている?


反則ですよね。準決勝は僕ら15回の反則があったんですけど、まあ多すぎですよね。よく15回の反則で、あの点差だったなあっていうのは試合を終えてみて思いましたけど。なぜじゃあこういうプレーオフで反則、普通のリーグ戦でも反則はもちろん良くないですけど、プレーオフで反則がどれだけ危険なのかというと1点差でもいいので、勝てばいいんですよ。別にボーナスポイントとかリーグ戦のようにないですし。その一点の重みっていう部分で。反則は非常に、大きな試合の勝敗を分ける要因だと思うんですよ。

反則一つでいいキッカーがいれば50m圏内なら3点を決めることができます。決めることができなくても、敵陣深くに切り込んでラインアウトモールを選択することができます。上位4チームに入ってくるチームは総じてどこもセットプレーのレベルが高いので、どのチームもそこからチャンスと必ず作り出すことができると思っています。

だから反則をいかに減らすかっていうのが、こういうプレーオフ、いわゆるファイナルラグビーにとって一番大事な要素だと思うんです。これはテストマッチもいっしょだと思っています。

レフリーも人それぞれで線引きが違いますから、このラインまでならOKでもこのラインを超えてしまうと反則を吹く。それは人によって違いますよね。いろいろだと思うんですけど。そこに、対してアジャストする必要は必ずある。アジャストしないで、自分たちがこれは違う、これは違う、これは違うって言ったらそのまま試合が終わってしまう。自分たちでどう正当性を示していくかで、なおかつ正当性を示しながらその境目を探っていく。そこが大事だと思います。


――代表戦から、リーグ戦は15試合出続けています。モチベーションは?


確かにみなさんに言われますね。ずっと試合に出続けて、今シーズンだけではなく、今シーズンは10年目ですかね。ほぼ全ての試合に出て、代表活動にも休まず参加させていただいて、なおかつスーパーラグビーもずっと参加させていただいた中で、どういうふうに体をケアしているか? 別に特別なことはしてないんですよ。ただ、自分に今、自分の体にとって必要なことをそのとき選択し続けてきただけ。

だからその選択が間違っていた時もありますし、間違ったからこそ、次にいい選択ができるようになったっていうのもありますし。そういった間違いを経て、最終的に全部正解にしてきた。結果、今こうやってケガなくずっとラグビーをし続けることができている。これからも自分にとって必要な選択をしていきたいですね。

あとはまあモチベーションの部分に関してもよく聞かれるんですけども、あんまりモチベーションって関係ないと思っていて、今、自分がやっているラグビーは、ラグビーで僕はお金をいただいて生活しているわけで、いわゆる仕事。まあ、そこに対して、なんて言うんですかね。別にモチベーションをどうこうっていうのは考えてないんですよ。

だってこうモチベーションがなかったら、ラグビーできないんですか?そんなことないですよね。自分がこうやるべきことをやって、正当な報酬をもらっている。だからモチベーションは関係ないって思っているんです。もちろん、ファンの方々が足を運んでくださって、お金を払ってチケットを買ってくださって来てくれる。なので、そこに対して自分たちは当然責任が伴いますよね。お金をこう払って見に来てくださった方に満足していただけるような試合をしなければいけない。パフォーマンスをしなければいけない。それが選手の仕事だと思うんです。

だから、そこに対して自分のモチベーションもないから、その責任を果たせないって、そんなこと多分通用しないと思うんですよ。それが僕の考えであって、だから毎回毎回、自分のやるべきことをやる。これは自分の仕事なんだから、それに対してちゃんと準備して、そこに対して100%仕事をするっていうのは僕にとっては当然のことであって、あんまりモチベーションとかは、ここ最近考えたことがないですね。

もちろんモチベーションが大事だって思った時期もありましたが、そういう時期はもう終わりましたね。モチベーションがあろうがなかろうが自分は自分のやるべきことをやる。それでファンの方々が、ラグビーをたまたま見てくださった方々が何か感じてもらえたら、選手としてプレーしていて良かったなと思う瞬間ですね。



――今季のワイルドナイツのスクラムに関して


全部言うとあまり面白くなさそうなので、まあ、いくつか。今シーズン、フォーカスしていた部分は、たぶんどのチームもやっていることだと思うんです。そんな特別なことやってないんです。特別なことをやってないからこそ、たぶん言えると思うんですけど、あえて言わないでおきます。終わってから何か機会があったら言わせていただくって感じですかね。

ただ、その特別なことをやらないかわりに、そこのディテールっていうのは、突き詰めてきた自信があります。そのディテールだけで、今までの準決勝までの試合全部スクラムを組んできましたね。プレッシャーをかけた試合ももちろん多くありました。プレッシャーを受ける部分もいくつかあったんですけど、その場面っていうのは、ディテールが失われた瞬間です。

だからこそ、問題が起きたときにすぐ、自分たちのやらないといけないことにすぐたち戻れる。まあ、そういったスクラムのシステムを木川さんと構築してきました。なので次のサントリーさんとの試合に、別に特別なスクラムを組もうとは思ってないです。80分間かけて、最終的にスクラムでプレッシャーをかけられたかどうか。それが試合に反映されたかどうか。自分たちのディテールが正しく保たれながら80分間、攻めのマインドでスクラムを組むことができればしっかりと結果がついてくる。まあ、そういった自信はみんな持っています。

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