「僕にとって三木は最高のキャプテンです」京都産業大学が初の関西リーグ戦三連覇を果たした。決勝ゴールをきめる大役を果たしたFB辻野隼大は試合後にそう話した。辻野と三木は学年こそ1学年違うが、関係性は「同輩」。辻野いわく「特別な存在」なのだ。
決勝のゴールの前に三木から送られたメッセージで腹は決まった
後半ロスタイム、全員がボールを繋いで川口新太がトライを決め1点差。辻野のゴールで勝敗を決する状況だった。
「緊張はしました。はじめ得点がわかっていなかったんです。(トライが)決まって『勝った!』と思ったんですけど、振り返ったら1点差だと思ってこれはやばいとなったんですけど、すごい練習の数は蹴ってきたんでそこを信じて蹴りました」
練習もさることながら、辻野を落ち着かせる三木主将からの言葉が蹴る前に送られた。
「これはお前だけのキックじゃないし、結果がどうなろうと俺が全部責任持つから思い切って蹴れ!」
信頼する三木の言葉に心が座った。他のメンバーも辻野を信じてキックを見守った。
このキックの前にも後半36分、9点差をつけられた場面で京産大はハーフウェイ付近でペナルティーを獲得し三木はショットを選択する。
「辻野は何本か外していましたが、僕はしょっちゅう彼が練習しているのを見ていましたし、彼と一緒に心中しようと思っていました」(三木)
「あの時はもう点差的にトライだけじゃ勝てないんで、僕はいつでも蹴れる準備をしているから、というのをずっと伝えていたんです。ハーフウェイでペナルティーだったときに、すぐに三木が『いけるか?』と聞いてきたので、『任せてくれ』という会話をしました。」(辻野)
結果的にこのロングPGも決勝ゴールも決め京産大が勝利を収めた。
「みんなの思いを背負って蹴っただけなんで、結果的に僕が決めたんですけど本当に蹴る前にみんなが力を加えてくれ、決めれてよかったです」(辻野)
見事に大役を果たした辻野だったが、今シーズン調子が悪かった。キックもSH土永旭が蹴ることが多かった。