17日、秩父宮ラグビー場では関東大学ラグビー対抗戦、明治大学と帝京大学の一戦が行われた。ここまで全勝の明治に対して、前週の早稲田戦で完敗を喫した帝京。どんな戦いが繰り広げられるか注目された。
2024/11/18
文●編集部
前半6分に帝京はWTB生田弦己のトライで先制すると、強力FWが炸裂。14分にLOダウナカマカマ、23分に青木恵斗の連続トライで21-0とリード。追いかける明治は31分に帝京ディフェンスを崩してWTB白井瑛人がトライを決めるも、帝京の勢いは変わらず35分に帝京は怪我から復帰したFB小村真也のカウンターアタックから一気にゲインしCTB上田倭士がトライ。さらに前半終了間際に、明治がハイパント処理をミス。帝京FB小村がボールをキープすると、青木がコールしてボールを要求。戻りきれない明治のディフェンスを破りトライ。前半だけで5トライをあげた帝京が33-7と大きくリードして前半を折り返した。
後半も4分にダウナカマカマがトライを決めて40-7とワンサイドの展開かと思われた。しかし明治は8分、敵陣15m付近でボールを持ったWTB白井瑛人が5人のディフェンダーをものともせずトライ。それでも14分、帝京は敵陣22m手前からタップでボールを展開。青木が突破すると小村にラストパス。小村がトライ。再びリードを広げる。
明治は19分、敵陣ゴール前のモールからBKへ展開。FB金昂平がトライを決めて45-21とする。帝京はSO本橋尭也がPGで突き放すも後半ロスタイムに明治はモールを押し込みHO金勇哲がトライを決めてノーサイド。48-28で帝京が快勝。後半だけでは21-15と巻き返した明治だったが、前半の失点が大きく響いた。
勝利した帝京は勝ち点31。最終節は筑波大学との対戦。最大で勝ち点37まで伸ばせる。敗れた明治は最終節で早稲田との対戦。同じく37まで勝ち点を伸ばすことができるが当該対決で敗れているため帝京が1位となる。ここまで全勝の早稲田の勝ち点は30。慶應、明治との2試合を残している。2勝すれば1位。1勝1敗の場合、結果次第で勝ち点37。明治に早稲田が勝利すれば、当該対決で早稲田が帝京にも勝利していることで早稲田が1位となる。
大学選手権での日本一を目指すにはシード権を獲得できる、1位、2位となることが大きく関わってくる。最終節まで3校の戦いから目が離せない。
GALLARY
明治大学 神鳥裕之監督
多くのお客様の前で戦えたことに感謝したい。ゲームについては帝京大学さんんお気迫と勢いにやられたというところで、今日は帝京大学の方が上回ったのかなという感想です。我々も後半しっかり戦って、イーブン以上にいけたということもあるので、まだ終わったわけじゃありませんし、次にむけてしっかり立て直していきたい。このチームは一戦ごとに成長していくチームだと思っていますので、今日の敗戦を糧にもっと成長していきたいと思っています。
――帝京大学の強み
接点の部分ですね。FWの激しさであったり、ボールをもっているキャリアへのプレッシャーだったりで自分たちがやろうとしていることも逆に向こう側に先にやられてしまった。
――早明戦について
大勢の方が注目される試合だと思うんですけど、僕達は僕達がやってきたことをしっかり積み上げていく、そういう話をしてきてますので、今日出た反省というものをトレーニングの中で活かしながらやっていきたい。
明治大学 木戸大士郎キャプテン
前半は相手の土壌で戦ってしまって自分たちの強みが出せなかった。後半についても一回一回のプレーが遅いと感じました。自分たちがやるべきラグビーを試合前に出していこうと話をしていたのですが、出せなかったというのは僕としても責任を感じています。チームを一つにまとめられなかった。まだシーズンが終わった訳ではなくて、まだまだ成長できると思っています。
――早明戦について
監督が言われたことと全く同じだと思います。自分たちのやってきたことをしっかりと出すことだと思っています。
帝京大学 相馬朋和監督
ここに向けて2週間、良い準備ができ、成果を出すことができて本当に学生たちが良いゲームをしてくれた。まだまだ試合が続くので、成長が加速するように日々大切に過ごしていきたい。
――2週間前から選手を替えました
選手を固定できずにいますが、それは私が迷走しているだけです。調子の良い選手を青木と相談しながら、お互いに尊重して、いっしょに戦える仲間をグラウンドに出させている。それぞれが良いパフォーマンスを出してくれた。
――この2週間でどんなことに注力して指導していた
負けを引きずらないこと、この試合に目を向けるように、前を向けるように準備してきた。(今シーズン)やってきたことの確認と細かいところの確認をして、自分たちがやるべきことをやるという感じでした
帝京大学 青木恵斗キャプテン
今日の試合は2週間、準備してきたことを出せた結果で、勝利を掴むことができて嬉しいです。
――この2週間、どう準備をしてきたか
(早稲田大戦の)ゲームを見返すと力は持っていたが、個人個人で戦ってしまってチーム力がなかった。ディフェンスのつながりやチーム全体でアタックすることを意識してきた
――試合開始で自陣からすぐに外に振ったが
分析した結果と、自分たちから仕掛けようと共有していたのであのような展開になった。(自陣からの展開は)プランの一つでした。ゲーム前から、ロッカーでも自分たちから攻めるという確認をしていたので、選手全員が集中力を持ってゴール前まで運べた。
――相手の10番をジャッカルしたシーンを振り返って
キャプテンという立場で一番ハードワークしないとチームを引っ張れない。相手を分析した結果、10番が良いランナーだと思っていたので、戻ってジャッカル入れるなと思って入った。
――大敗後の試合でしたが影響は?
僕自身はいつもと変わらず良い緊張感で入れた。前回、あのような結果で、15人が下を向いたり、暗い顔をしてしまって、申し訳ない試合をしてしまった。試合に出ている以上、帝京のプライドもってタフに臨もうとしました
――この2週間、具体的にはどんな準備
ディフェンスのところで、ミスがあったりルーズになっていた。厳しくしないとルーズになってしまうのでチームに声をかけた。チームで戦えば自分たちは力があるので、それを伝え続けた。一人でやろうとするのではなく、横としっかりつながって、話す量を増やすことで何を考えるかわかると思うのでそうしました。
――前回の大敗の影響はなかったのか
前回の試合は負けてしまったが ネガティブではなくて、自分たちの改善点、修正点が明確に見えていたので、そんなに落ち込むこともなく映像を見返して、ここを修正しようというものがあった。僕がぐらつきを見せてしまったらチームが崩れてしまうので、僕自身ブレることなくいつも通りやってきた。
――今後に向けて
質の高い準備を毎回繰り返すこと、細部にこだわること。それ以外にないと思っています
。ミスを修正して、一つ一つレベルアップして、大学選手権決勝で優勝できるように準備したい。