20日、秩父宮ラグビー場では第62回全国大学ラグビー選手権準々決勝、筑波大学対帝京大学の一戦が行われ、36-0で帝京大が対抗戦で敗れた筑波を完封。2026年1月2日に国立競技場で行われる準決勝に駒を進めた。今季対抗戦2位で選手権出場を果たした筑波大は、序盤にチームの支柱であるSH高橋佑大朗を負傷で失い、上回りたかったラインアウトも安定でず流れを戻すことができず、劣勢のまま本来の力を出しきれないまま80分が終わり悔しい敗戦となった。
帝京大学 相馬朋和監督

相馬朋和監督(左)、大町佳生主将(右)
まずは筑波大学に大きな感謝を伝えたいと思います。対抗戦で敗れ、そこから多くを学び、成長して今日いいゲームをしてくれたと思っています。ただ、まだまだ成長できる部分は多く残っていると思います。この大町キャプテンのチームは一戦一戦成長している、成長できるそんなチームだと思っています。残り2試合、大きく成長して素晴らしいラグビーを皆さんにお見せしたいと思います。

――短い一週間の準備でフォーカスしてきたこと
メンタルの部分が一番大きいと思います。負けた相手に対して弱気になるのか、勇気を持って挑めるのか、その分が重要です。特にみんなが不安に思っていたセットプレーの部分に時間を費やしました。まだ難しいところもありますけど、ある程度プレッシャーになるようなことをしていきたい。
帝京大学 大町佳生キャプテン
監督と重なる部分もあるんですけど、対抗戦で負けてそこから自分たちがもう1回鍛え直して、今日リベンジしようという気持ちで試合に臨みました。メンバーだけじゃなくて、メンバー外もこの試合にかける思いが強くて、チーム全員で勝ち取った勝利だと思います。この勝利は日本一になるまでの通過点なので、あと2試合、1日1日の活動を大事にして日本一まで駆け上がっていきたいなと思います。

後半18分からの出場となった大町
――ベンチからの起用について、一週間の取り組みは?
一番軸にあったのはチームが勝つためにどうするかということでした。個人の役割の部分に関しては結果として十分できたと思っています。
筑波大学 嶋崎達也監督
対抗戦での帝京と先週県では違うとこれまでの歴史、スコアを全て見せてこれをしっかり乗り越えるために最善の手段をとろうと、選手たちが取り組んでくれて、正直自信もありましたし、受けるところもありましたが、本当にいくつかのトラブルもありつつ、まあでも、本当に地の力で持っていかれたなという、まだまだ至らなかったなというのが正直な感想ですね。ただ我々のスタートラインから考えると、ここまでしっかりやってきたプロセスが素晴らしかった。チームとしては胸を張って帰りたいと思います。

筑波・嶋崎達也監督
ーーラインアウトで苦しかった
そこが一つの大きな敗因だったと思います。HOの前川が対抗戦の青学戦で肩を痛めてプレーできない状況になっていて、2週間かけて戻していったんですが、そこが予想外に乱れてしまいました。レフェリーのノットストレートの判定も厳しかった部分もあり、4連続失敗となってしまいました。ラインアウトでは十分やれると考えていたのでそこが大きな誤算でしたね。

肩を痛めていたHO前川陽来
ーー得点が取れなかったのは?
今日の試合では前半、ほとんど多分敵陣でボールをほぼ持っていない。戦いの中で自分たちのフィットネス、体力を下げられた中で使わざるを得ない展開となってしまった。その中で跳ね返すほどの地の力は作れていなかった。序盤のラインアウトの問題もあって、自陣に下がった状態で消耗してしまい、足が止まってきてしまった。

茨木海斗

楢本幹志朗
筑波大学 高橋佑大朗キャプテン

高橋佑大朗
帝京戦に向けて2週間しっかり積み上げてきて、チーム内、代表だけじゃなくて、本当に下級生からまだ試合に出れないメンバー含め全員でこの試合に向けて積み上げてきたんですけど、自分自身最後までグラウンドに立つことができずに本当に悔しい思いはあります。
ですけど、僕がいない中でも70分間戦い抜いてくれたチームメイトには本当に感謝しています。これまで去年の結果からここまでやってこれたことは自信をもって自分たちはやってきたと言えるので、悔しい思いはありますが、胸を張って帰りたいと思います。

――力を出しきれなかった要因は?
去年選手権に出れていないというのがあって、この選手権の雰囲気を知っている選手が少なかったというのもあったと思います。その中でやっぱり自分たち自身の今まで対抗戦で出せていた力を思い通り出せずに焦ってしまったのかなと。僕はグラウンドたっていないので、ちょっとあんまりですけど、プレーを見ている限り、結構焦っていたんじゃないかなと思います。それを変えられなかったというのが一番の敗因だったのかなと思います。

――怪我の状態は?
タックルの時に肘を脱臼してしまって、本当は戻りたいという思いがあったんですけど、怪我の状態からも、終わりだろうなという風に感じて、自分自身グラウンドでやれることはもうないなと感じ、外から常に自分たちのスローガンとして掲げている「ROCK YOU」というのがあるのでチームを鼓舞し続けようと思って声をだすことに徹しました。

深田衣咲が高橋の代わりに9番へ



