早稲田が11年ぶりの日本一に―第56回大学選手権決勝マッチレポート | ラグビージャパン365

早稲田が11年ぶりの日本一に―第56回大学選手権決勝マッチレポート

2020/01/12

文●編集部


11日、新しくなった国立競技場で第56回全国大学ラグビー選手権大会決勝、明治大学対早稲田大学の一戦が行われた。前売で完売となったこの試合、実に57,345人の観衆が訪れた。明治大学は勝てば2連覇。早稲田は11季ぶりの優勝となる。

40日前に行われた関東大学対抗戦「早明戦」では明治が36-7で勝利している。試合登録メンバーは、明治、早稲田共に準決勝と変更なし。ベストメンバーの布陣となった。

早稲田大学・SH齋藤直人

早稲田大学・SH齋藤直人

試合を前に両校の校歌が斉唱された。まずは早稲田から。キャプテンの齋藤直人は校歌を歌い終えると感極まった表情を見せた。続いて明治。キャプテンの武井日向は両目をつぶり、右手を胸にあてた。

明治大学・武井日向キャプテン

明治大学・武井日向キャプテン

レフリーは、ワールドカップ2019日本大会でアシスタントレフェリーとして選ばれた久保修平氏が務めた。さらにTMOもトライシーンのみ採用された。

早稲田のキックオフでスタート。ボールを手にしたのは早稲田。早稲田にノックオンのアドバンテージ。CTB中野将伍(4年)からのオフロードパスがCTB長田智希(3年)につながらず早稲田ボールのノックオン。ファーストスクラムは明治が圧倒。何とか早稲田がボールをキープするも、ブレイクダウンでプレッシャーをうけペナルティ。

今度は明治ボールのスクラム。明治は自陣からフェイズを重ねるも、中々ハーフウェイ付近での攻防が続く。CTB森勇登(3年)が裏のスペースにキックするも、ボールがインゴールを割って、明治陣内10m付近での早稲田ボールスクラム。早稲田はボールキープでフェイズを重ねる、明治が自陣22m手前でハイタックルのペナルティ。早稲田はショットを選択。蹴るのはキャプテンの齊藤。準決勝の天理戦でもプレイスキックが好調だった齊藤は緊張するこの場面でも落ち着いて決め早稲田が3-0と先制。

10分、早稲田はハーフウェイ付近のブレイクダウンでプレッシャーをかけると明治がペナルティ。SO岸岡智樹(4年)がPKを蹴り、早稲田は敵陣22m内側のラインアウト。FL相良昌彦(1年)がボールをキャリーしポイントをつくると、右サイドに齊藤が展開。12中野から、大外に残してたNO8丸尾崇真(3年)に繋がれ、丸尾がトライ。10-0とリードが広がった。

 

20分、明治は敵陣10m付近のラインアウトからドライビングモール。22m内側まで前進。8フェイズ目、SH飯沼蓮(2年)からのフラットパスがつながらずルーズボールとなり、早稲田FL幸重天(4年)がキープして明治はチャンスを活かせない。

26分、早稲田は敵陣10m付近のラインアウト。齊藤、岸岡、そしてCTB13長田智希(2年)とわたり、長田がゴール前1対1の場面もステップをきってインゴールへトライ。17-0とリードを広げた。ハドルを組んで明治は立て直しを図った。

 

 

 

連続トライを許した明治。武井キャプテンがメンバーに指示をする。

連続トライを許した明治。武井キャプテンがメンバーに指示をする。

 

NO8丸尾がゴール前までボールを運ぶ

NO8丸尾がゴール前までボールを運ぶ

30分、早稲田は敵陣10m付近からCTB中野がオフロードパスで長田へ、長田もオフロードでNO8丸尾へつなぎ敵陣へ前進。2対1と優位な局面で、丸尾はパスダミーで更に前進。ゴールまで数mの位置までボールをキャリー。たまらず明治がオフサイドのペナルティを犯してしまう。ピッチサイドのスタッフからは「ショット」という指示が出されるも、齊藤キャプテンが選んだのは「トライ」。SO岸岡がタッチに蹴り出しゴール前ラインアウトとなる。

 

森島のトライで3連続。早稲田の勢いが止まらない。

森島のトライで3連続。早稲田の勢いが止まらない。

HO森島大智(4年)がNO8丸尾に合わせモールとする。BKも入って一気に押し込む。森島がグラウディングしトライ。3連続トライ。早稲田の勢いが止まらない。

相良のトライで4連続トライ。早稲田が31-0と大きくリードして前半を終えた。

相良のトライで4連続トライ。早稲田が31-0と大きくリードして前半を終えた。

37分、早稲田SO岸岡が敵陣10m付近で相手ディフェンス2人をひきつけながら絶妙なタイミングで飛ばしパスを決める。パスを受けた長田から大外のWTB古賀由教(3年)が22m内側へキャリー。リズムを落とすことなく、齊藤からパスを受けたFL相良がスペースを抜けてインゴールへトライ。4連続トライで早稲田が31-0と大きくリードして前半を終えた。

 

 

後半、大量得点も気をひきしめるよう務めた早稲田だったが…。

後半、大量得点も気をひきしめるよう務めた早稲田だったが…。

「こういう点差になると必ず気持ちに緩んでしまうのでハーフタイムで締めていこうと話をした」(早稲田・齋藤直人)「自分たちのラグビーをやっていなかったので、ファンダメンタル(根本的な)部分で、やってきたことを出そうと話をした」(明治大学・田中澄憲監督)

後半、明治が怒涛の反撃!

後半2分、WTB山村バイスキャプテンのトライで反撃がはじまる

後半2分、WTB山村バイスキャプテンのトライで反撃がはじまる

明治大学は41分、敵陣22mのラインアウトから順目にボールを展開し、バイスキャプテンのWTB山村和也(4年)が左隅にボールをグラウンディング。際どいタイミングでTMOでの確認が入るもトライが認められ明治が追撃を開始。難しい角度のコンバージョンキックをSO山沢がしっかり決めて7-31とする。

河瀬のトライは、明治・LO箸本がセービングタックルでTMO判定認められず。

河瀬のトライは、明治・LO箸本がセービングタックルでTMO判定認められず。

直後の45分、早稲田は敵陣22mからのラックから、右サイドWTB桑山淳生(4年)がタックルを交わしゴールライン直前でFB河瀬諒介(2年)へパス。明治はLO箸本龍雅(3年)のタックルでグラウンディングできずノートライとなる。

古賀のトライで再びリードを広げた。

古賀のトライで再びリードを広げた。

それでも49分、敵陣ゴール前での攻防、早稲田は19フェイズ。最後はWTB古賀が左サイドに飛び込みトライ。後半の嫌な流れを食い止めた。

明治はCTB森から児玉樹(2年)へ交替。児玉が明治のアタックに再び流れを吹き込む。54分、ハーフウェイでボールをもった児玉は、早稲田CTB中野のタックルをうけながらも足をかいて前進。

後半から出場のCTB児玉。積極的なランで前進。チームに勢いをもたらした。

後半から出場のCTB児玉。積極的なランで前進。チームに勢いをもたらした。

このプレーで勢いがついた明治は、WTB山村が22mまでボールをキャリー。SH飯沼がリズムよく素早く展開。早稲田のディフェンスラインが崩れ、SO山沢のオフロードパスがLO箸本につながり、ゴール中央にトライ。山沢が素早くドロップキックでコンバージョンも成功し、14-38。

山沢が粘ってオフロードパス

山沢が粘ってオフロードパス

 

 

ゴール中央にトライした箸本。天を向いて右手を上げた

ゴール中央にトライした箸本。天を向いて右手を上げた

 

更に61分、明治SO山沢が敵陣22m手前でパスダミーを見せ相手ディフェンスをひきつけ、空いたスペースに切れ込みゴール中央にトライ21-38とする。

やっと明治らしい攻撃が見られた。山沢のランで点差を縮める。

やっと明治らしい攻撃が見られた。山沢のランで点差を縮める。

 

時間を節約するため、ゴール中央に決めたトライではドロップでコンバージョンキックを決めた山沢

時間を節約するため、ゴール中央に決めたトライではドロップでコンバージョンキックを決めた山沢

 

ハドルを組み、何しなければならないか指示をする早稲田・齊藤キャプテン

ハドルを組み、何しなければならないか指示をする早稲田・齊藤キャプテン

明治の勢いは止まらない。66分、明治陣内22m内側での早稲田ボールスクラム。勝負をかける明治FW。明治が押し込み早稲田がペナルティ。吠える明治FW。直後のラインアウトから、ドライビングモールで前進。敵陣22mまであと僅か。

WTB山﨑洋之が1対1の局面で外にステップを切って抜き去るとそのままインゴールへトライ。右隅の難しい角度。山沢が落ち着いてコンバージョンを決めて28-38。10分を残して10点差。全くわからない展開となった。

難しい角度のコンバージョンキックも正確なキックで決める山沢

難しい角度のコンバージョンキックも正確なキックで決める山沢

  

72分、ハーフウェイ付近での早稲田ボールスクラム。NO8丸尾が右からアタック。丸尾からライン際を走ってきたWTB桑山へパス。そのままインゴールへ走り込みトライ。齊藤がコンバージョンを決め45-28とし、勝負を決めた。

石川が斜めに角度をつけて走り、FB桑山へパス。

石川が斜めに角度をつけて走り、FB桑山へパス。

昨年覇者の明治。最後まで諦めない。79分、早稲田陣内10m内側でのラインアウトからWTB23石川貴大(3年)が早稲田ディフェンスのスペースをついてゴール前でFB雲山弘貴(2年)へつなぎトライ。再び明治が35-45とするが…。

桑山が狭いスペース突きトライ!再び10点差とする明治

桑山が狭いスペース突きトライ!再び10点差とする明治

 

1年生からハーフ団を組んだ岸岡(左)と齊藤(右)。最高学年で日本一という新たな歴史を作った。

1年生からハーフ団を組んだ岸岡(左)と齊藤(右)。最高学年で日本一という新たな歴史を作った。

前半の大量失点がすべてだった。早稲田が45-35で明治に勝利し11季ぶりに大学日本一を果たした。

早稲田大学 相良南海夫監督


6万人の大観衆の前で新国立競技場での初のラグビーということで、さらに相手が明治というめぐり合わせ。試合ができたことだけでも幸せなことですが、勝利できました。そして11年ぶりに「荒ぶる」を歌うことができました。本当に良かった。選手の頑張りに感謝しかないです。

早稲田大学 齋藤直人キャプテン


監督同様、6万人近いお客さんの中、ラグビーの試合は初めて国立競技場で試合ができたことを本当に嬉しく思います。前半、あれだけ点をとれて、ハーフタイムを迎えて。あれだけ点差が開くと、絶対に気が緩むと思っていたのでハーフタイムしっかりしめて後半を迎えようとしました。

気を緩めたというわけではないですが、ああやって追い上げられたということはどこか自分たちに緩みがあったということだと思います。そこは反省しなければならない部分ですが、最終的には勝利することができよかったです。


早稲田大学 STATS

1 久保優 80'OUT
2 森島大智 80'OUT 34'TRY
3 小林賢太 73'OUT
4 三浦駿平
5 下川甲嗣
6 相良昌彦 39'TRY
7 幸重天
8 丸尾崇真 12'TRY
9 齋藤直人 9'PG 14'28'35'40'51'75'G
10 岸岡智樹
11 古賀由教 61'OUT 50'TRY
12 中野将伍
13 長田智希 80'OUT 26'TRY
14 桑山淳生 74'TRY
15 河瀬諒介 79'OUT
16 宮武海人 80'IN
17 横山太一 80'IN
18 阿部対我
19 中山匠
20 大崎哲徳 73'IN
21 小西泰聖 80'IN
22 吉村紘 79'IN
23 梅津友喜 61'IN


明治大学 田中澄憲監督


57,000人ですかね、最高の舞台で、決勝で行えたことを幸せに思います。国立競技上で決勝戦を開催するにあたってご尽力してくださったみなさん、早稲田大学さんに感謝したい。ゲームの方は勝ち負けしかないので、負けてしまったが、早稲田大学さんのすべて、アタック、ディフェンスすべてが素晴らしかった。他にない。明治大は意地を見せたと思いますが前半31-0がこの結果につながったのかなと思います。

明治大学 武井日向キャプテン


新国立競技場で決勝できたこと、多くのみなさんの前で試合ができたことは幸せに思います。結果がすべてだと思うので、本当にキャプテンとしてチームを勝たせることができなくて申し訳ないと思います。前半の立ち上がりの失点からズルズル、パニックになってしまって、前半のスコア(0-31)で折り返したことが敗因かなと思います。ただ後半、苦しい場面でもアタックし続けたこと、身体を張り続けたことというあきらめない姿勢を後輩につなげられたと思います。

明治大学 STATS

明治は連覇を果たすことができなかった。

明治は連覇を果たすことができなかった。

1 安昌豪
2 武井日向
3 笹川大五
4 片倉康瑛
5 箸本龍雅 80'OUT 56'TRY
6 石井洋介 61'OUT
7 繁松哲大
8 坂和樹
9 飯沼蓮
10 山沢京平44'56'61'79'80'G 61'TRY
11 山﨑洋之 70'OUT 69'TRY
12 射場大輔
13 森勇登 51'OUT
14 山村知也43'TRY
15 雲山弘貴80'TRY
16 松岡賢太
17 山本耕生
18 大賀宗志
19 髙橋広大 80'OUT
20 柴大河
21 丸尾祐資
22 児玉樹 61'IN
23 石川貴大 51'IN

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