関東vs石見智翠館の構図が続いていた高校女子ラグビーで、九州が初タイトルを獲得した。
関東vs石見智翠館の構図が続いていた高校女子ラグビーで、九州が初タイトルを獲得した。
第4回目を迎えた「コベルコカップ 全国高等学校女子7人制ラグビーフットボール大会」が8月2-3日、長野県上田市の菅平高原サニアパークで開催された。過去3連覇を飾っている関東(第1回大会はEAST1)か、春の選抜で2連覇を飾っている石見智翠館が事実上単独チームとして出場する中国か、あるいは両者に肉薄している九州か。全国9地区の代表を3チームずつ3プールに分けて行われた大会初日のプール戦は、「3強」が順当に2戦2勝でカップ戦に進んだ。
【プールA】1位 関東 2位 北信越 3位 四国
【プールB】1位 中国 2位 東海 3位 東北
【プールC】1位 九州 2位 近畿 3位 北海道・関東
そして迎えた大会最終日の8月3日。
カップ戦の第1戦は関東vs中国。
春の選抜では、関東が東京中心と神奈川中心、さらに北信越との合同チームと3チームに分かれたこともあってか、石見が24−22で(神奈川チームに)勝利していた。
試合は前半、関東選抜が櫻井綾乃キャプテン(群馬・高崎女子高3年)のトライで5点を先行。
中国は後半開始直後、こちらもキャプテンの青木蘭(石見智翠館3年)がトライを返し5-5。
しかし関東は4分、5分とバティヴァカロロ・ライチェル海遥(東京・板橋有徳高2年)が連続トライ、内山真希奈(国学院栃木3年)がともにコンバージョンを決め、19−5で中国を破った。
続く第2戦は中国vs九州。
「ひとつ負けたけど、勝てば3すくみ、トライ数などで優勝するチャンスは残っている」(中国選抜・磯谷竜也監督)という強い気持ちで臨んだ中国に対し、九州は前半、野田夢乃(福岡・福岡高2年)、キャプテンの伊藤優希(福岡・筑紫高3年)のトライで10−0とリードを奪う。
後半、攻めるしかなくなった中国に対し、九州は自陣で得たPKから速攻。堤ほの花(佐賀・佐賀工2年)の快走から野田夢乃が再びトライを決め、沖野真紀(長崎・島原商2年)のゴールも決まり17−0とリードを広げる。
勝負あったかに見えたが、ここから中国は春の王者の意地を見せる。
4分、青木蘭が相手タックルを突き破る快走でインゴール中央へ飛び込み、自らコンバージョンも決めて17-7。
続く6分にも青木が相手防御ラインを突破してトライ、すぐにコンバージョンを決め、14−17とワンチャンスで逆転の点差に迫った。
しかし、ラストアタックでボールは惜しくもつながらず、14−17で試合終了。
「残念です。去年は春は勝ったけど、この大会で勝てなくて、今年は絶対に勝って去年の悔しさを晴らそうという気持ちで臨んだんですが」
中国選抜の青木主将はそう悔しさをにじませながら
「試合は楽しむもの。負けた直後はうずくまってしまったけれど、最後まで笑顔でいよう、それはブレなかったと思います。楽しんでプレーできました」と胸を張った。