ラグビーリーグワンへの参入を目指している丸和運輸機関ラグビー部「AZ-COM丸和MOMOTARO’S」が9日、新加入選手発表会見を実施。2015年ワールドカップ、2021年東京五輪に出場するなど日本代表で活躍し、日本代表最年少キャップ記録を持つ藤田慶和(32=前三重)など6選手の加入を発表した。

左から五十嵐、東恩納、藤田、南橋、スミス
発表された新加入選手は以下の6選手。
FB 藤田慶和(32)184/90 前所属:三重H
CTB 南橋直哉(36)178/88 前所属:横浜E
PR 東恩納寛太(32)178/113 前所属:GR東葛
PR 五十嵐優(31)171/101 前所属:S愛知
SO フレッチャー・スミス(30)180/88 前所属:リヨン
LO ウィル・タッカー(27)202・117 前所属:ハリケーンズ
丸和ラグビー部は2013年に発足し、2014年に関東社会人連盟に登録。昨季はトップイーストAで7勝1敗の1位、3地域社会人リーグ順位決定トーナメントでは2位の成績を収めた。

和佐見社長

細谷GM兼監督
細谷直GM兼監督はチームの現状と新戦力について「昨季はエリアマネジメントが十分にできなかった。ゲームメーカーだったSO北原が三重に移籍したけれど、そこに経験豊富で左右の両足で蹴れるフレッチャー・スミスが来てくれたので、キックのマネジメントに期待したい。
FBの藤田選手は経験値が高く、相手が蹴り返してくればカウンターアタックがあるし、コミュニケーション能力が高いので後ろから声を出して若い選手をリードできる。南橋選手には我々が最も重視しているディフェンスの部分でチームをリードしてくれる。東恩納選手と五十嵐選手はスクラムの経験値が高い。スクラムは意図的にPKを奪える数少ない部分であり重点的な強化ポイント。試合だけでなく、昨年は1セットしかいなかったフロントローの練習のレベルアップも期待する」と説明した(この日はLOタッカーは欠席した)
出席した選手たちのコメントは以下の通り。
藤田慶和
「細谷GMにこのチームが目指す展望のお話を聞いて、ワクワクしました。日本ラグビーに新たな風を吹かせる、新たな名を刻むチームになると確信しています。これまで積んできた色々な経験をチームに還元して、このチームがたくさんの人に応援してもらえる、全国で一番の人気チームになれるように頑張りたい」
南橋直哉
「細谷GMとお話をして、僕のこれまでの経験を活かせるチームだと思い入団を決めました。まずトップイーストに優勝して、リーグワンに参入して、新しい風を吹かせたい」
東恩納寛太
「丸和のチームに加入することができて、プレーするのが楽しみです。早くプレーしてチームに貢献してリーグワンに上がりたい」
五十嵐優
「入団できたことに感謝しています。まずトップイーストで優勝して、圧倒的な力を見せつけてリーグワンに上がりたい」
フレッチャー・スミス
「NZから来ましたフレッチャー・スミスです。昨年はフランスのリヨンでプレーしていました。勢いのある日本のラグビーシーンに参加できることを嬉しく思います」

左から細谷GM件監督、和佐見社長、藤田、五十嵐、南橋、スミス、東恩納
細谷直GM兼監督は東日本社会人リーグ/トップリーグ時代のNEC、トップイーストからトップリーグに昇格した時期の日野などでチームを強化した実績の持ち主。丸和は現在、社員選手が約40人、プロ選手が約15人で「この比率はこれからも維持したい」と細谷氏。チームは社員を中心にするが、「チームの運営費は会社に出してもらうだけでなく、ファンクラブや地域に根差したスポーツアカデミー、ホームゲームの運営など、選手自身がチームを維持するための事業に携わって費用を稼ぐ、選手がキャリアを積みながら選手生活を送れる、自立したチーム運営を目指す」とチームの構想を話した。
丸和は2022年に千葉県柏市に東京大学との共同研究施設『東京大学丸和柏FUSIONフィールド』を完成。天然芝と人工芝の2面のグラウンドに加え、プレー中の選手の動きをグラウンド周囲に張り巡らされた多数のカメラで撮影し、動作解析などのデータを東大のスポーツ科学研究チームに提供。「ラグビー選手のための最先端のフィジカル・メンタル強化システムの構築」研究に全面協力しながら強化を加速。昨年はトップイーストAグループ昇格1年目で1位となり、3地域社会人リーグ順位決定トーナメントでは準優勝の成績を残した。チームには日本代表経験のあるCTB鹿尾貫太(副将=元静岡BR)、HO木津武士(元神戸S―日野RD)、PR/HO金井健雄(元東京SG―神戸S)、が在籍している。主将のFL眞野拓也はBL東京CTB眞野泰地の兄。
![]() (おおとものぶひこ) 1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。 プロフィールページへ |