日本選手権準決勝・分厚い選手層でサントリーが粘るパナソニックを振り切り決勝進出! | ラグビージャパン365

日本選手権準決勝・分厚い選手層でサントリーが粘るパナソニックを振り切り決勝進出!

2013/02/17

文●大友信彦


一昨季と昨季は、トップリーグ・プレーオフと日本選手権、両方の決勝で戦い続けた黄金カード、サントリーとパナソニックの対決が、16日、日本選手権準決勝で行われた。

真壁の負傷退場にも動じない王者

前半、パナソニックはFB田邉のPGで先行した

前半、パナソニックはFB田邉のPGで先行した

両者は今季は第7節で対戦。34-20でサントリーが勝ったが、前半は13-13のイーブン。実力伯仲の好勝負が期待された。

この日の東京は、最大風速10mを超える強風が吹き荒れた。
試合は前半、トスに勝ったサントリーが風下を選択。
序盤は風上に立ったパナソニックが攻め込み、2分、17分とFB田邉淳がPG成功。6点をリードする。
一方のサントリーは開始12分でLO真壁伸弥主将が負傷退場するアクシデントがあったが、パナソニックの猛攻を粘り強い防御でしのぎ、得意のフェイズを重ねるアタックでリズムを掴み始める。

サントリーは前半12分、真壁主将が負傷退場するアクシデントがあったが、動揺しなかった

サントリーは前半12分、真壁主将が負傷退場するアクシデントがあったが、動揺しなかった

20分、サントリーは7つのフェイズを重ねたアタックで、No8西川征克がパナソニックのSHイーリニコラス、No8ホラニ龍コリニアシのダブルタックルの真ん中を突き抜けてポスト下にトライ。ニコラスライアンのコンバージョンも決まり、7-6とサントリーが逆転して前半を折り返す。

 

パナソニックのCTBノートンナイトがゴールラインに迫るが、サントリーSHデュプレアがタックルで止める

パナソニックのCTBノートンナイトがゴールラインに迫るが、サントリーSHデュプレアがタックルで止める

 

パナソニックNo8ホラニがサントリーFLジョージ・スミスのタックルを振り払って前進

パナソニックNo8ホラニがサントリーFLジョージ・スミスのタックルを振り払って前進

 

後半、残り20分、日和佐、ピシの高速アタックペアで一気に攻撃を加速

後半23分、サントリーWTB村田が自陣から60mを走りきり、パナソニックFB田邉のタックルに耐えてトライ

後半23分、サントリーWTB村田が自陣から60mを走りきり、パナソニックFB田邉のタックルに耐えてトライ

後半はサントリーが風上に周り、さらに攻勢に出る。13分にニコラスがPGを加え、10-6とすると、デュプレア-小野晃征のハーフ団を日和佐篤-トゥシ・ピシの高速アタックペアにチェンジ。一気に攻撃スピードを上げると、23分、ハーフウェーからWTB村田大志が思い切ったランニングでパナソニックFB田邉を振り切り左隅へ。TMO判定の末にトライが認められると、ニコラスがタッチラインギリギリから難しいコンバージョンを成功。17-6とリードを広げる。

後半32分、粘るパナソニックを突き放したサントリーSOピシのDG

後半32分、粘るパナソニックを突き放したサントリーSOピシのDG

サントリーはニコラスが29分にもPGを決め、32分にはピシが判断良くDGを成功。23-6の17点差とする。

しかしパナソニックも諦めない。35分、自陣10mラインのラックからボールを受けたFLシオネ・バツベイがサントリーのピシ、村田のタックルを外して60mを独走。田邉がコンバージョンを蹴りこみ、残り5分で10点差に迫る。

しかし、次のキックオフから奇跡の反撃を期したリターンも、精度が足りずノックオンで万事休す。

39分、サントリーのニコラスがPGを狙い、ボールがHポストを超えると同時にタイムアップのホーンが響いた。

後半35分、諦めないパナソニックはFLバツベイが自陣から独走トライを返して10点差に追い上げた

後半35分、諦めないパナソニックはFLバツベイが自陣から独走トライを返して10点差に追い上げた

ファイナルスコアは26-13で、サントリーは3年連続の決勝進出。プレーオフと日本選手権を合わせれば6大会連続の決勝進出で、昨季のリーグ戦第12節から続く公式戦の連勝は22に伸びた。
決勝の相手は神戸製鋼。日本選手権決勝で対戦するのは2000年度、2001年度に続き、11年ぶり3回目。サントリーは6度目の優勝を目指し、24日(日)、国立競技場で行われる決勝に臨む。

途中出場のサントリーLO元はたびたびビッグゲインをみせた

途中出場のサントリーLO元はたびたびビッグゲインをみせた

 

サントリー小野澤vsパナソニック山田、新旧トライ王の抜き合いは見応えがあった

サントリー小野澤vsパナソニック山田、新旧トライ王の抜き合いは見応えがあった

 


大友信彦
1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。プロフィールページへ


 

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