「何か、自然にできる感じなんです」
霜村誠一は、柔らかい口調で言った。
今季をラストシーズンと決めている。
1月25日、プレーオフ・リクシルカップ準決勝の東芝戦に50−15の対象を飾った試合後だ。霜村は、12月13日の神戸製鋼戦で左足を痛め、ほぼ1ヶ月にわたって戦列を離れていた。その間、霜村のポジション、アウトサイドCTBには2年目の百武優雅がデビュー。フレッシュかつアグレッシブなプレーでチームに勢いを与えていた。
「百武のような、若くていいCTBが伸びている中で、自分は試合経験なしで戻った以上、それなりの仕事をしないと、という思いはありました。でも、緊張とか、プレーオフだから特別な思いというのは別になかったです。 やっぱり、プレーオフには何度も出ているから、試合での気持ちのもっていき方には正直慣れているところがあると思う。口では『いつも通り』と言っていても、自然にギアを一段上げたた気持ちになることが大切。これはキャプテン時代に学んだことかなと思います」