1月27日、NTTジャパンラグビー・リーグワン、ディビジョン1、コベルコ神戸スティーラーズは、敵地・横浜に乗り込み、横浜キヤノンイーグルスと対戦した。
前半、PR中島イシレリにイエローカードが出され数的不利な状況となり、イーグルスNO8アマナキ・レレイ・マフィに先制トライを許すと、SO田村優にドロップゴールを決められ、良いところなく0-10で前半を終えた。
後半開始からSH日和佐篤を投入。このメンバーチェンジが功を奏しアタックにリズムが生まれると、49分にSOブリン ・ガットランドがトライを決めると、57分にもガットランドが連続トライを決めて逆転に成功する。
イーグルスは62分、LOマックス・ダグラスが前節に続きトライを決めて再びリードを広げると、64分には後半から出場したNO8シオネ・ハラシリが敵陣10m付近でボールを持つとパスダミーでできたスペースを走り抜けトライ。27-14とさらにリードを広げた。
追いかけるスティーラーズは69分、敵陣ゴールまで10mの付近でラインアウトモールを押し込むとSH日和佐篤がトライを決め27-21と6点差に迫る。さらに74分、再びモールを押し込みHO北出卓也がトライ。その後のガットランドのゴールも決まって27-28とスティーラーズが再逆転。
74分、イーグルスは自陣からFL嶋田直人、WTBイノケ・ブルアが抜け出し敵陣に入るがボールをキープできず、逆にFLサヴェアが敵陣へロングキック。イーグルスはFB普久原がボールをキャッチ。カウンターアタックを試みるが、自陣から懸命にキックチェイスしてきたサヴェアがタックル。そしてすぐにボールに絡んでジャッカル成功。ペナルティーを獲得したスティーラーズはショットを選択。ガットランドが難なく決めて試合終了。
27-31でスティーラーズがイーグルスを破り、今季3勝目を果たした。スティーラーズは3勝3敗とし勝点15、7位で序盤の6試合を終えた。一時中断再開後の2月25日、アウェイの駒沢でブラックラムズ東京と対戦する。
敗れたイーグルスはクロスボーダーマッチを行い、再開後の初戦は、今季好調な東芝ブレイブルーパス東京との大一番を迎える。
コベルコ神戸スティーラーズ マイク・ブレアAC(アタックコーチ)
何とか苦しんで勝った勝利でした。自分たちにとって思い通りにいっていないことが多かった。その中で勝つ道を見つけることができた。前半のポゼッションは28%しかなく、セットプレーを起点としたアタックができなかった。ただディフェンスは素晴らしかった。特にイエローカードが出ている時のディフェンスが素晴らしかった。
後半はしっかり自分たちのプレーができるようになりトライもした。一番試合で大きかったのは、相手が2トライ取った後、自分たちが追いかけないといけない展開になったが、自分たちの道を見つけることができたことが大きかった。自分たちのキャラクターを見せることができた。プレッシャーの中で自分たちの判断も良かった。特に後半、自分たちの道を見つけないと行けないときが良かった。
――SH日和佐選手を後半から投入した理由は?
ある程度の予想はしますが、前半、徳田が悪いわけではないが、何かを変えないといけないと思い日和佐とワイサケを投入した。彼らはよくやってくれた。
――6試合を振り返って
もっと試合に勝ちたいというところが良くなかったことですかね。自分たちは勝つことができることはあったが、成長すべき点があった。今日の試合はここまでの神戸のキャラクターを示している内容だった。勝ち切れたことはあったが、キャラクターで勝ちきることに頼っていたら優勝できないので、多くのエリアで成長したい。
コベルコ神戸スティーラーズ LOブロディー・レタリック共同キャプテン
久しぶりに勝利できて嬉しいです。クロスボーダー前で、3週間試合がないので、もう一度リフレッシュして後半戦に臨みたい。前半、自分たちはまったくボールを持つ時間もできず、セットプレーも思い通りにできず機能せず、後半は真逆になってモールからもトライがとれた。後半はBKがリードして、戦うべきエリアで戦って、SOブリン・ガットランドが2トライを取ってくれてモメンタムを取り戻した。
――真逆になった要因は
22%しかポゼッションできなければ難しくなる。前半、自分たちがチャンスのときには簡単にボールを与えてしまい、相手には長い間ボールをもたせてしまった。後半はそこが自分たちができるようになってラック、ボールのスピードが上がってチャンスを突くことができた。
横浜キヤノンイーグルス 沢木敬介監督
勝っていれば格好よかったんですが、結果にこだわらないといけないし、(ロッカーで)内容は良かったくらいの話をしたら優に怒られた。もっと厳しくしろと。それだけ選手たちが勝ちたかったのが出ていたし、選手からそういう話が出るのはポジティブだと思う。ケガ人がどうこうと外野が言うのは俺らは気にしていないし、いるメンバーでやっているラグビーの内容は、改善ポイントはいっぱいあるが、低くはなかった。
最後モールで2本取られているだけだし、我々のトライは相手をしっかり崩している。負けたのは悔しいけどネガティブになる必要はなくて、逆にオールブラックスが3人いるチームに、今日出た選手たちが自信の持てる内容だった。でもターゲットに対して、我々の基準を落としたらだめだと思う。レベルアップできるようにいい準備をしていきたい。
――内容が良くなった要因は?
これが普通じゃないですか。こういうのがイーグルスのラグビーだし、替わって入った選手がいいラグビーをしていた。勝たないといけないですが、こだわっていけない部分もあるけど、選手たちがプライド持ってやっていたから、ポジティブな要素がたくさんあったかなと思います。
――勝ち切るためには何が必要だった
ディシプリンのところとモールから2本、それ以外は負けている要素はない。モールディフェンスのところをもう一度整理しないといけないし、あとは規律の部分じゃないですかね。
――クロスボーダーとブレイブルーパス戦と続きます。
クロスボーダーはメンバーを選んでいる状態ではないから、登録28人と聞いているので、28人を使いながら、そういう経験が必要な若い選手もいるので、東芝に向けて弾みのつくような試合をしないといけない。ケガが一番怖いが、その辺のリスクをどう考えるか。選手が潤沢にいればもちろんやりたいですが、そこは難しい。
横浜キャノンイーグルス CTB梶村祐介キャプテン
チームとしては今日の試合にかけているものが多かったので結果は残念でした。内容としては自分たちの目指している形、リスクをおかしてでもボールを持ってアタックし続ける、ディフェンスの粘り強さは以前から改善されたと思います。結果としては負けているので、選手たちは誰一人、今日の結果に満足していないし、勝つことに貪欲にチームとして準備していきたい。
――後半、相手にやられてしまった要因は
ブレイクダウンのところ、そこで規律が乱れてしまっている感覚があった。最後の2本もブレイクダウンの反則が続いて自陣に入られてしまった。ハドルでトークしていたが、浸透しきれなかったことに責任を感じています。規律のところですかね。
――チームの状態は上がっている?
形としては悪くないが、こういうゲームを勝ちきる力がまだまだ足りていないですし、それを改善するのはトレーニングの質だと思うので、もう一度やっていきたい。
――クロスボーダーと東芝戦に向けて
クロスボーダーはなくても練習試合が入っていたと思うし、選手のモチベーションは変わらない。東芝戦から連戦が続くのでチームとしていい準備がしたい。