劇的な勝利だった。
11月16日に秩父宮ラグビー場で行われた明大vs帝京大の一戦は、後半20分過ぎまで7-10のロースコアで進みながら、そこから
24分、明大②西野が逆転トライ(明大14-10帝京大)
40分、帝京大⑮吉田琉が逆転トライ(明大14-17帝京大)
46分、明大がラインアウトモールを押しペナルティートライ(明大21-17帝京大)
と目まぐるしく展開する劇的決着となった。
ゲームを通じて印象的だったのは明大の徹底したハイボール作戦だった。試合の序盤は帝京大が明大陣深くに攻め込んで優勢に試合を進め、20分にHO高矢のトライで先制していた。

帝京大HO高矢がトライ
そんな試合の流れを変えたのはハイボールキャッチ2連発だった。

明大WTB白井のハイボールキャッチ
30分、帝京大の蹴ったハイパントを明大SO伊藤龍之介が相手FB吉田琉と競り合ってキャッチ。直後にはSH柴田の蹴ったハイパントをWTB白井瑛人が相手SH武智と競って見事なジャンピングキャッチ。それまで我慢の時間が続いていた明大は、ここから明らかに攻勢に転じた。帝京大の鍛えられたディフェンスの前に得点こそなかなかあげられなかったが、迷いのないプレー選択と接点への迷いない突進。すぐに得点につながらなくても「前へ」という明大ラグビーの原点を感じさせる戦いぶりは、ラストミニッツの歓喜の逆転劇に結実した。
試合後、神鳥裕之監督は言った。
「選手自身が話し合って、シンプルに戦おうと決めました。みんなが同じページを見て、共通価値を持って、ごちゃごちゃ考えずにシンプルに戦うことができました」
選手自身が話し合って、という言葉が印象的だった。
試合後のミックスゾーンで、SO伊藤龍之介が明かしてくれた。

明治・伊藤龍之介

