スーパーラグビー再編、その背景と未来―2019以後に向けサンウルブズには結果を期待 | ラグビージャパン365

スーパーラグビー再編、その背景と未来―2019以後に向けサンウルブズには結果を期待

2017/04/11

文●大西将太郎 構成●大友信彦


スーパーラグビーの再編が発表された。
スーパーラグビーを運営するSANZARは、2018年からの大会フォーマットとして、現在の18チームから15チームに削減、4カンファレンスから3カンファレンスに再編すると発表した。日本から参加しているサンウルブズは残留となったが、喜んでばかりはいられない。なぜ削減・再編が行われるのか。その背景を理解しなければ、サンウルブズの未来も見えてこない。今回は『しょっさんの大好き!海外ラグビー 緊急増刊』として、スーパーラグビー再編に至ったこれまでとこれからを解説していただいた。


拡大を続けてきたスーパーラグビー。初めての削減、その背景とは

スーパーラグビーは、1996年にスーパー12として誕生して以降、2006年から14チーム、2011年から15チーム、2016年からは18チームと拡大を続けてきましたが、今回初めて削減となりました。

背景としては、チームを増やしたことで、大会のフォーマットが複雑になり、対戦しないカードも増えるなどファンにわかりにくくなったこと、それもあって試合数が増えたわりに観客動員も増えていないこと、選手の移動の負担が大きいこと、などがあげられます。そういう意味で、スーパーラグビーを見直す時期だったのかな、と思います。

ARU(オーストラリア協会)はラグビーユニオンの人気拡大を狙ったが…

昨年のサンウルブズvフォース。山田章仁は2015年にフォースでプレーした。

昨年のサンウルブズvフォース。山田章仁は2015年にフォースでプレーした。

とはいえ、削減候補とされるチームの当事者にとっては深刻な問題ですよね。昨日、ミスター・フォースのマット・ホジソンの記者会見を聞いていたんですが、涙ぐみながらフォースへの思いを話していて、聞いていて本当に切なかった。

オーストラリアでは現在の5チームから1チーム削減されます。これはSANZAAR(南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチンによるザ・ラグビーチャンピオンシップとスーパーラグビーの運営組織)からの圧力ではなく、ARU(オーストラリアラグビー協会)の決定であるとコメントが出ています。オーストラリアのラグビーはもともと東海岸に偏っていたのを、スーパー12創設と同時にキャンベラにブランビーズを作り、2006年に西海岸のパースにウエスタン・フォースが、2011年にはメルボルンにレベルズが誕生。それまでオーストラリアンルールズフットボール(オージーボールとも呼ばれる)やラグビーリーグ、サッカーに比べて人気で劣っていたラグビーユニオン(15人制ラグビー)の全国的な人気拡大を図ったのですが、思うように人気が上がらず、運営資金を補填するARUの財政が圧迫されていたのです。

 

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