藤田慶和の新天地はトップイーストだった。
東福岡高では花園で3年連続優勝。高3でセブンズ日本代表に選ばれワールドシリーズデビュー。高校卒業と同時に15人制日本代表に選ばれ、15人制史上最年少キャップとなるデビュー戦で1試合6トライのスーパーパフォーマンス……数々の記録を塗り替えた「ワンダーボーイ」は32歳の誕生日の翌日、トップイースト所属「AZ-COM丸和MOMOTARO’S」の新加入選手発表会見の席にいた。

藤田慶和
「このチームの展望を聞いてワクワクしています。日本のラグビー界に新たな風を吹かせる、新たな名を刻めると確信しています」
笑顔が輝いていた。声を弾ませた藤田に、新天地に挑む気持ちを聞いた。
――まずは新チーム決定おめでとうございます。所属チームがアズモモに決まるまでの経緯を聞かせてください。
「昨季限りで三重を退団して、次のチームを探しているときに、GMの細谷さんとお話をする機会があって、リーグワンにあがるためのプラン、チームの在り方を伺って、その情熱と、今のリーグワンにはない展望を感じて、聞いていてワクワクしたのが始まりです。リーグワンのチームも地域密着をうたっているけれど、丸和ではラグビーだけに限らないスポーツアカデミーの運営やクラブの運営にも、選手自身が当事者としてかかわっていくとか、これまでのリーグワンのチームよりも踏み込んだ地域密着のプランを持っていた。これまで所属した三重でも埼玉でも地域と連携する取り組みはしていたけれど、それ以上に関われる。プロ選手として自分のパフォーマンスを追うのは当然ですが、それに加えて、地域と一緒にラグビーの価値を上げていこうというクラブの考え方を聞いて、ワクワクしたのが始まりです」
――チームはリーグワン参入を目指しています。
「もちろん、チームとしてリーグワン昇格にチャレンジすることへのワクワク感も大きいです。ラグビー選手として一番輝けるのはピッチの上だし、そこで活躍することが一番です。僕自身、三重では1年目はディビジョン2でプレーして、チームをディビジョン1に昇格させるという瞬間を経験した。そのときのような感動をまた味わいたい、チームの歴史が変わる瞬間に立ち会いたいという気持ちがありました」