ワールドカップが開幕される直前に行われた、永田洋光さん編集メールマガジン「ラグビー!ラグビー!」恒例の激論トーク。永田さんをはじめ、村上晃一さん、そしてラグビージャパン365のスーパーバイザーである大友信彦さん三氏が、「ぶっちゃけた」激論を交わします。前回に引き続き今回は「世界編」。これまでの記憶に残る話から、強豪国の結果予想など、見逃せない内容を、プール戦前半を終えたこのタイミングで公開します。たっぷりお楽しみください。
「99年準決勝の南ア対オーストラリアほど高い集中力のゲームはなかった」(村上)
永田 まずウォーミングアップで、これまでW杯で見た名勝負について話しましょうか。
今までで一番感動した試合です。
大友 僕は99年第4回大会準々決勝のフランス対アルゼンチンですね。100%アルゼンチンに感動しました。フランスが予選ラウンドを1位通過して日程に余裕があったのに対し、アルゼンチンは準々決勝進出をかけたプレーオフでアイルランドを死闘の末に破り、中3日で明らかにボロボロだった。そんな状態で強大な相手と戦った。アグスティン・ピチョットのジャージーもボロボロに破れていたし、それを見ただけでもう試合中から完全に泣いていました。
村上 大友さんはピチョットの話をすると泣くんです。今やアルゼンチンの国歌だけで泣きますから(笑)。
永田 私は同じ99年に、フランスが準決勝で予想を覆してニュージーランドに勝った試合です。「ラグビーって、やっぱり面白い!」と改めて実感した。見ていて、すごく爽快でした。
村上 僕は、91年のスコットランド対イングランドの準決勝が一番感動した試合ですが、もう1つ挙げると、同じ99年大会準決勝の南ア対オーストラリアですね。延長戦に入って、最後にスティーブン・ラーカムがDGを決めた試合です。 この試合は、途中からどちらもまったくミスをしなくなりました。難しいボールも絶対に落とさない。こんなに集中力の高い試合は見たことがなかった。「凄い!」と、吸い込まれるように見ていました。それで最後にDGですからね。しかも、距離が45メートルぐらいあった。しびれましたね、この試合は。
永田 私もその試合を見ていたのですが、95年の第3回大会決勝の南ア対ニュージーランドはテレビ観戦だったので、あれが100分間ノートライのゲームを生で見た初めての経験でした。でも、一瞬たりとも退屈しなかった。途中から、これはどちらかがトライを取ったら、今の完璧な空気が壊れてしまうのではないかとさえ思いながら見ていました。
大友 W杯でDGをたくさん見てきましたけど、あのラーカムのDGは、横からパスを受けて決めたものでしたよね。FWに密集を固めてもらって、SHからのパスを真正面で受けてしっかり狙って決めたDGは何本も見ていますが、ああいう形は初めてじゃないかな。確か相手が蹴り返したキックを捕った選手からパスをもらって蹴ったと思います。
「予選リーグを2位通過したチームが優勝した例はまだ一度もない」(大友)
永田 さて、日本がグループBを2位通過すると、グループA1位チームと対戦します。この“死のプール”をどこが1位で通過すると思いますか。