9月18日から始まったラグビーワールドカップ2015・イングランド大会も残すところあと2日。10月31日、クイーンエリザベスオリンピックスタジアムでは、ブロンズファイナル(3位決定戦)の南アフリカとアルゼンチンの試合が行われた。
準決勝のニュージーランド戦を僅か2点差で敗れた南アフリカと、80分ギリギリまでオーストラリアを追い詰めたが勝利することが出来なかったアルゼンチン。頂点への可能性がない中での戦いにモチベーション含め、調整が厳しい試合となった。特にアルゼンチンはケガ人が続出し、準決勝から9人の先発メンバーが変更となった。南アフリカでは、昨年代表復帰した38歳のLOマットフィールドが主将を務めた。また、NO8スカルク・バーガー、WTBブライアン・ハバナといった「レジェンド」達が代表最後になるかもしれないその勇姿をピッチ上で見せ、5万人を超す観衆を魅了した。
先制したのは、南アフリカ。アルゼンチンSHクベリがシンビンによる一時的退場で数的優位の中、前半6分、南ア・WTB JPピーターセンがゴール右隅にトライ。SOポラードのコンバージョンも決まって7−0。前半、アルゼンチンのペナルティーが目立った。前半だけで3つのPGを与え16−0と南アフリカがリードして後半を迎える。
後半、アルゼンチンのポイントゲッターであるSOニコラス・サンチェスのDGでアルゼンチンが反撃。しかしすぐさま南アフリカはアルゼンチンのミスから敵陣22mライン内側でボールを奪うと、今シーズンからトップリーグ・NTTドコモに入団するLOエツベスがトライを決め、流れを渡さない。
アルゼンチンは、緑の大きな、そして高い壁を打ち崩すことが中々できない。主力選手が欠場していることもあるが、今日の南アフリカディフェンスは規律が保たれ、強固だった。それでもアルゼンチンは80分を過ぎた中、途中出場のPRオランディがトライを決めノーサイド。24-13で南アフリカが勝利し、ブロンズメダルを手にした。
南アフリカは初戦、日本代表にまさかの敗戦。失意の中、スコットランドに勝利しチームを立て直し決勝トーナメント進出。キャプテンであるディビリアスがケガで戦列を離れ、代わりを任された、フーリー・デュプレアがウェールズ戦で勝利を決めるトライ。さらに、オールブラックスとは僅か2点差まで競り合うが勝利することができなかった。
2019年大会では、マットフィールドを始め多くのベテラン選手がいる中でも存在感をみせた若き司令塔のSOハンドレ・ポラードを始め、新しい南アフリカのラグビーが今後4年間でどう進化していくのか注目したい。
アルゼンチンは、2007年以来のベスト4入りを果たした。予選プールでのNZとの戦い、さらに決勝トーナメントに入ってからも強豪国と肩を並べる実力を兼ね備えたチームとなった。今シーズンから日本と同じ、アルゼンチンチームとして世界最高峰のラグビーリーグである「スーパーラグビー」への参戦も決まっている。今大会への進化が「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」への参戦だったことを考えると、「スーパーラグビー」参戦で2019年は「優勝」を視野に入れたチームの育成にむけてプランニングが進むことだろう。
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