ラグビーワールドカップ準決勝レポート・果敢に攻めるプーマスと頑健に守るワラビーズ、スコアに収まりきらないものがピッチにはあった | ラグビージャパン365

ラグビーワールドカップ準決勝レポート・果敢に攻めるプーマスと頑健に守るワラビーズ、スコアに収まりきらないものがピッチにはあった

2015/10/26

文●大友信彦


雨中の死闘となった前日のNZ-南アとは一転、抜けるような青空の広がったロンドン。だがピッチの上は、伝説の名勝負に刻まれるに違いない前日の戦いにも負けない、熱い80分間だった。

2度目の4強進出で、初の決勝を目指すアルゼンチン代表プーマス。対するオーストラリア代表ワラビーズは、2003年大会以来3大会ぶりの決勝を目指した。



「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」で底力をつけたプーマス。ワラビーズのゴールに迫った

先手を取ったのはワラビーズだ。アルゼンチンのキックオフから1分10秒、互いにキックの蹴り合いからカウンターを狙い、ターンオーバーで攻守が入れ替わる中、アルゼンチンSOサンチェスのパスをインターセプトしたワラビーズLOシモンズがトライ。

アルゼンチンのサンチェスがPGを返した後の9分には、アルゼンチンWTBコルデロがフェアキャッチからの速攻を焦って落球したスクラムから、SHゲニアのサイド突破を起点にSOフォーリー-WTBアシュリークーパーとつないでトライ。フォーリーのコンバージョンも決まり14−3。アルゼンチンがPGを返すと、31分には相手陣のスクラムからラックを7連取して再びアシュリークーパーがトライ。19−6まで差が広がり、試合は一方的になるかと思われた。

しかし、過去4シーズンにわたり、南半球4カ国対抗「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」で世界の頂点を争うチームと身体をぶつけてきたプーマスは、底力をつけていた。
35分に3本目のPGを返して19-9の10点差にすると、次の相手キックオフから粘り強くアタック。WTBコルデロの突破からCTBエルナンデスがつなぎ、オーストラリアゴールに迫ったときには、80,025人を飲み込んだスタジアムが絶叫に包まれた。


 

この興奮が、後半につながっていく。

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