南ア戦勝利後の日本メディアの反応とは?今だから話せる、ラグビーがメジャーになった現場の裏事情 | ラグビージャパン365

南ア戦勝利後の日本メディアの反応とは?今だから話せる、ラグビーがメジャーになった現場の裏事情

2015/12/09

永田洋光・村上晃一・大友信彦


スポーツライター・永田洋光氏編集の「ラグビー!ラグビー!」で公開された「W杯イングランド大会総括座談会」(11月11日開催)。永田氏をはじめ、スポーツジャーナリストの村上晃一氏、そしてRJ365のスーパーバイザーでもあるスポーツライターの大友信彦氏の3氏がW杯イングランド大会を総括します。第1回目は、南ア戦の「歴史的勝利」で日本ラグビーが国内・海外から注目を浴びるようになった、その時、メディアの反応は!? 渦中の中にいた3氏がぶっちゃけます。

殺到した電話取材、まずは基礎知識から、そして南ア戦に勝利した価値を伝える

永田洋光氏(以下、永田) ジャパンが初戦で南アフリカ代表を破ったことで、現地での取材は増えたのではないですか?


大友信彦氏(以下、大友) ほとんど部屋から出ない日が何日かありました。


永田 村上さんは途中で一度戻られたのですよね?


村上晃一氏(以下、村上) 日本対サモア戦の前後だけ一時帰国しました。日本がワサワサしている状況を見てまた現地に行ったから、スタッフに「日本はエラいことになっているよ」と伝えました。

個人的な体験としては、日本が勝った翌日から週刊誌からムチャクチャ電話がかかってきました。週刊新潮、週刊文春、プレイボーイ、もう1つ男性誌があって、女性セブンもきました。みんな南アに勝った価値がわからなくて、「なんでそんなに凄いんですか?」という質問ばかり。そんな基礎知識だけを30分ぐらいかけて説明しました。そのコメントはまったく使われませんでしたが(笑)。


大友 現地にいてもまったく同じでした。やっぱり電話がかかってくる。ただ、日本で電話を受けるのと違うのは着信料(笑)。「ラグビーは15人と15人が40分ハーフで戦うスポーツで……だから番狂わせが起こりにくい」と話している間にも着信料がかっていく。途中で料金がかかり過ぎて使用停止になったぐらいでした(笑)。




村上 そうそう。「これ電話代がかかるんですよ」と言うと、先方は「手短にします」と言いながら、30分ぐらい話を訊いてくる(笑)。ある記者は「1時間ぐらい話を聞きたい」と言ってきたので、最初からスカイプでの通話に切り替えました。ただ、そうすると電話代がかからないから、基礎知識ばかり2時間ぐらい話す羽目になる(笑)。


大友 スカイプで1時間ぐらい話したあげくに、「ありがとうございました」だけで通話を終えようとしたメディアもありました(笑)。いろいろ社会勉強になった1ヶ月半でした。

 

南ア戦勝利の歓喜とその時、記者席は? 放送席は?

永田 村上さんは、南ア戦のカーン・ヘスケスの逆転トライの瞬間に矢野武アナウンサーと抱き合ったと、オンエアで話していましたね。


村上 正確に言うと、矢野さんに掴まれました(笑)。オンエアでは矢野さんの「やった、やった!」という声だけが入っていますが、そのとき矢野さんは泣きながら僕をずっと掴んでいた。だから「抱き合った」のではなく「抱きつかれた」のでした(笑)。

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