リッチー・モウンガ「この優勝がチームにとって新たな挑戦になる」アワードで4冠達成!一番うれしいのはリーグワンのタイトル」 | ラグビージャパン365

リッチー・モウンガ「この優勝がチームにとって新たな挑戦になる」アワードで4冠達成!一番うれしいのはリーグワンのタイトル」

2024/05/28

文●編集部


5月27日、東京都内のホテルで、3シーズン目のリーグワンを締めくくる、年間表彰式である「NTT リーグワンアワード 2023-24」が開催された。

ディビジョン1の年間MVPには14シーズンぶりに王者となった東京ブレイブルーパス東京に今季加入した、オールブラックスキャップ56を誇るSOリッチー・モウンガ(30歳)が選出された。

MVPに選ばれたリッチー・モウンガ

MVPに選ばれたリッチー・モウンガ



「自分が今ラグビーをやっているのは、(シーズン中に)亡くなった父の存在が大きい。父に捧げたい」と話した。モウンガはチームの優勝だけでなく、「ベスト15」、選手が選ぶ「プレーヤー・オブ・ザ・シーズン」、そしてMVPと個人3冠にも輝いた。そのモウンガは表彰式後、報道陣に対応して喜びを語った。


――優勝後、すぐに家族を探していましたね


ラグビーをプレーすることが私の仕事であることはもちろんなのですが、ラグビーをプレーすることは、実際自分がどういう人間であるかということのほんの一部でしかないんです。だから、試合が終わればいつでも、プレーが終わればいつでも、私の意識は家族、つまり私にとって最も大切な人たちに向かいます。


――ファンの人が騒然としていましたね


昨日の試合は、本当に想像を超える素晴らしい決勝戦でした。そのような試合を観客やファンに見せられたことはとてもクールでした。またリーグワンがこれからどこへ向かって行くのかを示すものにもなったと思います。

――昨夜はどのように過ごしたか


お祝いしていました。ビールを飲んで、笑って、歌って、踊って。しかるべきお祝いをしました。


――東芝はラグビー以外に酒の伝統もあります


それは自分のキャラクターには合っていると思っています!


――リーグワン、良い点と改善すべき点を


クロスボーダーマッチかなと思います。スーパーラグビーのチームと対戦する経験はリーグワンにとって素晴らしいことです。ですが、スーパーラグビーと対戦するチームにとって直接利益をもたらしません。この大会はもっと短期間に開催できるのではないかと思います。バイウィークはラグビーから離れて体を休めるのに大切なことなので、もうちょっと早くやったらいいんじゃないかなと思います。

――東芝の強化のアプローチと、昨季まで7連覇に貢献したクルセイダーと比べてどうですか?


クルセイダーズは長い成功の歴史を持っています。一方で東芝は近年、成功から遠ざかっていました。ポテンシャルを引き出し、かつ東芝のラグビーをするベストな方法を導き出すことはとても難しいことです。今シーズンはそこの適切なバランスが見つけられたと思います。でも、もっと改善できることはたくさんあるし、僕らは今季以上に成長できるチームだと思います。


――2チームに共通するものはあるか


チームが優勝するときに共通していること、それは努力、人に対する思いやり、愛情、そして、楽しみながらやるのが好きなチームです。そして、ラグビーとは関係ないことでも、似ていると思うことがたくさんあります。そしてそちらの方が大事だと思うこともあります。

ラグビー面で言えば当然フィールドでのプレースタイルですが、文化で言えば人との繋がりや気遣いで、それはフィールド内には止まりません。日常の中で一緒にランチを取ったりコーヒーを飲んだり、そういったささやかなことの全てがフィールドでラグビーをする上で大切になってくる。そして自分の友人、チームメイトを深く理解すること、家族や奥さん、どこの出身なのか、そういうことを理解することでより深い絆を作ることができます。

――昨日優勝したことでチームに何か影響はあるか?


もちろんです、変わらなくていけません。同じことをやり続けて連覇できるチームなんてありません。さらに成長が必要です。それは自分がまさにクルセイダーズで最初に経験したことで、チームは毎年進化していきます。既存の枠にとらわれず、もっとクリエイティブにならなくちゃいけない。

そして今回の優勝が自分たちチームにとっての(新たな)挑戦になります。この優勝で満足してしまっているのか。そうでなければ、もっと追い求めることができます。満足しているのなら、私たちはただ タイトルを1つ獲得しただけのチームで終わるでしょう。それは自分たち次第なのです。


――3日前は30歳の誕生日でした。お祝いはしましたか


誕生日に朝起きら、背中に痛みがあって自分が歳を取ったなと感じました。30歳です。ふくらはぎにも張りがあったし(苦笑)。オジサンです(日本語で)。スピードも落ちたしすぐに眠くなっちゃうし。


――クルセイダーズでの優勝と感慨の違いはある?


いいえ、全く同じです。世界のどこにいても、ニュージーランドであれ、日本であれ、勝利の味というのは格別です。何かのために懸命にハードワークして、それを成し得た時の安堵感や目標の数ヶ月を乗り越えた満足感。この世で最高の喜びの一つです。

――優勝を含めて4冠。どれが一番嬉しい?


リーグワンのタイトルです。私は最高の選手になりたいとか、自分が注目されたいとか、自分の力を試したいという思いで日本に来たわけではありません。優勝するために東芝に来たし、東芝も優勝するために自分を加入させたんですが、今は肩の荷が下りて楽になりました!


――MVPの賞金(100万円)の使い道は?


府中に大きな家を買おうかな。府中はどこに行っても家がとっても小さいんです。


――(納豆が好きな)息子さんに納豆どう?


いやいや、もう納豆はいいです。


――SOモウンガ選手は、東芝のチームメイトだけでなく、リーチ選手や堀江選手、日本ラグビーへのリスペクトを持っています


日本に来たからには、日本のラグビーのレジェンドたちのことをよく理解しなければなりません。彼らは日本のラグビーに大きな貢献をしてきました。ニュージーランドでも同じで、そのような、目標とすべき選手がいました。私はシンプルにラグビーが大好きなので、自分にとってのアイドルやロールモデルになるような選手がいました。新しい世代の若者にとって堀江さん、リーチさんたちはまさにそうです。ラグビー界のレジェンドたちが日本のラグビーを支えて発展させてきたのですから。


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